大会結果

2018年10月17日、19の国と地域から21名の優秀な整備士達が、静岡・磐田のヤマハ発動機本社に集結し、世界一の整備士を目指して熱い戦いが繰り広げられました。世界約34000人の頂点に立ったのは、カナダ代表のBrett TR Hartさん(スポーツモデルクラス)と台湾代表のWu Chang Weiさん(コミューターモデルクラス)でした!おめでとうございます!

集合写真

WTGP2018入賞者

スポーツモデルクラス SPORTS MODEL CLASS

1st

Brett TR Hart

国名:カナダ
ディーラー名:Blackfoot Motorsports
勤務年数:13年

一生懸命競技し、自分でもよくやったと思っていたが、周りも優秀な整備士ばかりなので、自分が優勝できるとは思わなかったです。優勝できるなんてまるで夢のようです。叶うと思っていなかったので、とても嬉しいです。

2nd

Darren Stout

国名:オーストラリア
ディーラー名:Suncity Yamaha
勤務年数:7年

2位という順位でしたが、自分の力を出し切れて満足してます。とても誇らしいです。
また、全てのテクニシャンに目を向け、この素晴らしい大会を提供をしてくれたヤマハに感謝しています。この大会に関わった全ての人に感謝を伝えたいです。

3rd

Alan Simmonds

国名:オランダ
ディーラー名:Motoport Hippolytushoef
勤務年数:11年

とても良い大会でした。この素晴らしい大会に参加できてうれしいです。ヤマハにありがとうと伝えたいです。

コミューターモデルクラス COMMUTER MODEL CLASS

1st

Wu Chang Wei

国名:台湾
ディーラー名:Zheng-Guan Motor Co., Ltd.
勤務年数:7年

小さいころからバイクが好きで、父と一緒にしっかり勉強してきた結果だと思っています。父が以前WTGPに出場し2位だったので、自分が父を超えて1位をとれたことはとてもうれしく思っています。

2nd

Ardhi Sulistyo Haryo Prakoso

国名:インドネシア
ディーラー名:Sentral Yamaha Jember
勤務年数:4年

2位を受賞できてとても嬉しいです。大会中はとても緊張しましたが、一歩ずつ課題を進めていくことにより、全てがうまくいったと思っています。

3rd

Dinh Khac Quy

国名:ベトナム
ディーラー名:Phuong Dong
勤務年数:8年

この大会はプロフェッショナル達の集まりだったので、とてもいい経験ができました。ベトナムに帰って、会社の同僚たちにこの経験をシェアするだけではなく、一緒にスキルアップをしていきたいと思います。

CS賞 CS AWARD

1st

Jeremy Leigh Talley

国名:アメリカ
ディーラー名:I-90 Motorsports Issaquah, Washington
勤務年数:7年

整備技術は訓練で培うものですが、カスタマーサービスは練習ではなく、日々の積み重ねの成果が評価されると思っています。そんな中、CS賞を受賞できて、予想外でビックリしましたが、とても嬉しかったです。

2nd

Sekh Tazim

国名:インド
ディーラー名:S.N.C Yamaha Motors
勤務年数:5年

この場に自分がいることが嬉しいです。サポートしてくれたYTAに感謝しています。この大会での経験をインドで活かし、多くのお客様に届けたいです。多くのことを学べて、とても嬉しく思っています。

大会レポート

1.開会式

2018年10月17日朝、世界一のヤマハ二輪整備士を決める2年に1度のイベント ヤマハワールドテクニシャングランプリ 2018の開会式が執り行われました。会場には関係者やメディア、出場者の応援に来た仲間や家族が集まり超満員。特設ステージに19の国と地域の代表21名が登壇すると、会場は大きな歓声に包まれました。
そして、前回の優勝国であるインドの日本の代表者が選手宣誓を行い、戦いの火蓋は切って落とされました。

2.競技

午前10:20より21名の選手は2グループに別れて「故障診断競技」「お客様対応競技」を実施。いずれの競技も各1名ずつにそれぞれの仕切られたブースが与えられ、他の選手がどこまで進んでいるのかわかりません。観戦者には各ブース毎に設置されたモニターから、競技の進行がタイムリーに伝えられます。各国から選手の家族が応援にかけつけ、今年は更にメディアも集まったことで競技会場も超満員。普段多くの人に注目されながら整備や接客を行うことはありませんので、どれだけ普段と異なるシチュエーションで緊張せずに競技に取り組めるかが重要となります。

