23低速モビリティの開発と自動運転技術
ゴルフカー事業への参入で、未来につながる技術を獲得。
1974年、総合レクリエーション施設「つま恋」のオープンに合わせ、手軽な短距離の移動手段としてランドカー「OT11」を発売した。
その翌年、「OT11」をベースにゴルフカーの第1号製品「YG292」を発売したが、あえてランドカーの開発からスタートしたのは、このプロジェクトを通じて蓄積できるだろう制御技術や新機構が、操作の容易化など他の事業領域にも応用できると考えたからだった。
その狙い通り、ランドカーから派生したゴルフカーは、電磁誘導式の自動運転など未来につながる技術を次つぎに生み出していった。
参照:Times of Yamaha
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ゆっくり走る高性能があってもいい ~ランドカー、ゴルフカーそしてLSMに繋げる思い~
ヤマハモーターパワープロダクツ(株) 開発統括部商品開発部 吉井 芳徳さん
私たちには、1975年、つま恋向けに開発発売したランドカー「YG-292」を出発点として、45年ものゴルフカーの歴史があり、一貫してUS規格に準拠した20㎞/h前後の低速移動車両をお客様に提供してきました。また、1996年に電磁誘導式ゴルフカーを実用化、2002年のオランダ国際花博会場内シャトルサービスをはじめ、クローズドエリアの走行において様々な移動サービスを提供してきました。
しかし、2014年に転機が訪れました。
私たちの上司から「ゴルフカーにナンバー付けて公道を走ろう!」と話しかけられ、彼は2冊の分厚い本を置いていきました。ゴルフカーで公道?という思いも持ちながらその分厚い本「道路運送車両の保安基準」を読み込みながら、2014年の秋には初のナンバー登録、2016年に初の公道での自動運転を開始しました。ゴルフカーの自動運転技術は1996年から24年間諸先輩方と培った「電磁誘導式」がベースとなります。すでに使い古された技術と言われますが、現時点で最も安定した自動運転技術だと自負しています。
各地の自治体や国の事業に参画する中で強く思ったことは、私たちの商品は乗った方を笑顔にする力があるということです。
私たちは、これからもゴルフ場ビジネスを基盤とし、自治体の皆様のサービスの黒子に徹しながらも、キラリと光るヤマハらしいサービスや技術にチャレンジしていきたいと思います。やっぱりヤマハっていいねと「笑顔」で言われるようこの新しい分野を発展させていきたいと思います。
小島睦人
入社当時は、特車(特殊車両を扱う部門)で、ゴルフカーとスノーモビルの両方を担当していた。ゴルフカーは競合メーカーがすべてUS国内の会社であったため、価格競争厳しく、その上為替変動もあったため売値やダンピングへの指摘には常に細心の注意を払った。