2022年からの新中期経営計画の中で、当社は「ヤマハ発動機グループ環境計画2050」の見直しを行い、自社工場におけるカーボンニュートラルの達成目標を2035年に前倒し(海外工場を含む)することを発表した。この新たな目標に向けて、エネルギーの最小化とクリーン化を軸とした各種活動が加速した。その原動力となったのは、当社独自のアプローチ「理論値エナジー×IoTによる価値エネルギーの追究」だった。この取り組みは2022年度省エネルギー大賞の省エネルギーセンター会長賞を受賞した。

袋井南工場の工場棟に設置された計4,650枚の475W太陽光パネル

そうした取り組みのビジョンの一つとして、2035年までに使用電力の30%を太陽光発電に切り替える目標を掲げた。袋井南工場では工場棟の屋根全面に2,200kWの太陽光発電設備(メガソーラー)を設置したほか、本社従業員駐車場の一部にもカーポート型太陽光発電設備を新設。隣接する工場への給電に加え、電力会社の送配電ネットワークを介して各事業所への配電も開始した。

二輪車業界初のカーボンニュートラル塗装ラインが稼働開始

製造や物流の現場でも、カーボンニュートラルの達成に向けてさまざまな改革が進められた。水素ガスに対応する溶解炉と熱処理の設備を備えた実証施設を建設したのはその代表例。アルミ合金を溶解するための熱エネルギーの新たな選択肢として、水素バーナーによる温度制御の開発をスタートした。

また、二輪車用燃料タンクの塗装ラインには、二輪車業界初となるカーボンニュートラル対応の量産塗装設備「CN1」を導入。それまで主に化石燃料を用いていた前処理や塗装、焼付、乾燥といった工程のすべてを電気エネルギーにシフトした。こうした塗装工程の革新は、製造リードタイムの短縮や多品種少量生産への対応力向上、さらに快適な作業環境による働きやすさの向上にも寄与している。

一方、物流の現場でも、原材料のカーボンニュートラルを目指す取り組みの一環として、出荷用の梱包枠に低炭素・循環型鋼材の使用を開始。世界各地のモノづくりの現場で、脱炭素に向けた取り組みが着々と進められている。

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