いつ起こるかわからない自然災害からあなたや大切な人の命を守り、被害を最小限に抑えるためには、日頃から備えておくことが大切です。防災ライダーに関するノウハウから、今からできることをまとめました。備えの参考にしていただければ幸いです。
非常食の定番といえば缶詰ですが、じつはガソリンにも缶詰があるんです。ガソリンの缶詰は災害時の燃料備蓄の為に考案されました。
120℃という高い耐熱性に加え、衝撃試験もクリアしているので車のトランクなどに常備しておくことも可能です。東日本大震災の直後に深刻なガソリン不足が発生したのは記憶に新しいところ。
ガソリン缶詰は3年間の長期保存が可能なので、平時から備えておきましょう。ハイオクだけでなく何種類かの混合ガソリンまであるので、2stバイクやチェーンソーなんかにも使えます!!
ただし、40Lを超える備蓄は消防署への書類提出が必要なので、ご注意を。
バイクで転倒した際、怖いのがレバーの破損。曲がったり、折れたりしてしまうと運転に支障がでてきます。予備をもっておけば安心ですが、ダメージを最小限に抑える方法を知って損はないでしょう。
やり方はカンタン、左右それぞれのホルダーにあるハンドルバーの固定ネジを少し緩めておくだけ。さすがにブレーキやクラッチ操作で動いてしまうほど緩めてはいけません。バックミラーを両手でつかんで上下させてやっと動くくらいがベストです。こうしておくとレバーが地面に打ち付けられても、その衝撃をホルダーの回転が緩和してくれるようになります。ツーリングのような一般走行時は規定トルクで締めましょう。緩めすぎ注意でお願いします!
震度5以上の地震では、バイクが倒れるリスクも高くなります。ひとたびガシャーンといってしまえば、ボディにキズがついたり、タンクが凹んだりと、愛車が可哀そうな姿になってしまうことも。
最悪の場合、フレームが歪むことすらありえます。そのままにしていたら大事故を招くおそれもあるので、やはり倒さないようにするのが第一です。普段から以下を守って停車しておきましょう。
① サイドスタンドを使用 ② ローギアに入れておく
サイドスタンドはタイヤも含め3点が接地しているので、センタースタンドよりも安定性が高いんです。また、ローギアに入れていれば、地震の揺れで車輪が回ることはありません。たったこれだけでも、地震による転倒リスクをグッと低減できます。
大災害が発生すると被災地へ電話が殺到して繋がりにくくなってしまうことがあります。そんなときに活用したいのが、災害用伝言サービス「171」と「Web171」。
前者は171 に電話して安否情報などを録音すれば、あなたの電話番号を知っている全ての人が録音を聞けるサービス。後者はウェブ上に電話番号と安否情報などのメッセージを文字で登録し、電話番号を知っている全ての人が閲覧できるというものです。「無事です!」と一言残しておけば、バイク移動中に電話が取れないときに安心。
毎月1日と15日に体験利用ができますので、いざという時に備えてリハーサルをしておきましょう。
日頃からおいしい食べ物を求めて全国を走り回っているグルメなアナタ。まさか備蓄している非常食の味には無頓着なんてことはないですよね?
美味しい食べ物は栄養だけでなく精神的な活力も与えてくれる重要なもの。気持ちが落ち込みやすい非常時にはなおさらです。非常食は簡単に調理でき、長期保存が可能であることに加え、日常的に食べたくなるものをストックしましょう。
キャンプツーリングなどで積極的に使うようにし、使った分だけ補充すれば期限切れを防ぐことにつながります。
リスにはエサがなくなる冬に備えてあちこちに穴を掘ってどんぐりを埋める「貯食」とよばれる習性があります。ただ、あまりにもたくさん隠すので、中には忘れられるものも(笑
我々ライダーもトラブルの時に限ってツールを忘れたなんて経験はないでしょうか?そんな事態に備えて、ボルト・ナット、針金やダクトテープなどを小さくまとめてバイクの収納スペースに仕込んでおきましょう。トラブルで思い出した時のありがたさは格別です。
おすすめは、パイプハンドルに同程度の長さの結束バンドを仕込むこと。ただし、中に配線が通っているハンドルバーに、無理やり押し込むのは断線リスクがありご法度です。
バイクの車両保険は、台風・洪水による損害は補償対象、地震・噴火・津波による損害は補償対象外が一般的。残念ながら、地震や噴火、津波が原因で、ライディング中に怪我をしたり、人にケガをさせたり物を壊しても、補償の対象にはなりません。また、ロードサービスも地震や噴火、津波は対象外。 一部の保険会社では、バイクが自然災害で全損した場合に保険金が支払われる特約が用意されています。保険に加入する際は補償の範囲をしっかりと確認しましょう。
丈夫で価格が安く、ホームセンターなどで簡単に入手できるブルーシート。
もともとは建築資材などを自然環境から保護するカバーとして使われるものですが、緊急時にはタープやシェルター、シュラフカバーなど、変幻自在に活用できる万能ギアなのです。もちろん普段のキャンプでもグランドシートとして使えるので、ぜひ1枚手に入れておきましょう。
いくつかサイズがありますが、定番は#3000 (2.7m × 3.6m) です。
