Q4 マリン事業の取り組みについてお聞かせください。
さらなる収益拡大を目指します。
決算発表の動画
2013年は、船外機は大型モデル『F200F』『F150C』やボルボ・ペンタ社と共同開発した船外機操船システム『ヘルム・マスター』などの新商品導入により、大型モデルの好調な北米の需要を着実に捉え、販売が増加しました。さらに、前年同様販売が好調なウォータービークル、国内ボート市場の活性化や円安効果もあり、収益が大幅に改善しました。
2014年は船外機では先進国での新商品投入を加速するとともに、小型船外機の生産拠点をフランスからタイへ移管することにより最適地生産によるコストダウンを進めます。また、中国の漁船市場への進出を目指して、現地での新工場稼働を予定するなど、総合マリン成長戦略に基づき、さらなる増収・増益を目指します。
マリン事業
2013年:増収・増益、特に営業利益率の改善進む。
船外機は、新商品投入(200馬力等)により北米での販売増加。
2014年:さらなる増収・増益を目指す。
Q5 その他の事業での取り組みについてお聞かせください。
新商品投入や顧客開拓により、収益の改善が進んでいます。
レクリエーショナルビークル(RV)事業
2013年は、3人乗りの新型レクリエーショナル・オフハイウェイ・ビークル(ROV)『VIKING』を市場投入しました。これを皮切りに、今後5年間連続で新商品を導入し、強力なラインアップの復活を図ります。
スノーモビルでは、ロシアでの販売が拡大したことに加え、北米では他社との連携による事業効率化を推進し、OEM※による新商品『SR VIPER』が販売規模拡大に寄与しました。今後、高性能で高い信頼を寄せていただけるような強力な商品ラインアップを復活させていく計画です。
これらの取り組みにより顧客層を拡大し、安定収益体質を定着させていきます。
※OEM: Original equipment manufacturing
スマートパワービークル(SPV)事業
2013年は電動アシスト自転車『PAS』では、業界初のトリプルセンサーを搭載した新商品の投入効果と、お客さまを広げる取り組みの成果もあり、国内での販売台数を大幅に伸ばしました。また欧州市場に向けては、軽量・コンパクトな電動アシスト自転車用システム『E-Kit』を開発、海外メーカーとの事業提携先を広げるなど、販売拡大への準備を始めました。
2014年も国内市場へは機能・使い勝手を向上させるモデルを積極的に投入、欧州の事業提携先も拡大してまいります。
RV事業
2013年:当社出荷は、8.9万台・91%、増収127%。
・ROV: 5年間連続の商品投入による強力ラインアップ復活へ。
・SMB: 他社OEMによる新商品投入、ロシア市場での販売増加。
2014年: 当社出荷は、9.6万台・108%、増収116%を予想。
SPV事業(PAS)
2013年:当社出荷は、23万台・122%。
・国内:トリプルセンサー投入・需要開拓等による。
・欧州:提携先3社から4社へ(+数社獲得見込み)、拡大準備進む。
2014年: 当社出荷は、28万台・121%を予想。
Q6 経営変革への挑戦について、2013年の進捗状況をお聞かせください。
グローバル規模での事業構造改革とコストダウンが進捗しています。
当社では、収益力の向上を事業規模の拡大と並ぶ中期経営計画の重要課題であると認識しており、前中期経営計画から引き続いて先進国事業の構造改革を推進しています。2009年末に12工場・25ユニットだった国内生産体制を、2013年末までに8工場・16ユニットに集約・再編成しました。さらに、欧州では、事業体制を再編するための構造改革を推進しました。
また、コストダウンについては、2013年からの中期経営計画3ヵ年の目標900億円に向けて、アセアンおよびインド統合開発センターでの市場適合設計を進めるとともにプラットフォーム部品の調達コストダウンを推進しました。戦略的な協働関係づくりに関しては、その一環として、サスペンションの開発・生産に向けてKYB株式会社との合弁企業を設立しました。2014年もコストダウンに積極的に取り組んでいきます。
コストダウン戦略: 「グローバルなモノ創りを変える」
