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超高速ロータリーヘッドを搭載し世界最速の20万CPHを実現 超高速モジュラー「Z:TA-R(ジータ アール)YSM40R」新発売

2016年4月21日発表

 ヤマハ発動機株式会社は、世界最速※120万CPH※2の生産性を誇る表面実装機※3の新製品「Z:TA-R(ジータ アール)YSM40R」を2016年5月3日から発売します。

 「Z:TA-R YSM40R」は、“革新的な生産性”をコンセプトに開発した超高速モジュラーマウンターです。横幅1mのコンパクトなプラットフォームに4ビーム・4ヘッドレイアウトを採用し、高速生産性とともに柔軟な生産形態対応力を併せ持つ、現行の高密度モジュラー「Z:TA YSM40」の後継モデルとなります。
 新開発の超高速RS(Revolutionary Speed)ヘッドは、ロータリーヘッドでありながら同時吸着が可能。新型高速アルゴリズムの採用で制御を高速化したサーボモーターやZSフィーダーなどの相乗効果により、世界最速となる20万CPHの卓越した搭載速度を可能にし、圧倒的な面積生産性およびライン長生産性を実現しました。
 加えて、リアルタイムに吸着直後・装着直前・装着直後の部品保持状態をチェックする新開発高速サイドビューカメラや、新型高剛性ベースフレーム、新型軽量Xビームの採用などにより搭載精度と実装信頼性を向上させ、0201(0.25mm×0.125mm)サイズの極小チップ部品実装にも対応しています。
 さらに、生産を中断することなくノズルの自己診断・自己復旧を行う新機能「ノズルヘルスケア」の採用や、従来から標準搭載していた「e-Vision」などの自動部品データ生成機能の精度を高めて吸着エラーや認識エラーの発生を予防することにより、マシン停止ロスを大幅に削減し、実稼働率を向上させています。

 なお「Z:TA-R YSM40R」は、2016年4月26日から28日まで上海世博展覧館(上海市浦東新区)で開催のエレクトロニクス製造・実装技術関連の展示会「NEPCON China 2016」に出展します。


※1:4ビーム・4ヘッドクラスの表面実装機における最適条件下での搭載能力(CPH)比較。2016年4月ヤマハ調べ
※2:CPH(Chip Per Hour)は単位時間当たりで実行可能な搭載部品の総数。各種条件での処理能力を示す
※3:エレクトロニクス製品に組み込まれる電子回路基板に、各種の電子部品を搭載する生産設備

製品写真
超高速モジュラー「Z:TA-R YSM40R」
名称 「Z:TA-R YSM40R」
発売日 2016年5月3日
販売計画 100台(発売から1年間/国内外)

市場背景と製品の概要

 近年、タブレットやウェアラブル端末、スマートフォンなど、さまざまなデジタル機器製品において、小型化・高密度化・高機能化・多様化とともに製品サイクルの短期化がますます加速し、それら製品の電子部品実装工程では、与えられた工場スペースの中で短期間でのさらなる大量生産を可能とする圧倒的な生産性が求められています。同時に、0402(0.4mm×0.2mm)サイズなどの極小チップ部品の採用比率が増加し、0201(0.25mm×0.125mm)や03015(0.3mm×0.15mm)サイズの実装も開始されており、それらに対応する高い搭載精度や実装品質が求められています。

 当社では、そうした大量生産でのさらなる生産性向上と実装品質向上のニーズに応えるため、高密度モジュラー「Z:TA YSM40」のコンパクトなサイズはそのままに、超高速RSヘッドの採用によって革新的な生産性を実現し、さらに0201サイズの極小チップ部品実装にも対応した超高速モジュラー「Z:TA-R YSM40R」を開発しました。なお、開発の最終段階において、韓国メモリーモジュール量産企業「Sun Micro Electronics Co., Ltd.」にて2カ月間の実生産評価を実施しました。その結果、同じく4ビーム4ヘッドの客先現有高速マウンターと比較して2倍以上の生産能力を半分以下のライン長で発揮、さらに吸着率99.98%以上、設備稼働率96%以上を達成するなど、その革新的な生産性を実証しています。

 当社は表面実装機・印刷機・ディスペンサー・検査装置など、実装設備のフルラインナップメーカーである特性を活かし、あらゆる生産形態に対してライントータルでの生産の効率化・品質向上を追求します。