故障診断競技

「故障診断競技」はトラブルを抱える車両を修理した後、リストに基づいて各部点検を行う実技競技です。制限時間80分、100点満点で採点をされます。今回はエンジンがかからない故障車両が与えられ、ヤマハダイアグノースティックツール(YDT)という故障診断ツールを活用し、いかに正確に故障診断をできるかが重要となります。
一番早くにエンジン故障を修理できたのは午前の部ではベトナム代表のDinh Khac Quyさん、午後の部では台湾代表のWu Chang Weiさんでした。

ただし、ただエンジン故障を直せば良いというものではなく、工具の扱いは丁寧か、バイクに保護カバーをかけているのかなど、どれだけ丁寧にバイクと向き合っているかも採点基準となります。
また、今回はエンジン故障のほかに、ブレーキに関係する箇所にあきらかな不備が隠されており、エンジンがかかったからといって故障修理が完了しない設定になっていました。気を抜かずに最後まで注意深くバイクに向き合うかが今回の故障診断競技のポイントとなりました。

お客様対応競技

「お客様対応競技」は点検・修理を終えた車両を引き取りに来たお客様に、点検結果の説明や車両についてのアドバイス等を行う競技です。お客様役に、丁寧な点検結果を伝えるのはもちろんのこと、プラスαの細やかな対応ができるか、One to One Serviceの実現のためヤマハ二輪整備士に必要とされる高い修理スキルとコミュニケーション能力を持ち合わせているかがポイントとなります。
また、それぞれ各国の文化・言語に精通した専門の審査員が採点をするため、身だしなみのほか、言葉遣いも「敬語をきちんと使えているか」まで細かく採点をされました。
複数の選手が高得点をマークする僅差の接戦でしたが、この競技で一際高い成績を残したのは、インドネシアのArdhi Sulistyo Haryo Prakosoさん。点検、修理の丁寧な説明のみならず、お客様役の質問に的確に答え、審査員を感心させるコミュニケーション力を発揮しました。

選手の応援にきた家族たち

選手の晴れ舞台を応援するため、各国から選手の家族が会場へと応援へ駆けつけました。

3.表彰式

選手がそれぞれのベストを尽くした後、表彰式が行われ、それぞれの選手の健闘を称えました。

大会会長挨拶

大会会長であるヤマハ発動機の日髙祥博代表取締役社長執行役員は、「選手の皆さんにはこの経験を持ち帰り、それぞれの場所でヤマハテクニシャンの目標となり、ヤマハファンを増やしていただけることを期待している」と選手に向けて語りました。

スポーツモデルクラス入賞者発表

日本を含む先進国がスポーツモデルクラス。
1位はカナダ代表のBrett TR Hartさん。上司も応援にかけつけ、結果発表のときには二人で抱き合って大喜びしていました。
2位はオーストラリア代表のDarren Stoutさん
3位はオランダ代表のAlan Simmondsさんでした。

コミューターモデルクラス入賞者発表

アジア・アセアンなどの新興国を中心としたコミューターモデルクラス。
1位は台湾代表のWu Chang Weiさん。最年少21歳での出場で、なんとWu Chang Weiさんのお父さんは2005年WTGP2位の実力。親子2代の夢を叶えました。
2位はインドネシア代表のArdhi Sulistyo Haryo Prakosoさん
3位はベトナム代表のDinh Khac Quyさんでした。

CS賞発表

お客様、オートバイ、工具などに対するエチケットやマナーなどのお客様満足度で判定される特別賞。この賞に選ばれたのは、フィアンセ同伴で戦いに挑んだ、アメリカ代表のJeremy Leigh Talleyさん
そして、3連覇にかかる重圧に耐えながら練習量No.1を誇った、インド代表のSekh Tazimさんでした。

次回のヤマハワールドテクニシャングランプリ は2020年に開催予定です。優勝国が連覇をするのか、はたまた他国が追い上げるのか、乞うご期待。
また、世界各国で約34,000人のYTA認定整備士を始めとしたサービススタッフが、お客様が世界中どの販売店でも均一で高品質なサービスが受けられるよう、日々努力をしています。ぜひお近くのヤマハで高品質なアフターサービスを体感してみてください。