世界を舞台に最高のパフォーマンスを

当社は一昨年、「グローバル人材づくり」への取り組みを本格的に開始しました。2年がたった今、これまでの取り組みと今後の施策について、人事総務本部長の橋本さんに伺いました。


上席執行役員 人事総務本部長
橋本 義明さん

グローバル人材のイメージ

 当社が目指すグローバル人材のイメージは、どんな国でどんな仕事をしていても、ヤマハ発動機グループ社員としてヤマハのスピリットや歴史、理念を理解し、会社の目標に向けてきちんと役割を果たしていける人です。つまり、働く地域に限定されず、能力や適性に応じて世界を舞台に最高のパフォーマンスを発揮できるということです。
 当社グループには、世界中に約5万4,000人の社員がいます。理想は、全社員1人1人にグローバル人材になってもらうことですが、まずは海外拠点の主要なマネジメント層約300人の皆さんを対象に人事施策を展開していこうと目論んでいます。

これまでの取り組み

 一昨年より、経営企画部が主体となってGEC(Global Executive Committee)がスタートしました。これは、グループ中核会社のトップマネジメント層が中長期的視点でグローバルな課題について検討する委員会で、ここで討議された内容は経営会議で報告・審議され、会社の施策に随時反映されていきます。
 新たな研修制度、GEP(Global Executive Program)も始めました。次世代のグループ経営を担うリーダーたちがさまざまな国から集まり、グローバル人材としての知識やスキルを磨き、業績向上につなげることを狙いとしています。
 また昨年から、入社後4年までに出張や駐在などを通して海外現場の体験をしてもらう取り組みを始めました。昨年4月には18人が1週間インドに出張し、IYMで市場最前線の状況の説明を受けたり、現地の大学生との交流、販売店訪問を行ったりしました。
 採用に関しては昨年から、全体の10%を目標に外国人を採る方針を立てて活動しています。2013年は、大卒採用116人のうち10人が外国人でした。今後はさらに目標値を上げて、15%くらいまで高めていきたいと考えています。海外での採用活動にもトライし、昨年はシンガポールで6人を採用しました。
 また、これまでの海外拠点長は日本人が中心でしたが、これを改め、現地人を積極的に登用するようにしています。さらに今後は、海外拠点長が日本人でも現地人でもなく、全く別の国の人が務めるといったことも出てくると思います。拠点長だけでなく、スタッフのローカル比率も高めていきます。

今後の課題

 こうした取り組みと呼応するように、社内のTOEIC(注:コミュニケーション英語能力を測る世界共通のテスト)の受験者数は大幅に伸長し、12年・13年は連続で2,000人を超える実績でした。会社としても今後は、C職類の企画管理・マーケティング系の皆さんには自身のキャリアのためにも730点以上を義務付けるなど、職種ごとに目指してもらうスコアの設定を検討しています。
 また、今年から新たにGGS(Global Grading System)への取り組みを始めようとしています。これは、ヤマハ発動機グループの主要ポストの職務分析を詳細に行い、それぞれの重さ加減で25段階に数値化しようというものです。例えば、タイの総務部長が担っている業務はいくつ、アメリカの営業部長ならいくつ、といった具合です。これによって、どの国にどんなポストが存在し、それぞれの業務がどのくらいの重さなのかを一覧で把握できるわけです。一方で、そうしたポストに就く人材の能力・スキルも数値化し、グループ全体での適材適所を目指します。

皆さんへの期待

 グローバル人材というとまず、英語でのコミュニケーション能力を思い浮かべる方が少なくないと思います。しかし、英語はあくまで手段であって、業務そのものではありません。異なる文化や背景、さまざまな価値観を持つ人たちが集まって、お互いが違うことをまず理解する。そして、そうした違いを持つ人々が協調し、切磋琢磨(せっさたくま)していく中で会社として価値創造をしていく。これが大切だと思います。そのためには語学力以前に、高い知識や能力、専門性が必要です。しかし一方で、コミュニケーション能力が低ければ、そうした力を十分に発揮できないことも事実です。

 

そう遠くない将来、国や地域の違いを超えたさまざまな人々とコミュニケーションを取り合って仕事を進めていくことが日常になる日がやってきます。いい意味でのグローバルな社内競争も生まれてくるでしょう。会社としては、その日のために今後もさまざまな取り組みを進めていきます。皆さんもあらゆる機会をつかまえて、自らのグローバル化のために励んでほしいと思います。


2012年からスタートした新たな研修制度、GEP(2013年3月)