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上級モデル同等の印刷品質を実現し、大型基板・幅広いマスク枠にも対応した 高性能コンパクト印刷機 「YCP10」 新発売

2014年4月14日発表

 ヤマハ発動機株式会社は、高精度・高品質・コンパクトなクリームハンダ※1印刷機の新製品「YCP10」を2014年6月1日より発売します。

 「YCP10」は、現行モデル「YCPII」の後継機種として開発、コンパクトサイズながら大型基板に対応するとともに幅広いマスクサイズに対応できる汎用性を確保、さらに上級モデルのハイエンド印刷機「YSP」と同等の印刷品質を織り込んだ、高性能でコンパクトかつコストパフォーマンスに優れたモデルです。
 当社独自の3Sヘッド※2やマスク吸着機能を標準装備。また、サーボ搬送などの採用により印刷ラインタクト13.5秒(通常印刷・当社最適条件)と現行機比約12%の高速化を実現。加えてスキルレスで基板と印刷マスクの位置合わせが可能な「グラフィック目合わせ機能」やタブレット感覚で簡単に操作できる「タッチパネル」、グローバル展開を視野にCEマーキング※3に標準で対応するなど、扱いやすさも向上しました。

 なお「YCP10」は、2014年4月23日〜25日まで中国・上海で開催の「ネプコン・チャイナ2014」、6月4日〜6日まで東京ビッグサイト(東京都江東区)で行なわれる「第16回実装プロセステクノロジー展」に出展します。


※1:微細なハンダ粒子と粘性流体フラックス&バインダを練ったクリーム状のハンダ製品で、リフロー硬化炉での加熱により表面実装方式の電子部品をプリント基板に接合する
※2:Swing Single Squeegeeから命名した当社独自の印刷ヘッド
※3:CEマーキング:欧州地域で設置使用する機器に必要な安全規格の代表名称


製品写真
ヤマハ 高性能コンパクト印刷機「YCP10」

名称 YCP10
発売日 2014年6月1日
販売計画 400台(初年度/国内外)

市場背景と製品の概要

 近年、ますます小型・高密度・高機能化の流れが加速している電子部品実装工程の現場において、民生用・産業用にかかわらず、ハンダの特性やマスク精度、基板の伸縮をも考慮した、高精度で安定したハンダ印刷が求められています。
 「YCP10」は、ハイエンドモデル同等の高精度・高品質な印刷性能を備えながら、コンパクトでコストパフォーマンスに優れたグローバル仕様の印刷機として開発しました。
 また、印刷機・ディスペンサー・表面実装機・検査装置など、実装設備のフルラインナップメーカーである当社のアドバンテージを活かし、これらの機器と共通の高剛性フレームを採用した高品質設計とともに実装ライン設備の相互連携によって、ライントータルでの生産の効率化・品質向上を実現しています。


製品の特徴

1)独自の3S(Swing Single Squeegee)ヘッドを標準装備
 ●サーボモーターによりスキージのアタック角度と速度を任意で設定可能。使用するハンダ、マスク開口、基板に応じてプログラム設定することにより、高充填性と高品質を安定して実現します。
 ●シングルスキージの採用により、余剰ハンダの付着を半減しハンダ使用量を削減。優れたメンテナンス性と段取り作業性を達成しています。


2)主流の大型基板・幅広いサイズのマスク枠に対応
 ●L510mm×W460mmの大型基板への対応を前提にした設計により、集合基板や大型液晶基板、産業用大型基板など、対象基板の範囲を拡大しました。
 ●グローバルなインチサイズマスク枠(L736mm×W736mm:29インチ)に標準で対応するだけでなく、Mサイズマスク枠など、さまざまなマスクサイズに幅広く適応、かつ即時変更可能な汎用性を確保しています。


3)伝統のマスク吸着機能標準装備
 初期の印刷機から採用しているマスク吸着機能により、往復印刷時のオフセット入力を不要にし、段取り時間を大幅に短縮するとともに、マスクのたわみに影響されない安定した高精度印刷を可能にします。


4)独自の多重精度補正システムやマスク吸着機能により高精度な印刷性能を実現
 高い剛性と軽量コンパクトを高次元で融合した印刷テーブルとフレームを採用し、良好な印刷精度と版離れ性を確保。多重精度補正システムMACS※1と熱伸び補正機能、さらにマスク吸着機能により、業界最高※2の繰り返し位置決め精度5μm[(3σ)±0.005mm]を保証しています。


※1: MACS(Multiple Accuracy Compensation System):印刷精度に影響する、印刷マスク、基板、マシンの各要素を有機的にとらえ、総合的・多角的に補正する独自の機能
※2: 2014年4月現在当社調べ


5)現行機比約12%の高速化
 サーボ搬送による制動時間の削減と動作シーケンスの最適化などにより、印刷ラインタクト13.5秒(通常印刷:当社最適条件)と現行モデル比約12%の高速化を達成しました。


6)直感的に確認可能なグラフィック目合わせ機能採用
 基板と印刷マスクの相対する位置を、基板カメラとマスクカメラでレイヤー合成し、モニター画像で位置合わせ状況が直観的かつ確実に確認できます。これにより印刷位置合わせのパラメータ微調整がスキルレスで即時可能、段取りの負荷と時間を軽減しました。


7)操作性に優れたオペレーションシステム
 従来装置との親和性を確保しつつ、見やすく解りやすいタッチパネルを標準装備し簡単操作を実現。表示言語も和英中韓の4カ国語切り替えができます。


8)CEマーキングに標準対応
 機器の安全設計に配慮し、ワールドワイドな展開が可能。


9)オプション装備の充実
 マスク上のハンダ残量を監視し、印刷品質を高める「ハンダ残量検知機能」や印刷検査専用の高性能光学カメラと独自の画像処理プログラムにより、精細で確実な印刷後検査を行なう「画像検査機能」のほか、生産性・信頼性向上サポートツール「ITオプション」、オフラインソフト「Y.FacT」によるラインでの基板データ管理、ラインの稼動状態を可視化する「M-Tool View」やマウンターの負荷を軽減して生産性を向上する「バッドマーク転送機能」など、印刷機・ディスペンサー・表面実装機・検査装置をトータルでラインナップする当社ならではの多彩なオプションを用意しています。


基本仕様

機種名 YCP10
対応基板寸法 L510×W460mm 〜 L50×W50mm
対応マスクサイズ L750×W750mm、L736×W736mm、L750×W650mm、L650×W550mm
印刷ヘッド 標準:3S(Swing Single Squeegee)
ヘッドオプション:ダブルスキージヘッド
※装着スキージは、メタルあるいはウレタンを選択
印刷精度
[繰り返し位置決め精度]
(3σ)±0.025mm
[(3σ)±0.005mm]
印刷ラインタクト 13.5秒以下(標準印刷:当社最適条件)
インターフェース タッチパネル式モニター
電源仕様 単相 200〜230V ±20V 50/60 Hz
供給エア源 0.45MPa以上、清浄乾燥状態
外形寸法 L1,130×W1,760×H1,370mm(突起部を除く)
本体質量 約1,100kg
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