GROWTH STRATEGY
#03
ヤマハ発動機グループは、「豊かな生活」「楽しい移動」「人・社会・地球にやさしい知的技術」を具体化する成長戦略として「個性ある多様性への挑戦」を加速し、ヤマハらしさを象徴する個性ある新商品で新しいビジネスを創出しています。
ヤマハ発動機は、1980年代に産業用無人ヘリコプターの開発に着手して以来さまざまな研究開発を進め、現在ではUMS(Unmanned System:無人システム)事業として農業用途を中心に販売台数を拡大し、当社機による日本国内での延べ散布面積は104万ヘクタール(うち水稲:延べ93万ヘクタール)、水稲防除カバー率※は37%に達しています(2013年当社推定値)。
UMS事業推進部では、実績ある国内・韓国の水稲防除散布を主軸に、その用途を拡大しつつ、さらに、ビジネスを開始したオーストラリア、FAA(アメリカ連邦航空局)に商業用飛行許可を申請し、ワイン用ブドウ圃場の実証試験推進中の米国、市場参入準備を進めているタイ、欧州などへ事業領域を拡大していきます。
防除機器別国内水稲防除カバー率(2013年/当社推定)
無人ヘリ販売実績(単位:台)
遠隔操作技術により、効率的かつ安全なオペレーションを実現する当社産業用無人ヘリコプターは、東日本大震災後の福島県内放射線量率モニタリング業務や、近年活動が活発な活火山での地磁気計測にも活用され、災害復興、防災/減災活動、環境観測、学術調査、各種計測業務、セキュリティ用途などに幅広い需要が見込めます。
「重い散布機を担いでの農作業はとてもきついのです」と語る、岩手県花巻市の農業組合法人・花フロシキの八重樫甚一郎さん。
無人ヘリコプターは作業者の負担軽減のみでなく、速度と高度を維持するクルーズコントロール機能により、安定した薬剤散布の実現を支援します。
ヤマハ発動機が2013年に市場投入したニューモデル『FAZER』は、エンジン出力向上と新制御システムによる高い操作性能とともに、FI(燃料噴射装置)を採用した4ストロークエンジンによる高い積載能力と、クリーンで静かな排気を実現した次世代の産業用無人ヘリコプターとして注目されています。
ヤマハ発動機の産業用無人ヘリコプターは、空から農業を変えていきます。
動画ヤマハ発動機公式チャンネル
Rev Story Transforming Agriculture from the Air / 空から農業を変える ~産業用無人ヘリコプター編
ヤマハ発動機の電動アシスト車いす『JWスウィング』は、公益財団法人日本デザイン振興会が主催する2014年度グッドデザイン賞において「グッドデザイン金賞」を受賞しました。
『JWスウィング』は車いすのハンドリム操作の負荷に応じて電動の補助力が働く“電動アシスト車いす”で、障がい者や高齢者を中心に車いすを必要とする方の行動範囲の拡大や自立した生活の支援などを目的に開発しました。
漕ぎやすさを追求し、軽量で耐久性に優れた車いすは、バッテリーを別体式にし、電動に見えないスマートなデザインが特徴です。
ヤマハ発動機では、健康・福祉分野や高齢化社会対応の一環として、車いす用電動ユニット『JW-I』を1995年に発売。以来独自の高度な制御技術や駆動技術などを応用し、使用者の快適性・利便性に加え、介助者の負担軽減などを追求した電動車いす製品を提供してきましたが、高齢者を中心に車いすを必要とする方の行動範囲の拡大や自立した生活の支援と介護保険でのレンタルを目的に、電動アシスト車いすの「完成車」開発に当社として初めて着手し、誕生したのが『JWスウィング』です。
2014年11月。東京国際交流館で開催された「国際ユニヴァーサルデザイン会議2014」で注目を集めた、新しいデザイン思想でGenerateされた、電動車いすのデザインコンセプトモデル『02GEN』。
「さっそうと操り美しくしなやかに動き、使い手の個性に寄り添い」を実現化。電動アシスト車いすとしての機能性や安全面の視点を織り込みながら、快適性を追求。座った姿勢の美しさ、人と車いすの一体感にこだわり、人と車いすのライフシーンにこれまでにない豊かさを創出します。
特設サイト02GEN
http://global.yamaha-motor.com/jp/yamahastyle/design/features/concepts/02gen/
ヤマハ発動機は、「軽量・コンパクト・高性能」による走りの楽しさと高い環境性能を具現化する新コンセプト“GREEN CORE(グリーンコア)”に基づいた次世代の電動アシスト自転車用ドライブユニットを開発しました。ギアポジションに合わせてきめ細かな制御を実現する当社独自の機構「S.P.E.C.」やトリプルセンサーシステムなど、パワフルで自然なアシスト性能を実現する機能はそのまま継承しています。このドライブユニットをPAS「ナチュラ」シリーズをはじめとする2015年主要モデルより順次搭載していくほか、国内の電動アシスト自転車メーカーへの供給も行います。
販売台数の推移(単位:千台)
欧州では、E-BIKE(イー・バイク)と総称される電動アシスト自転車の需要が、2014年に110万台(当社推定値)に達し、世界でも有数の電動アシスト自転車市場となっています。
当社は、国内での完成車販売、ドライブユニットの供給ビジネスに加え、グローバル展開として欧州地域の自転車メーカーとの連携を強化・拡大し、電動アシスト自転車用システムキットの供給ビジネスを展開しています。すでにドイツのヴィノラ社など数社に供給しており、2015年には総供給規模は欧州域内で8万台を目指します。