「Z:TA-R YSM40R」の主な特徴

1)超高速ロータリーヘッドなど最新技術開発により世界最高の生産性を実現
 業界初となる画期的な同時吸着機構により、一般的なロータリーヘッドの半分の時間で吸着可能な超高速RSヘッドを新開発しました。ヘッド重量は従来のHSヘッド比で50%軽量化、新型アルゴリズムにより高速化したサーボモーター制御やZSフィーダー、さらに認識スピードを高速化した新型マルチカメラなどの最新技術により、4ビーム・4ヘッドで世界最速の20万CPHを達成。この卓越した革新的生産能力を横幅1mのコンパクトなボディで実現し、世界最高の圧倒的な面積生産性およびライン長生産性を実現しています。
 なお、従来のZSフィーダーも、チューンアップステーション(オプション)を用いてバージョンアップすることで、超高速化に対応可能です。


2)極小チップに対応した高精度・高品質実装
 高性能真空ポンプ採用による強力な吸着力により、安定した吸着性能を確保するとともに、吸着直後・装着直前・装着直後にロス無くリアルタイムで部品保持状態をチェックするヤマハ独自の高速サイドビューカメラを新開発しました。
 また、新型高剛性ベースフレームや新型軽量Xビームを採用、多重搭載精度補正システム「MACS」とあわせ、±35μm(25μm)Cpk≧1.0(3σ)の高精度を達成。0201サイズの極小チップ部品にも対応し、信頼性の高い高品質実装を可能にしています。

※MACS (Multiple Accuracy Compensation System)


3)メンテナンス性を高めるさまざまな機能を標準装備し稼働率を向上
 RSヘッドには、シャフト先端にヘッド内部の汚れを抑止するフィルターを装着。ノズルシャフトのセルフクリーニングを自動的に行う「ブローステーション」も標準装備し、メンテナンスの工数を削減しています。さらに生産を中断することなく、ノズルの外観・機能の自己診断を自動で行い、異常ノズルは予備ノズルに自動交換する「ノズルヘルスケア」機能も備えています。また、生産中以外は真空ポンプを自動停止する「アイドリングストップ」機能によりポンプの実稼動を短縮してメンテナンス周期を延長します。
 なお、部品データを自動作成・追従する「e-Vision」や複雑な形状の部品データを簡単に作成する「Smart Recognition」や吸着位置自動補正システム「吸着MACS」などにより、自動的に吸着や認識のエラーを予防しマシン停止ロスを徹底して削減しています。


4)汎用性が高く、多種多様な生産形態に柔軟に対応
 超高速生産に適した4ビームと異形部品にまで対応した2ビームの2種類のビームレイアウト、超高速(RS)ヘッド・マルチ(MU)ヘッド・異形(FL)ヘッドの3タイプの搭載ヘッド、多彩なバリエーションを実現するデュアルレーンレイアウトの搬送装置などにより、多種多様な生産形態に柔軟に対応可能です。



基本仕様

機種 Z:TA-R YSM40R
4ビーム・4ヘッド仕様
(YSM40R-4)
2ビーム・2ヘッド仕様
(YSM40R-2)
対象基板寸法 L700mm×W460mm 〜 L50mm×W50mm
搭載可能部品 超高速(RS)ヘッド 0201*〜□6.5mm
(高さ2.0mm以下)
マルチ(MU)ヘッド 03015〜45mm×60mm
(高さ15mm以下)
0402〜45mm×100mm
(高さ15mm以下)
異形(FL)ヘッド 0402〜45mm×100mm
(高さ25.5mm以下)
サイドビュー 対応
搭載能力
(当社最適条件)
200,000CPH
(4ビーム・4ヘッド、RSヘッド仕様時)
搭載精度
※当社最適条件(評価用標準部材使用)時
±35μm(25μm)
Cpk ≧1.0(3σ)
±40μm(30μm)
Cpk ≧1.0(3σ)
部品品種数
(最大、8mm幅テープ換算)
RSヘッド80本
MUヘッド88本
92本
電源仕様 三相AC 200/208/220/240/380/400/416V ±10%
供給エア源 0.45MPa以上、清浄乾燥状態
外形寸法(突起物を除く) L1,000mm×W2,100mm×H1,550mm (突起部を除く)
本体質量 約2,100 kg
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