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ロレンソ&ロッシが2015シーズンを牽引 ヤマハがMotoGPクラスで通算5回目となる三冠を達成!

ロレンソ&ロッシが2015シーズンを牽引
ヤマハがMotoGPクラスで通算5回目となる三冠を達成!

開幕戦を制し、好調なスタート

ヤマハ発動機にとって創立・レース活動60周年の節目となった2015年。

ファクトリーチームの「Movistar Yamaha MotoGP」からは、昨年ランキング2位のバレンティーノ・ロッシと3位のホルヘ・ロレンソ。サテライトチームの「Monster Yamaha Tech 3」からは、昨年ランキング6位のポル・エスパルガロと8位のブラッドリー・スミスが参戦。マシンは、過去6回、チャンピオンマシンに輝いた「YZR-M1」である。

なかでもロレンソは、MotoGPで自身3回目のタイトル獲得へ、36歳となったロッシは、GP通算10回目、6年ぶりのチャンピオン獲得に燃えていた。また、開発陣も2012年以来、3年ぶりのタイトル奪還に向け、マシン作りに並々ならぬ努力を重ねてきた。

オフシーズンのテストから好調を維持して臨んだ開幕戦・カタールGPは、ロッシ、ロレンソとドゥカティ勢が激しくポジションを争う展開となった。レース後「今までで最高の戦いのひとつ」と語ったロッシは、終盤、冷静に流れを読み、勝負を仕掛けA・ドビツィオーゾとの大接戦を制して優勝。2015シーズンの幕開けは最高のスタートとなった。

勢いを得たロッシは、続く第2戦・アメリカズGPで3位、第3戦・アルゼンチンGPでは2勝目を挙げ、順調にランキングトップを快走することとなった。チームメイトのロレンソは、序盤こそ厳しいスタートとなったが、ヨーロッパ・ラウンドを迎えると同時に復活。第4戦スペインGPでポールtoフィニッシュを飾ると、フランス、イタリア、カタルニアまで自身キャリア初の4連勝。ロッシも開幕から表彰台に立ち続けランキングトップを維持するが、ロレンソは着々とその差を縮め、ついに1ポイント差まで詰め寄って第8戦・オランダGPを迎えた。この時点で、ランキング3位のA・イアンノーネ(ドゥカティ)とは40ポイント以上の差があり、タイトル争いは早くもヤマハのふたりに絞られつつあった。

チームメイトどうしのタイトル争い

オランダGPでは今季初のポールポジションを獲得したロッシが、決勝でも圧巻のレースを展開。序盤からM・マルケス(ホンダ)の追撃を抑え込みながら後続を引き離し、終盤は一進一退、息を飲むバトルで観衆を魅了した。そして残り3ラップ、トップを奪い返したロッシは次のラップで自己ベストを記録してアドバンテージを広げたが、マルケスも最終ラップの後半で再び差を縮める素晴らしい走りを見せた。そして、勝負は最終シケインまでもつれ込み両者が接触。ロッシはグラベルに出てしまったものの、懸命に立て直してコースに復帰し、そのままトップでチェッカーを受けた。ロレンソは、2位マルケスに次いで3位に入った。

「(ロレンソの追撃が始まった)ヘレスで9ポイント詰められたが、今日それを帳消しにすることができた。今年のチャンピオンシップは最終戦の最終ラップで決まると思っているから、今日どうしても優勝する必要があったんだ」とロッシ。

しかし、その後も各レースで競り合うふたりに、ホンダのマルケス、D・ペドロサが絡み、熾烈なタイトル争いに微妙な影響を与えていく。そして第11戦・チェコGP、5勝目を挙げたロレンソが3位のロッシと211ポイントで並び、勝負は振り出しに戻された。

「一進一退」、予測不能な終盤戦

スタート直前に雨が降り、20ラップに短縮された第12戦・イギリスGPは、ロッシが4勝目を獲得。シールドのアクシデントに見舞われたロレンソは、4位に留まった。さらに第13戦・サンマリノGPは天候の変化に翻弄され、2度のマシン交換を行ったロレンソが転倒。ロッシも初めて表彰台を逃したが、5位に入り、ロレンソに23ポイントのリードを築いた。

「この2戦はとくにアンラッキー。でもこのあと全部勝てば、バレンティーノの順位に関係なく僕がチャンピオンだ」とロレンソは、自分に言い聞かせるようにタイトル獲得の可能性を強調した。

そして第14戦・アラゴンGPでは、ロレンソが優勝、ロッシが3位。この時点で「Movistar Yamaha MotoGP」のチームタイトルが決定し、続く第15戦日本GPではロッシが2位、ロレンソが3位となり、ライダータイトルも18ポイント差を争うふたりに絞られた。

第16戦・オーストラリアGPは、マルケス、イアンノーネを交えた4台が最終ラップまで競り合う大接戦となり、ロレンソが2位、ロッシは4位でフィニッシュ。いよいよ舞台は残り2戦、マレーシアGPとバレンシアGPに移った。

ところが、このチャンピオン争いは予想外の展開を迎えた。序盤で出遅れたロレンソは直ちに挽回。ロッシ、マルケスをパスしてトップのペドロサを追い、2位を獲得する。これに対してロッシは、マルケスと激しい3位争いを展開。両者が接触したかに見えた7ラップ目、マルケスが転倒し、ロッシはそのまま3位でゴールした。

最終戦でロレンソが逆転チャンピオン!

マレーシアGPでのアクシデントによりロッシにペナルティが課され、最終戦・バレンシアGPのグリッド最後尾スタートが義務づけられた。この時点でロッシのリードはわずか7ポイント。ロレンソにとってはチャンピオン獲得に近づいた。

そして迎えた最終戦。逆転チャンピオンを狙うロレンソは、ポールポジションからホールショットを奪う絶好のスタート。マルケスとペドロサを従えながら、快調にトップを独走する。

一方、ロッシも懸命の追い上げを見せ、オープニングラップで26位から15位までごぼう抜き。さらに3周目で9位、13周目には4位まで順位を上げた。

その頃ロレンソは、マルケス、ペドロサとテールtoノーズで激闘を繰り広げていた。しかし、渾身の気迫と集中力で逃げ切ったロレンソが、ついに3回目の栄冠を勝ち獲り、「最終コーナーを立ち上がりチェッカーフラッグが見えた時は、本当に信じられないような気持ちだったし、最後の最後にチャンピオンを手にすることができたことも夢のようだ」と喜びを爆発させた。

目前のタイトルを逃したロッシは、「初戦から好調をキープして順調にシーズンを組み立ててきた。常に上位で戦う力を持ち続け、ミスもまったくなかった。もてぎのあとはチャンピオンの可能性も見えたが、残念ながらフィリップアイランドから何かが変わってしまった」と悔しさをにじませた。

スミスがサテライト勢トップのランキング6位

「Monster Yamaha Tech 3」では、スミスが躍進。雨に翻弄されたサンマリノGPでの2位表彰台をハイライトに、全18戦を8位以内で完走。自己最高の合計181ポイントを獲得し、サテライト勢でトップとなるランキング6位に入った。

またチームメイトのエスパルガロも、スペイン、オランダ、バレンシアで5位に入る健闘を見せ、合計114ポイント、ランキング9位で終了。これにより「Monster Yamaha Tech 3」は、並み居るファクトリー勢を相手にチームランキング4位となった。

こうしたヤマハ勢の活躍でコンストラクターズタイトル(第16戦にて決定)も獲得したヤマハは、MotoGP通算5回目となる三冠を達成し、ヤマハ創立60周年に華を添えた。