社員インタビュー

求めていたのは、“開発組織そのもの”を開発する仕事

前職時代、有識者の協力を得ながら、試験装置（ベンチ）で正確な実験・適合・評価ができるように、試験条件や測定方法を標準化するための要領書一式を作成して部内に共有したことがあります。この経験を通して、「開発者としてひとつのモデル開発に集中するよりも、俯瞰した視点で仕組みやルールを整備し、開発工程の全体最適を探る仕事の方が面白い」と実感。自分自身気づいていなかった価値観と適性に驚きつつ、技術者として「製品」ではなく「開発組織」を開発・改革する道に進もうと決めました。

特にヤマハは、学生時代から憧れていたメーカーです。新卒採用の時点では“高嶺の花”だと諦めていましたが、前職で経験を積み、自分の価値観や適性を明らかにすることができた今、組織改革に臨む職種ならヤマハに貢献できると思い、応募しました。そして、キャリア採用の面接で和やかな雰囲気や風通しの良さに触れ、ヤマハの開発者が今以上に楽しく、イキイキと働けるベストな開発環境をつくり、感動創造をし続けられることに貢献できたらやりがい十分だと思い、入社を決めたんです。

本質的な改革のカギは、周囲を巻き込む姿勢にあり

私が所属するグループのミッションは、世界中の情報をひとつに集め、有用な形に変化させ、パワートレイン開発部門が迷いなく進む未来を、現場と一緒に構想すること。メンバーは開発部門の出身者に加え、システム会社出身のDX経験者や、芸術系の出身者など、実にさまざまです。そんな一人ひとりが持ち前の強みを活かし、データ活用・DX化・プロセス改善などに取り組んでいきます。

私も現場の開発者として培った経験やノウハウを活かし、複数のプロジェクトに参画。例えば中長期的なプロセス改革プロジェクトでは、開発者がよりイノベーションに費やせる時間を増やすために、情報検索システムの導入、業務の自動化、プロセスの標準化などさまざまな施策を企画・実施しています。

ただし、ヤマハはボトムアップの文化。改善策を一方的に提案しても、組織改革は進みません。我々がファシリテーターとなり、開発部署やシステム開発の専門部隊など他部署を巻き込んで一緒に進んでいく姿勢が重要です。現場の理解を得て、開発者の面々から「期待しているよ」と言ってもらえると大きなやりがいを感じますね。

「やりたい」に挑戦できる。だからヤマハは面白い

ヤマハの文化と言えば、社員一人ひとりが「やりたい」に挑戦できることも特徴のひとつです。例えば私は目下、部門横断型の情報検索システムの開発・導入プロジェクトに参画していますが、きっかけは「やりたい」でした。当時チームとして検索や情報整理に用いる辞書の構築に難儀していたため、日本語教師の資格を持っており言語への専門知識が活かせるかもしれないとアピールして、アサインしていただきました。

本業以外にも、「Yamaha Day オープンハウス」で、お客さまに喜んでいただくイベントを企画したり、オフィス改装プロジェクトに参画したりと、自ら手を挙げてさまざまな業務に挑戦中。上司から言われたことをただ漫然とやるだけでは自分の価値が見えなくなってきますが、それぞれの強みや意見を活かして前向きに取り組める環境ではモチベーションも違いますね。

時にはその真剣さ故に、上司や同僚との議論が過熱することもありますが、それも「職位は違えど技術者同士は対等」という風土があればこそ。お互いに高い熱量でぶつかりあいながら洗練されていく過程や、動的にさまざまな製品・技術・ノウハウが生み出されていく風土も、ヤマハならではの魅力です。

興味をとことん追求する、その資質が活かせる職場

ヤマハに入社して驚いたのが、趣味や興味を極めた尖った人材が多いこと。例えばバイクで日本一周を果たした旅人、自らレースに参戦するライダー、何百km走るサイクリストなど、経験談を聞くだけでワクワクする仲間がそこかしこにいるんです。バイクは感性に訴えかける製品。だからこそ、ユーザーに感動や喜びを届けるためには、徹底的に楽しいことをやり込んできた経験や思考も立派なスキルになると感じています。会社としても全社的な重要課題に公募で挑戦できる「セルフ・キャリア・チャレンジ制度」や社内副業制度など、さまざまな形で社員一人ひとりの“尖りポイント”を発揮できる制度が整っていますね。

私自身も興味を持ったことは何でも追求するタイプで、今回の転職活動を機にキャリアについて勉強し、キャリアコンサルタントの資格を取ったばかり。そうして身につけた専門知識も活かし、いつかは人財開発など新しい領域にもチャレンジしてみたいです。ヤマハをさらに面白いメーカーにしていくために、技術者はもちろん、全社員が輝くための組織改革に貢献していきたいと思います。

※所属部署、記事内容は、取材当時（2025年10月）のものです。