本文へ進みます

2004モトGP世界選手権 ヤマハYZR-M1を駆るバレンティーノ・ロッシ選手(伊) シリーズチャンピオン獲得

2004年10月18日発表

 10月17日(日)、オーストラリアのフィリップアイランドで開催されたモトGP世界選手権シリーズ第15戦で、YZR-M1を駆るバレンティーノ・ロッシ 選手(伊/25歳/ゴロワーズ・フォルトゥナ・ヤマハ)が今季8勝目を飾り、最終戦を待たずしてシリーズチャンピオンを決定した。ヤマハにとって92年のウェイン・レイニー選手(米)以来12年ぶり通算11回目の同クラスでのライダーチャンピオン。またロッシ選手の8勝は、ヤマハライダーの1シーズン中での最多優勝記録となった。

 27周の決勝、ロッシはスタートでやや出遅れ、トップのジベルナウ(ホンダ)に1.195秒の差をつけられていたが7周目までに追いつき、19周目の1コーナーでインに飛び込みジベルナウをパス。しかし23周目にはまた抜き返される。優勝でチャンピオンを決めたかったロッシは、再び仕掛けて大きくはらむ場面などもあったが、最後はほとんど神がかり的なパッシングを見せてトップを奪い真っ先にチェッカーを受けた。2位ジベルナウとの差は0.097秒だった。



イメージ写真

第15戦の優勝でタイトルを決めたロッシ選手



V・ロッシ選手談
 「ファンタスティックな優勝でチャンピオンを決めることができた。コースも素晴らしかったし、最終ラップまで激しいバトルができた。僕のほうが速いエリアと、ジベルナウ選手のほうが速いエリアがあったので接戦になったが、僕自身の走りはとても安定していてマシンを信頼できていた。スタートはちょっと遅れてしまったが、とにかくジベルナウについて行こうと思った。後半彼を抜いたが、また抜き返され、結局最後までもつれてラストラップの勝負になった。あのバトルは見ているほうも楽しめただろう。僕を支えてくれた全員に、ヤマハに、チームにお礼を言いたい。ありがとう。今までで一番すてきなタイトル獲得だ」




バレンティーノ・ロッシ選手プロフィール
氏  名 Valentino Rossi
国  籍 イタリア
生年月日 1979年2月16日(25歳)
チーム名 Gauloises Fortuna Yamaha Team
主な戦歴  
1996年 世界選手権125ccランキング9位
1997年 世界選手権125ccチャンピオン
1998年 世界選手権250ccランキング2位
1999年 世界選手権250ccチャンピオン
2000年 世界選手権500ccランキング2位
2001年 世界選手権500ccチャンピオン
2002年 世界選手権MotoGPチャンピオン
2003年 世界選手権MotoGPチャンピオン
2004年 世界選手権MotoGPチャンピオン



ヤマハ発動機(株)代表取締役社長 長谷川至談話
 「世界中のヤマハユーザーの皆様、ヤマハファンの皆様、ディーラーの皆様に、実に12年ぶりに世界選手権ロードレース、モトGPのタイトル獲得をここにご報告出来ることを大変嬉しく存じます。またバレンティーノ・ロッシ選手をはじめ、日夜マシン開発に取り組んでくださったチームスタッフ、技術パートナー各社、スポンサー各社の皆様など、我々の世界タイトル獲得への挑戦を支えてくださった方々、YZR-M1のプロジェクトに携わる全ての方にお祝いと心からの御礼を申し上げたいと思います。
 ヤマハ発動機(株)は来年、創立50周年を迎えますが、我々は今後モトGPでのメーカーチャンピオン獲得など、さらに高い目標に向かって努力を続けてゆく所存です。そうすることが、モーターサイクルスポーツの普及発展に繋がり、皆様に“感動”を提供することに繋がると信じております。
 ヤマハは引き続きレース活動を積極的に展開し、またヤマハの勝利を皆様にご報告できる日がくることを確信し、その成就に向け一層の努力をして参ります」