ツーリング中に災害に遭遇した場合、正確かつ迅速な情報収集が命運を分けることもあります。そこで活用したいのがスマートフォン用の「防災アプリ」。位置情報へのアクセスを許可しておけば、都度設定することなくツーリングやキャンプ先での速報を受け取れます。
最新ニュースや避難情報をプッシュ通知で知らせてくれたり、リアルタイムで家族の現在地を把握できたりします。さらに全国の避難関連施設を表示して避難時の判断をアシストしてくれるなど、様々な機能の防災アプリが用意されています。
遭難した際、自分の居場所を知らせるのに役立つ「救急ホイッスル」ですが、やみくもに吹くだけではなんの合図か伝わらず、ただ疲れてしまうだけです。そんなときは救急隊に気づいてもらえる遭難信号の出し方を実践しましょう。やり方はカンタン。
1. 1分間にピーピーピーピーピーピーと6回鳴らす
2. 次の1分間は音を出さずに休憩
この2つの手順を繰り返すだけでSOS の合図になるんです。山遊び好きは普段から練習しておくと安心ですよ。
ツーリングやアウトドアだけでなく有事の救出にもロープは必需品。
しかし、ただ持っているだけでは役に立たないどころか、使い方を誤るとさらなる危険を招くことも。
“もやい結び” は、引く力がかかればかかるほど強く締まる一方ほどきやすいことから、キングオブノットとも呼ばれています。ただ、輪の内側から開く方向に力が加わるといとも簡単に解けてしまうことから、人が体を預けるクライミングでは二重8 の字結びが使われています。平時からロープワークの基本とそれぞれの特性を把握しておきましょう。
たった一本のロープが使い方次第で様々な機能を生むなんて、グッときませんか?
COVID-19 下の“Stay Home” 中に、大掃除や断捨離を行った方も多いと思います。ただ、極端にモノを減らしてしまうと、災害や恐慌などで物流が停止した途端、生活が行き詰まります。
そんな中、ミニマリストとは反対の、『プレッパー(Prepper)=備える人; Prepare(準備する・備える)に由来』が注目を集めています。
何がいつ起きても生き抜けるよう、中には数年分の食料・日用品・医薬品をシェルターにため込む猛者も。ただ、あまりにモノをためすぎて避難経路を塞いだり、食料を無駄にしてしまうのも考えもの。
日本の中央防災会議は、最大クラスの地震を想定して「7 日分」の物資備蓄を推奨しています。
スイッチひとつで開閉できる電動シャッターは便利な反面、停電すると困りもの。焦って無理に動かそうとすると、シャッターだけでなく、モーターやギアまで傷めてしまうので、復旧まで待つのが基本です。
ただ、どうしても開閉が必要となる緊急時に備えて、手動への切替方法は把握しておきましょう。やり方はメーカーやシャッター方式によって異なりますので、取扱説明書でご確認ください。なお操作中に電気が突然復旧して動き出すと危険なので、切替前には必ずシャッターのブレーカーを落としましょう。
「タイガー!ファイヤー!サイバー!ファイバー!」( 絶叫)と、ヲタ芸を打つのに欠かせないケミカルライトですが、じつは暗闇で居場所を知らせる非常用灯としても便利。火や電池を使わずポキっと折るだけで発光でき、雨や強風で消えてしまうこともありません。新月のアウトドアや停電による暗闇でも、バイクなどに挿しておけば場所を把握できます。安価で使用期限も長いので、ぜひ防災グッズの選抜メンバーに。
避難所生活は心身に負担がかかりやすいので、快適に過ごせるよう備えましょう。とくに大切なのが睡眠環境。寒くて寝られないなどもってのほか。できる限り快適にすごせるよう布団やシュラフなどの寝具はなるべく高性能なものを。シュラフには大別してダウンと化繊のものがあります。一般的にダウンのシュラフは軽くて保温性に優れる反面、高価で濡れると保温性が低くなるという弱点が。一方、化繊は保温性や軽さでダウンに劣るものの、安価で濡れても保温性が低くなりにくく、乾くのが早いのが強み。
それぞれのメリット・デメリットをよく把握したうえで気に入ったものを選びましょう。
ツーリング先で出会った湧水はとてもおいしいですね。ただ、湧水はその場で飲むのが基本で長期間の保管には向かないということをご存知でしょうか?
いざというときの備えとして手軽なのは水道水の汲み置き。浄水器を通したり沸かしたりせず、そのまま入れてください。では、水道水ってどれぐらい保管できるんでしょうか?東京都水道局によれば、清潔で蓋のある容器(ポリタンク、ペットボトル、水筒など)へ、できるだけ空気に触れないよう口元まで水をいっぱいに入れれば、冷暗所で3日程度、冷蔵庫なら7日程度の保存が可能だとか。水道水は塩素で消毒されているので意外と日持ちするのです。
アウトドアや災害時に役立つアイテム、「エマージェンシーブランケット」。実は身体にまとうだけではなく、いろいろな使い方があります。
風雨を防ぐタープとして屋根や壁としても活用できますし、テント下に敷くグランドシートとしても使えます。テント泊や小屋泊での「寝床の冷え」対策としてとっても便利なんです。さらに、複数人で間仕切りのない場所で宿泊するときにも、トイレや着替えの時などに、視線をさえぎるための壁として活躍します。