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人力とモーター力を融合する“技”

ヤマハ発動機の技術ストーリーをご紹介します。

初代PAS(1993年)

自転車が苦手とする坂道や向かい風で「人力を補助する動力があったらどうだろう?」といった着想は、古くからヤマハに存在していました。1973年に25cc小型エンジンを搭載した自転車を、1982年には35cc小型エンジン付きのマウテンバイクを試作していました。
ただ私たちが求めていたのは「人間感覚を最優先した」パーソナル・コミューターで、バイクに乗らない人でも手軽に扱えるもの、でした。そこでバッテリーやコンピューターの小型高性能化など、エレクトロニクスの急速な技術革新を背景に、人の力と電動モーターの力を融合させながら「モーターがアシストする」という新しい発想で開発を始めました。
そして1989年、新機構「パワー・アシスト・システム」を搭載した試作車を開発。これが電動アシスト自転車PASの原型となりました。注力したのがPASの要の技術「パワー・アシスト・システム」です。モーターを搭載しながらも、自転車と呼ぶことができる新カテゴリーの基準を模索しながら、さまざまな課題をクリアーし開発を進めたのでした。

自転車として認めてもらう“術”

PAS製品化にあたっては、道路運送車両法と道路交通法との兼ね合いが大きな焦点になりました。そこで私たちは所轄官庁に対して説明と提案を繰り返しました。「電動アシスト自転車は自転車の延長線上にあり、省エネや排出ガスの削減にも繋がる公益性の高い乗りものです」と。
そして関連する官庁の皆さんの慎重かつ賢明な判断により、この新しい乗りものの社会性が公的に認められたのです。自転車としての正式な認可が下りたのは1993年のこと。その年の7月、「世界初の新商品」として「ヤマハPAS」(内装3段変速)を発表し、11月より神奈川、静岡、兵庫の3県で限定発売。翌1994年4月に全国販売を開始しました。以後自転車メーカーからも「電動アシスト自転車」が発売され市場は急成長していきますが、そのパイオニアが私たちヤマハでした。

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