統合報告書2021年 日本語版(2020年12月期)| ヤマハ発動機
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2020年12月期の経営成績の解説と分析 概況 当期においては、前年から続いている米中貿易摩擦に加え、年初に発生した新型コロナウイルス感染症が世界各国へ拡がり、経済にも深刻な影響を及ぼしました。当社グループにおいても、依然として業績に影響を受けていますが、第2四半期(4~6月)を底に回復基調となっています。第2四半期以降、先進国では、パーソナルコミューターやアウトドア・ファミリーレジャーの需要が急回復しました。また、新興国ではASEAN・インド・南米を中心に緩やかに回復しました。 このような中、新型コロナウイルス感染症の拡大防止、ステークホルダーの安全と健康、そして、各国法規制への適切な対応を第一に経営を進めました。リーマンショック後の世界金融危機の経験を踏まえ、徹底的な経費削減と必要資金調達により手元流動性を確保しました。研究開発・投資面では、選択と集中により全体を絞りつつ、将来の成長に向けた新規分野と基幹事業強化のための開発や投資は継続しました。生産面では、新型コロナウイルス感染症の拡大で予想される需要減少に対応するため、早い段階で工場を操業停止しました。販売面では、新型コロナウイルス感染症により販売活動が制限されたことから、デジタル技術を活用したマーケティング活動をいち早く展開してきました。また、新しい排ガス規制が導入された欧州やインド、台湾においては、新モデルを投入することでラインナップを拡充しました。 この結果、当期の売上高は1兆4,713億円(前期比1,935億円・11.6%減少)、営業利益は817億円(同337億円・29.2%減少)、経常利益は877億円(同318億円・26.6%減少)、親会社株主に帰属する当期純利益は531億円(同227億円・29.9%減少)となりました。 当第4四半期(10~12月)の業績は、売上高4,042億円(前年同期比67億円・1.7%増加)、営業利益253億円(同99億円・64.5%増加)となり、上期の新型コロナウイルス感染症のマイナス影響を一部挽回することができました。なお、年間の為替換算レートは米ドル107円(前期比2円の円高)、ユーロ122円(前期比±0円)でした。 売上高は、ロボティクス事業と金融サービス事業で増収となり ましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により、ランドモビリティ事業の二輪車とマリン事業で販売台数が減少し、全体では減収となりました。営業利益は、減収に加え、為替影響や上期に実施した各国の工場操業停止による稼働率低下などの要因により、全体で減益となりました。83Yamaha Motor Co., Ltd. Integrated Report 2021営業利益変化要因(十億円)SPV先進国二輪車新興国二輪車RV–30.1+2.7+0.66.220192020ランドモビリティ事業マリン事業ロボティクス事業金融サービス事業その他事業成長戦略費用減少為替影響81.7115.4–20.6–5.2–4.1+0.3+1.3+2.1–7.5成長戦略費用および為替影響を除く

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