Q7 長期戦略についてお聞かせください。
広がるモビリティの世界を提案してまいります。
ヤマハ発動機グループは、「新しく挑戦する分野」の取り組みとして、新しいコンセプトモビリティーの市場導入に取り組んでいます。技術とお客さまが、二輪から三輪、そして四輪へと広がるという、「広がるモビリティの世界」の追究を、長期的な成長を図る新規事業開発戦略の一環として位置づけ、積極的に展開しています。
2013年は、リーニング・マルチ・ホイールの三輪コミューター『TRICITY Concept』を開発し、2014年の市場導入に向けて準備を進めました。さらに、マルチホイールの発想を広げて小型四輪車『MOTIV』の研究開発も進め、東京モーターショーに参考出展しました。
今後も、独創的なコンセプト、卓越した性能・機能を実現する技術、洗練された躍動美を表現するデザインに挑戦して、ヤマハらしいモノ創りに取り組み、モビリティの世界を豊かに広げていきます。
コストダウン戦略: 「グローバルな調達・供給を拡大する」
Q8 中期経営計画の達成に向けて、2014年の経営目標をお聞かせください。
営業利益率5%の達成を、1年前倒しで目指します。
2013年から2015年までの3年間を対象とした現中期経営計画では、2015年に連結売上高1兆6,000億円・営業利益率5%(営業利益800億円)という目標を定めて、グループを挙げて事業規模・財務力・企業力の強化に取り組んでいます。
現在の経営環境は、先進国通貨に対する円安基調が続く一方で、欧州における景気回復の遅れや、新興国における景気減速・通貨安などが懸念されています。2014年は、中期経営計画の2年目として、そのような経営環境の変化に対応して、各市場の景気・需要を見極めながら、事業戦略の補強をして計画前倒しに取り組みます。
また、2014年の連結業績について売上面では、二輪車・マリン・特機事業などにおいて、積極的な新商品投入による増収を見通しています。利益面では、増収による利益増加やコストダウンなどにより、将来成長に向けた研究開発費や販売費の増加を吸収して、増益となる見通しです。
Q9 株主還元策について詳しくお聞かせください。
1株当たり利益の向上により、安定した株主還元を実施します。
当社は、ステークホルダーの皆さまの利益向上を経営の重要課題と位置づけ、グローバルな視点から世界各地で事業を展開し、企業価値の向上に努めております。配当につきましては、連結当期純利益の20%を配当性向の下限としながら、積極的な成長投資と株主還元・借入金返済のバランス、業績動向や内部留保など、経営環境を総合的に考慮して実施しつつ、また、財務戦略の最重要課題を積極的な成長投資と安定した収益、適正な株主還元のバランスを保つことに置き、ROE(株主資本利益率)とROA(総資産利益率)を重要指標化して経営評価しています。
引き続き安定した株主還元を実施させていただく所存です。
2013年 配当・2014年 業績予想
2013年:年間配当1株当たり26円 (配当性向20%)を実施。
2014年:売上高1.5兆円・営業利益750億円、年間配当26円を予想。事業戦略の補強・見直し、計画前倒しに取り組む。
Q10 ステークホルダーの皆さまへのメッセージをお聞かせください。
ヤマハらしいモノ創りで輝き、世界に存在感を発揮し続けます。
ヤマハ発動機グループは、経営変革に挑戦し続ける姿勢を保ち、グループが一丸となって中期経営計画に取り組むことで、2013年度の業績拡大を果たすことができました。しかし、こうした姿勢がグループの持続的な成長につながるのはこれからと考えています。
現中期経営計画をスタートするにあたり、グローバルに発信したメッセージ『Revs your Heart』は、「これからもヤマハらしい個性あるコンセプトでお客さまの期待を超える価値と感動を提供し続けていく」という当社の強い決意の表れです。
ヤマハ発動機グループは、これからも「スピード」「挑戦」「やり抜く」スタンスで事業規模・財務力・企業力の持続的な成長に取り組み、モノ創りで輝き、存在感を発揮し続ける会社としての価値向上に努めてまいりますので、引き続きよろしくお願いします。
ステークホルダーの皆さまへ
中期経営計画の進捗 SNAP SHOT