20電動車いすの開発
電気モーターと電子制御の技術を駆使して使う人に優しい車いすを開発。使い慣れた車いすを電動化するユニット「JW-I」に加えて、ハンド・リムを回す手の力を電動モーターでアシストする電動補助ユニット「JW-II」も開発された。
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電動車いす開発:福祉の専門家からの声と取り組み
ヤマハ発動機OB 菅野 信之さん
2020年はオリンピック・パラリンピックの年。延期にはなりましたが、障がい者スポーツも認知されるようになり、車いすも街で見かけるようになりました。当社の製品も。当社で電動車いすの開発に着手した90年代には、想像も出来ない位です。
当時の身体障がい者の移動具としては、手動車いすと普通電動車いすがあり、特に手動車いすは移動距離に制約がありました。街中には、段差や細かなアップダウンが沢山あり、それが行動制限につながっていたのです。また普通電動車いすは重くて階段の上り下りの場面で、人手に頼らざるをえない事も多く、家の床の強化など使い勝手にも問題がありました。
健康・福祉分野での新規事業調査の中で、福祉の専門家からこの様な状況である事を聞き、当社の高度な制御技術や駆動技術などを応用してこの問題に取り組みました。試行錯誤の結果、簡易型電動車いすJW-1を95年に、翌年簡易型電動補助車いすJW-2を商品化しました。
JW-1は、手動車いすへ後付けする軽量な電動車いす。JW-2は、PASの技術を応用した手動車いす後付けの電動補助車いすです。商品開発ではお客様である障がい者の方々に使い込んでもらい、その結果を良く聞き改良を重ねました。使える資源に限りは有りますが創意工夫を重ね喜ばれる商品に育ちました。
日々、進化する事をユーザーは求めています。現状に慢心すること無く、これからもお客様の声に耳を傾け、商品を進化させてくれる事を期待しています。