16産業用無人ヘリコプターで無人技術を育む
陸・海・そして空へ。エアロロボットで農業を近代化。
1983年、農林水産省の外郭団体の委託により、ヤマハは産業用無人ヘリコプターの研究・開発を開始。
1987年には、その第1号製品「エアロロボット R-50」のモニター販売を開始した。働き手の減少や高齢化など、農業の現場が抱えるさまざまな課題に対するソリューションの第一歩だった。
自動航行など産業用無人ヘリコプターで築かれたアンマンド技術は、UMV(無人艇)やUGV(無人陸上車)にも展開され、観測や警備などさまざまな分野のソリューションビークルとして期待されている。
参照:Times of Yamaha
Heritageクイズ
ヤマハが現在までに発表したことがないアンマンド技術は?
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無人ヘリコプター開発:農業で最も敬遠される薬剤散布作業の未来を創る取り組み
ロボティクス事業部 UMS統括部 坂本 修さん
社内でもご存知ない方が多いと思いますが、無人ヘリコプター事業は明確な戦略があって始められた訳ではありません。いわゆるHY戦争後、経営が困難な時期に他の企業が行っていた農林水産省の補助金事業を、引き継いだ形で始められました。当初は無人ヘリによる薬剤散布効果について、農家が懐疑的であったということも聞いております。しかし薬剤散布という、農業で最も敬遠される作業に泥臭く取り組んできた結果が評価され、今日に至っています。
さて無人ヘリを検討するにあたり、1975年~77年に研究開発された、一人乗りの小型有人ヘリコプターの実績が、参考になったことは想像に難くありません。実際に袋井テストコースを飛行する映像が残されています。現代の「空飛ぶクルマ」の元祖といったところでしょうか。当時のチャレンジ精神には脱帽です。(堀内 浩太郎氏著 「あるボートデザイナーに軌跡2」に詳細が記述されています)
無人ヘリ事業を始めてから30年以上が経過し、その間の機体能力向上は目覚ましいものがあります。現在では機体の積載量は3倍に増加し、数十㎞の距離を自動飛行できる制御・通信能力を保有しています。何よりも簡単に墜落しなくなりました。関係者全員の努力の成果です。
創成期にご尽力された方々の中には、すでにお亡くなりになられた方もおられますが、諸先輩の願いは「空の事業」をこれからも「いろいろな形で追い求め続けてもらいたい」ということに尽きると思います。