マリン事業
世界3兆円市場への挑戦
ヤマハ発動機は、「マリン世界3兆円市場への挑戦」を成長戦略のテーマに掲げ、エンジンや周辺機器に艇体戦略を組み合わせて事業領域を拡大し、総合事業力・信頼性・ネットワーク力で世界に存在感を発揮する高収益型事業としてマリン事業を成長させていきます。
世界のマリンビジネスの各市場のボリューム
売上高(億円)
マリン事業No.1の座を
ゆるぎないものとするために
新たな成長機会を視野に入れるマリン事業
ヤマハ発動機のマリンエンジンは高性能・軽量・低燃費の領域で世界的な評価を確立しただけでなく、船内機から船外機への製品シフトが進む中で、優れた環境性能でも注目を集め、世界中のマリンシーンで圧倒的な存在感を示しています。
さらに世界のマリン市場には、レジャー目的で使用されるプレジャー艇市場に約1兆7,000億円、漁業など業務用の漁船市場に約2,400億円の市場規模があると考えており、当社はその大きな市場の中でも米国や新興国のプレジャー艇市場、漁船・業務艇市場でのシェア拡大に取り組み、マリン事業のさらなる成長を目指していきます。
艇体だけではない、ヤマハの存在感の確立
ヤマハ発動機では、マリン事業のさらなる成長のために、プラットフォーム、統合制御を進化させ船外機と艇体をパッケージングした製品ラインナップの拡充を図り、幅広い領域での存在感向上を目指します。
併せて北米で高い評価のスポーツボートにおいても新しい価値提案を行ってまいります。
こうした「エンジン・周辺機器+艇体戦略」の実行を通してマリン事業の総合的な事業力およびヤマハブランドの信頼性を一層向上させ売上高3,000億円超・営業利益率20%の水準をマークする高収益型の総合ボーティングビジネスを確立していきます。
高収益事業への進化を促す「エンジン・周辺機器+艇体戦略」
先進国市場
ボーティング価値の多様化
米国を中心に領域および顧客層を拡大
先進国市場では、圧倒的な競争力のある次世代ラインナップの拡充を進め、「エンジン・周辺機器+艇体戦略」によるボーティング価値の多様化を推進していきます。
主力市場の米国では、当社ボリュームゾーンとなるスポーツボート市場で19-24フィートクラスから未投入の新しいカテゴリーへとラインナップを拡充し、パーソナルからファミリーまでの幅広い顧客層に対応します。それに伴い、既に米国で3ブランド1万隻を供給する当社生産能力のさらなる向上を図ります。また、船外機では、大型機への需要拡大を捉えた次世代プラットフォームモデルの投入を進めてまいります。
幅広い顧客層に向けた艇体戦略の推進
動画ヤマハ発動機公式チャンネル
マイアミインターナショナルボートショー2015
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新興国市場
現地最適化で市場を攻略
中国市場開拓に向け現地生産を推進
新興国市場では、成長余力の大きなロシアやブラジルでの顧客接点を拡大し、中国では「現地生産による市場攻略」を基本戦略にプレジャーボートおよび漁船市場を開拓していきます。
特に中国では経済発展に伴ってマリーナ等のインフラ整備が進み、マリンレジャー人口も増えたことによりプレジャー艇市場が拡大しています。当社では27フィート・フィッシングボートの委託生産を南海部の珠海市で開始し、フィッシング人口の拡大に合わせ、プレジャーボートの市場投入を加速しています。
一方、中国漁船市場においては、未だに重い木造船を中心に約50万隻の中古船が操業していることから、軽量・高性能な漁船への潜在需要が見込めます。当社では大連市?子島に合弁生産拠点を確保し、日本国内で培ったFRP艇の技術と船外機のマッチングの技術を駆使したパッケージボートの供給を進めていきます。
世界に広がる総合ボーティングビジネス
技術戦略
「エンジン・周辺機器+艇体戦略」を支える技術の向上
ヤマハブランドへの信頼に応える
マリン事業が推進する「エンジン・周辺機器+艇体戦略」を支えるのが、船体の統合制御技術と船外機の軽量化技術です。
当社は、2013年にはボルボ・ペンタ社と共同開発した船外機操船システム『ヘルム・マスター』を発表、市場にアドバンテージを示す統合制御技術を確立したのに続き、2014年には、ウォータービークルの直感的かつ快適な操縦を実現する「RiDE」技術を開発しました。
また、中型船外機では、より小型軽量化されたプラットフォームモデルを展開し、小型船外機では、タイでの生産によりコストダウンを追求していきます。今後も制御技術の向上と併せて軽量化・最適化を促進し、スポーツボートでは新しい価値の提案を積極化することにより、幅広いお客さま層に向けてアピールを続けてまいります。