ヤマハ発動機(株)技術開発室・古沢政生室長談話
 「予選2番手からスタートしたロッシ選手が見事優勝を決めて、最終戦を待たずに2004年度チャンピオンを決めました。タイヤの選択に苦しんだレースでしたが最後まで良く戦ってくれました。ホンダのジベルナウ選手との一騎討ちでは、見る者をこの上なく楽しませてくれたものと思います。ロッシ選手の類まれな才能に感謝するとともに、このプロジェクトに関わった全ての人達と、応援して頂いた皆様に心からお礼を申し上げます。残る最終戦は、10月31日にスペインのバレンシアで開催されます。最後まで皆様のご声援をお願い致します」




ロッシ選手の2004年の成績
GP名称 開催地 成績 累計得点 ランキング及び
ライバルとの得点差
第1戦 アフリカ (4/18) ウエルコム 優勝 25 1位/+5点
(対ビアッジ選手)
第2戦 スペイン (5/2) ヘレス 4位 38 3位/-3点
(対ジベルナウ選手)
第3戦 フランス (5/16) ルマン 4位 51 3位/-15点(↑)
第4戦 イタリア (6/6) ムジェロ 優勝 76 2位/-10点(↑)
第5戦 カタルニア (6/13) カタルニア 優勝 101 2位/-5点(↑)
第6戦 ダッチTT (6/26) アッセン 優勝 126 1位/±0点(↑)
第7戦 リオ (7/4) ネルソンピケ リタイヤ 126 1位/±0点(↑)
第8戦 ドイツ (7/18) ザクセンリンク 4位 139 1位/+1点
(対ビアッジ選手)
第9戦 イギリス (7/25) ドニントン 優勝 164 1位/+22点
(対ジベルナウ選手)
第10戦 チェコ (8/22) ブルノ 2位 184 1位/+17点(↑)
第11戦 ポルトガル (9/5) エストリル 優勝 209 1位/+29点(↑)
第12戦 日本 (9/19) もてぎ 2位 229 1位/+39点(↑)
第13戦 カタール (10/2) ロサイル リタイヤ 229 1位/+14点(↑)
第14戦 マレーシア (10/10) セパン 優勝 254 1位/+30点(↑)
第15戦 豪 (10/17) フィリップ島 優勝 279 1位/+35点(↑)
タイトル決定
第16戦 スペイン (10/31) バレンシア      



ロッシ選手 2004年の各GPでの活躍

第1戦アフリカGP(4/18)
 ヤマハYZR-M1での初レースとなった開幕戦。ロッシは予選1・2日目とも最速タイムでポールポジションスタート。決勝はホールショットを決めてレースをリード。中盤以降ビアッジ(ホンダ)とトップ争奪戦を展開しコンマ2秒の僅差で振り切って優勝した。

第2戦スペインGP(5/2)
 ポールポジション獲得。しかし決勝レースは雨となり力を発揮できず4位となった。レースはジベルナウ、ビアッジの両ホンダ選手が1・2位となり、ロッシはランキングで僅差ながら3位に後退した。

第3戦フランスGP(5/16)
 パワーアップした新エンジンを投入したがセッティングが決まらないまま決勝を迎える。ロッシは序盤3番手につけるもビアッジに先行を許し、終盤再び3位まで順位を上げるも再び抜き返され結局4位で終了した。ジベルナウが優勝したので、ジベルナウとの得点差は15ポイントと開いた。ランキングは2位のビアッジに続き3位。

第4イタリアGP(6/6)
 ロッシがリードするが終盤の雨で中断。それまでの順位は無効扱いとなる。6周での2ヒート目の決勝は、途中雨が強くなる難しい状況となるが、終盤雨が弱まるとロッシはトップに浮上。0.3秒差でジベルナウを抑え今季2勝目。ジベルナウとの得点差を10ポイントに詰め、ランキング単独2位となった。

第5戦カタルニアGP(6/13)

