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モジュール型実装システムの品質管理をさらに強化する戦略モデル ヤマハ実装検査装置「YGI」新発売

2004年09月30日発表

 ヤマハ発動機株式会社「IMカンパニー」(所在地:静岡県浜松市、プレジデント:戸上常司)は、今後ますます高密度化する実装基板に対する外観検査装置「YGI」を開発し、2005年1月より発売します。
 「YGI」は、(1)簡単な設定で確実な検査が行える、(2)全数高速検査を実現する、(3)マウンターデータのコンバートにより、オペレーター負担を軽減する、など、新しいコンセプトのもとに開発された外観検査装置です。
 マウンターメーカーならではの視点から、実装ライン全体のバランスを見据え、生産管理・生産準備の重要性を認識することで、ユーザーにとっての実用的な各種の機能が折り込まれたことも大きな特徴です。
 また、実装業界のトレンドであるIT対応力強化のための通信機能など、マウンターでの経験を活かした運用の効率化も追求され、より高精度化が求められるモジュール型実装システムの品質管理に貢献するインライン型外観検査装置の戦略モデルとして市場導入を図ります。

 なお、この「YGI」は10月6日~8日まで日本コンベンションセンター(幕張メッセ:千葉県千葉市)で開催される「2004実装プロセステクノロジー展」に出展を予定しています。


製品写真

ヤマハ実装検査装置「YGI」

名称

ヤマハ実装検査装置「YGI」

発売予定日

2005年1月

価格

9,500,000円(消費税含まず)

初年度販売計画

80台

開発の背景

 従来の外観検査装置は、基板上に装着された部品もしくは部品の集合を、その部品数に応じて軸移動を繰り返しながら撮像し、その都度、画像処理を実施するという方式が一般的です。この方式は、検査カメラの視野に一つの部品しか捕らえられない場合、たとえば部品500個の確認には500回の軸移動が必要となります。 また、検査カメラの視野に入らないサイズの部品は、一つの部品に対して複数回の撮像を必要とするため、軸移動の回数がさらに増加し、動作位置や動作量もランダムになるため、より多くの検査時間を必要とします。
 また、従来の外観検査装置は、実際の検査対象の比較的良い状態(ゴールデンボード)を撮像し、それを検査のマスターデータとしています。この不完全な状態をマスターにして製品検査を行っても、基板・部品の状態による影響も加わり、安定した検査結果は得られません。
 当社では、これらの外観検査装置における諸問題の解決を「YGI」開発の基本コンセプトとしています。

製品の特徴

画像取得の高速・高効率化

 

「YGI」は、機械部分の移動量と移動回数を最小限に抑え、極めて高速な演算装置(コンピュータ)の特性を生かし、メモリー上に展開された画像に対する高速処理を可能としています。

 

部品が搭載された基板上を、検査カメラの画角(グリッド)で格子状に分割し、その画角の全てを瞬時に撮像しながら、メモリー上において正確に貼り合わせることで、高速で効率的な画像取得を可能にしています。

 

検査カメラの軸は画角サイズに応じて最短距離で移動、連続動作を行い、高速・正確・安定した移動撮像を実現しています。

 

画像処理は、対象とする部品が含まれる画格を撮像した段階で、速やかにバックグラウンドで並行して処理され、各部品の数量やサイズ、境界を問わずに撮像回数の大幅な減少が可能になります。加えて、検査対象以外の撮像データを確保することで、有効活用することができます。

精度信頼性の向上

 

組立工程において、機械本体には熟練技能者の手による「キサゲ」仕上げをおこない、精密に組立を行うことにより、精度を向上させています。

簡単な設定で確実な検査が可能

 

「YGI」は、検査に必要な2つの大きな要素である「部品の場所」と「部品の形状」を全て幾何情報(数値データ)から作成または変換ができるという特徴を備え、実際の生産場面における生産管理や生産準備における高いポテンシャルを秘めた製品です。

 

「人工画像自動作成機能」を装備することで、簡単な設定による確実な検査を可能にしました。
従来のようなマスターとする良品基板は必要とせず、形状寸法からマスターの作成が可能となり、一度作成されたデータは多くの生産基板に流用できます。
電子部品メーカーなどが配布する電子部品データや、マウンターに登録されている部品データなど、他のデータからもコンバート(変換)して作成することが可能です。

 

実装基板には、基板上の電極部分と、その上に搭載される電子部品の電極が正確に接続されていることが求められます。最も検査を行いたい箇所は、基板と部品が接続される電極部分だが、その情報は、基板データもしくは、部品データの片方だけからは得ることができません。
例えば、部品形状を定義するデータ(電子部品データ等)と実装位置やパターンを定義するデータ(ガーバーデータ等)があった場合、それぞれのデータに合成演算処理を施すことで、検査に必要な人工画像を自動的に作成することができます。

 

基板上の部品位置などは数値化されているため、自社あるいは他社のマウンターの搭載座標データや、基板作成時に用いるガーバーデータなどから比較的簡単に抽出変換して利用できる機能も備えています。
検査結果も明確に数値化され出力されるために品質管理などに有効に活用できます。

仕様諸元

項目 ヤマハ実装検査装置「YGI」
基板寸法 L50×W30mm~L460×W410mm
基板厚 0.4~3.0mm
基板搬送方向 右→左 or 左→右 ※標準ソフトにて切替可能
検査精度 ±0.015mm(μ+3σ)
検査タクト(最適条件)
※全数検査を実施
(1)基板サイズL460×W410mmの場合→113.2秒/基板
(2)基板サイズL330×W250mmの場合→49.5秒/基板
(3)基板サイズL180×W130mmの場合→14.0秒/基板
検査部品間隙間 0.1mm
検査項目 ・部品有無
・位置ずれ
・角度ずれ
・部品反転(極性有部品)
・文字認識
・バーコード読取
・マトリックスコード読取
検査対象部品 ・0603以上のチップ部品
・タンタルコンデンサ
・アルミ電解コンデンサ
・モジュールチップ
・ダイオード
・ミニモールドトランジスタ
・パワートランジスタ
・メルフ
・異形部品
・0.3mmピッチ以上のコネクタ
・0.3mmピッチ以上のQFP/SOP/CSP/BGA
※CSP/BGAは外形検査
基板データ設定数 99,999ポイント/基板
※基板数/ブロック数/フィデューシャル数で減少
設定数:部品/フィデューシャル 部品: 999種/基板
フィデューシャル:999組/基板
外形寸法 全幅900mm×全高1,762mm×奥行1,250mm
重量 約830kg


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