本部長メッセージ
パワートレイン開発本部 高橋 信治のメッセージをご紹介します。
熱き情熱を持つ仲間たちとともに、
パワートレインの進化と限界に挑む パワートレイン開発本部
高橋 信治
お客さまの心躍る瞬間を創るために、パワートレインを革新する

パワートレイン開発本部は、「パワートレインを革新し、心躍る瞬間を創り続ける」というミッションを掲げ、モーターサイクルのエンジンやトランスミッション、クラッチ、電動モーターサイクルのモーター、電動アシスト自転車のドライブユニット、四輪バギーのエンジンなど、モーターサイクルを中心とする多種多様なランドモビリティの原動機・駆動系の開発を行っています。
現在は、モーターサイクル車両開発本部、モビリティシステム開発本部とともに「商品の開発期間を従来の2/3に短縮する」という中期目標を設定し、さまざまな側面から開発業務の効率化を推進しています。また、カーボンニュートラル時代の排ガスレギュレーションに適応しながらも、お客さまが求めているスポーティーな走りを実現する新しいトランスミッション、高燃費を実現するエンジン、新基軸の電動パワートレインなどに関する新規開発を続けており、順次市場に投入していく準備中です。
開発3本部の共同開発によって誕生した「YECVT」と「Y-AMT」

パワートレイン分野ではエンジンやモーターが注目されがちですが、当開発本部では駆動系にあたるトランスミッションの開発にも力を入れています。2025年に発表した「YECVT」は、電子制御によって自動変速を可能にするシステムであり、小型スクーターなどを中心に搭載しています。大型モーターサイクル向けの自動変速システム「Y-AMT(Yamaha Automated Manual Transmission)」には、クラッチ操作やシフトペダル操作を行うことなく、指1本でギアチェンジができる技術を実現。いずれもモーターサイクルの複雑な操作からライダーを解放する機能であり、「走りを楽しめる」素晴らしいシステムを世に出すことができたと自負しています。
また、「YECVT」や「Y-AMT」は、モーターサイクル車両開発本部やモビリティシステム開発本部と共同で開発を進めてきた成果の結晶です。開発3本部はそれぞれに異なる機能を担っていますが、同じ目標を持ち、同じ最終製品の完成を目指す仲間たちであり、常に協力・連携しながら仕事を進めています。
1+1を3にも4にもできるチームが感動を創り出す

パワートレインの心臓部であるエンジンは、1分間に1万回以上回転し、5000回もの爆発を繰り返します。人の手で完全に制御することが極めて難しいこの領域で、「感動創造」や「人機官能」を形にすることは容易ではありません。
私自身、30代前半で初めてエンジン開発のプロジェクトチーフを任された際、その難しさを痛感しました。全体を見渡してうまく現場をコントロールできず、悔しさのあまり涙を流したこともあります。
しかし、この貴重な機会を糧に「もう一度挑戦したい」と決意し、次のプロジェクトでもチーフを務めました。すると驚くほどスムーズに進み、大きな成果を収められたのです。成功の鍵は、間違いなくチームの力でした。
困っている仲間がいれば誰かが支え、行き詰まったときには専門外の視点が突破口を開く。一人ではできないことも、チームの力があれば実現できると、身をもって実感しました。
異なる専門性を掛け合わせ、1+1を3にも4にもするチームこそ“感動”を生み出します。多様な仲間とともにこの方程式を磨き続け、パワートレインの進化と限界に挑み続けたいと思います。
メッセージ
パワートレイン開発本部では、モーターサイクルに限らず、機械設計の経験をお持ちの方や、モーター・バッテリーなど電動分野の知識やスキルをお持ちの方を幅広く歓迎しています。私たちのように新卒からヤマハ発動機でモーターサイクルを作り続けてきた社員は、どうしても既存の枠組みに捉われがちです。だからこそ、当社を外から見ていた方の視点や発想には高い価値があると考えています。また、ミクロン単位の精度が求められるパワートレインの開発にはロジカルな思考力が不可欠ですが、ロジックだけでは解決できない壁もあります。そんなときに突破口となるのが、技術に向き合う情熱です。熱意ある仲間とともに “走る楽しさ”を支える開発を進めていきたいと思っています。
自由闊達な風土の中、自ら動き出す意欲さえあれば、必ず周囲が協力してくれる環境です。ぜひ、私たちとともに感動を届ける仕事にチャレンジしていきましょう。
パワートレイン開発本部長
高橋 信治
PROFILE
1990年入社。パワートレイン開発に携わり、「YZF-R6」ではエンジン設計プロジェクトチーフを担当。パワートレイン設計と実験の部長を歴任し、タイ開発子会社の社長、SPV事業部長を経て現職。
「一人ひとりの技術と情熱が連鎖し、人の心を動かす」ことを信念に、仲間とともに“本物”を追求するものづくりを続けている。
※所属部署、記事内容は、取材当時(2025年10月)のものです。
- その他 開発本部
- ランドモビリティ事業