 予選2番手発進のロッシは序盤レースをリード。中盤からジベルナウと激しく順を入れ替えるトップ争いを展開。ラスト2周で首位に浮上し、そのまま振り切って2連勝。今季3勝目を獲得。ジベルナウは2位となりランキングポイントの差は5点となった。

第6戦ダッチTT(6/26)
 今季3度目のポールを獲得。決勝はまたもジベルナウとの一騎討ちに。ロッシは常に2番手につけチャンスを待ち、最終周もほぼ半分を過ぎたコーナーでインをさし首位に浮上。出口ではらみ次の瞬間マシンがふらつき危うく転倒というシーンも。真後ろにつけていたジベルナウが行き場を失いロッシのリアに接触するする場面もあったがロッシが優勝し4勝目。ロッシとジベルナウは126ポイントの同点首位となった。

第7戦リオGP(7/4)
 ロッシは13周目、4位走行中に転倒し今季初のリタイヤに終った。タイトル争いのライバル、ジベルナウも、ロッシと同じコーナーで転倒リタイヤとなり、同点首位状態は変わらず。

第8戦ドイツGP(7/18)
 ロッシは前半ビアッジ(ホンダ)のすぐ後方につけ首位争いを展開。一時トップに浮上するも、終盤はリアが滑りはじめ後退し4位で終了。13ポイントを獲得した。ライバルのジベルナウは8周目に転倒リタイヤ、ビアッジが優勝。ロッシのポイントは139点となり2番手ビアッジに1ポイント差で単独首位に浮上。

第9戦イギリスGP(7/25)
 今季5勝目を飾る。ライバルのジベルナウは3位で得点差は22点に拡大。ポール発進のロッシは真っ先に第1コーナーへ進入。一時はカピロッシ(ドゥカティ)、ジベルナウに先行されるも、すぐに抜き返し中盤で2秒のリード、終盤は4秒へとリードを拡大し優勝。

第10戦チェコGP(8/22)
 ジベルナウ、ビアッジとのバトルの末、ロッシは2位を獲得。ジベルナウが優勝。ランキングトップと2位ジベルナウとの得点差は17点に縮まった。

第11戦ポルトガルGP(9/5)
 ロッシは2位以下に5秒以上の大差をつけて今季6勝目を獲得。予選2位のロッシは、開始直後の第2コーナーまで2番手につけていたが、すぐにトップに浮上し、その後リードを拡大して優勝。ライバルのジベルナウが4位となり、得点差29点へと広げた。

第12戦日本GP(9/19)
 開始後5周目まではレースをリードするも、その後玉田誠(ホンダ)に先行を許し結局2位表彰台を獲得。ライバルのジベルナウは6位に留まったため、ポイントリードを39点に拡大した。

第13戦カタールGP(10/2)
 ロッシは予選8番手だったが、チームスタッフが予選終了後にグリッド位置付近を清掃したことが規則違反とされ最後列からスタート。ロッシは1周目に一気に8番手まで浮上、4周目に4番手まで浮上する猛烈な追い上げを見せるが6周目に転倒し今季2度目のノーポイント。優勝はジベルナウで、ポイント差は14点に縮まった。

第14戦マレーシアGP(10/10)

 ポール発進のロッシが今季7勝目。ロッシは決勝でA・バロス(ホンダ)に続く2番手で1周目を終了。4周目以降はロッシがリードを拡大。まもなくビアッジが2番手に浮上するもロッシはリードを守り3.6秒差で優勝。ジベルナウは7位に留まり、ロッシのリードは30点に。次戦オーストラリアでロッシが2位以内となれば、最終戦を残してタイトルが決まることになった。

第15戦オーストラリアGP(10/17)
 ロッシが今季8勝目を飾り、シリーズチャンピオンを決定した。レース中盤まではジベルナウ先行するも、終盤に入って激しく順位を入替えるデッドヒートを展開、0.09秒の僅差でロッシが優勝した。

ページ
先頭へ