ライダーと愛車に向けた台風対策ノウハウをまとめました。
しかし、どれだけ対策を尽くしても、皆さまや愛車の安全を守り切れるわけではありません。日々のライディングと同様、周囲の状況、そしてその場にいる方々をよく見て、その瞬間、その瞬間の最善を尽くしてください。また、本サイト情報は愛車に関わるものに特化しております。
一般的な台風対策は、気象庁の台風対策などをご確認ください。
台風は、事前に来ることが予報される災害ですが、風雨が強まってからの外出や屋外作業で被害に遭われる方もいらっしゃいます。また、「前回大丈夫だったから、今回も大丈夫」「前に対策しても何もなかった」「駐輪場に並ぶバイクは誰も何もしていないから、自分だけ対策するのは恥ずかしい」という心理は、初動の遅れやあなたの愛車を守れない状況を結果的に招きます。情報や警報を素直に受け止め最悪の事態を想定して、しかるべき行動・対策をしてください。その結果、何も被害がなくすべてが空振りだったとしても、良い素振りができたとお考えください。素振りをせずに本番で打てるバッターなどいないのですから。
愛車が暴風雨にさらされるのは忍びないですが、カバーがあると風の力を受けて転倒しやすくなってしまいます。その一方、吸気口やマフラーには水が浸入しないよう、
ビニール袋やマスキングテープを使ってカバーしておきましょう。また、風に煽られて動かないようギアは1速に。スタンドはセンタースタンドより風に強いサイドスタンドがオススメです。
壁があればできるだけ寄せて、壁側にスタンドがくるように置くと吹き付ける風に対抗できます。ただ、壁からの吹き返しで壁とは逆側に転倒することもあるので、左右下方向にロープで固定できれば効果的です。
(ロープが車体に擦れて傷がついたり、他の人がロープにつまずいて転倒されないよう、取り回しなどには十分ご注意ください。)
ロープの左右固定が難しい場合は、壁方向だけにロープを固定したり、あるいはサイドスタンドの反対(一般的には車体右側)の頑丈な部分に車用のジャッキなどをかませるだけでも、転倒リスクを軽減することができます。
そして、舗装されていない路面は避けましょう。大雨で緩みサイドスタンドが埋もれて転倒することも。アスファルトやコンクリートなど、しっかり舗装された地面に停めてください。しかしながら、どれだけ対策したところで、猛烈な突風や水没にはなす術がありません。
さらに、車種や周辺環境など様々な条件があり、上記の対策が必ずしも正解であるとは限りません。危険が予想される場合は天気が悪化する前に、近隣の高台や建物の中、あるいは友人のガレージや
バイク預かりサービスなどにお願いし、安全な屋内へ移動しておきましょう。
本州と四国を結ぶ瀬戸大橋などでは、概ね秒速15メートル以上の風で二輪車は通行止めになります。一方、四輪車は速度規制されるものの走行できることから、一般的に二輪車は四輪車よりも風の影響を受けやすいと考えられています。 強風で転倒する恐れもありますので、走行は控えましょう。また、暴風雨の中でも出前をしてくれるお店があるかもしれませんが、その注文が配達されるライダーに危険を強いることにもなりかねません。必要な食べ物は事前に確保しておきましょう。
冠水した道路をバイクで走行するのは危険です。路面状況を把握できず、側溝や蓋が開いたマンホールなどに落ちてしまうことがあります。もしバイクが水没してしまった場合、メインスイッチを入れたり、エンジンを始動すると、電子部品がショートし破損・故障をしたり、感電する恐れがあります。 作業ができるならば、バッテリーを外してください。その際はマイナス(-)端子から先に外しましょう。
密閉状態のガレージに何らかのスキマができると強風が吹きこんでしまいシャッターそのものが破損する可能性があります。同じ原理から横のドアからの出入りもリスクを高めます。風が収まるまではジッと我慢が最善策なのかもしれません。また、スイッチひとつで開閉できる電動シャッターは便利な反面、停電すると困りもの。焦って無理に動かそうとすると、シャッターだけでなく、モーターやギアまで傷めてしまうので、復旧まで待つのが基本です。 ただ、どうしても開閉が必要となる緊急時に備えて、手動への切替方法は事前に把握しておきましょう。やり方はメーカーやシャッター方式によって異なりますので、説明書でご確認ください。なお、操作中に電気が突然復旧して動き出すと危険ですので、切替前には必ずシャッターのブレーカーを落としましょう。
万が一、孤立して周囲の通信・連絡手段が断たれたときに、地上に決められた記号を書いて、上空の相手に状況を知らせるのが対空信号です。ポイントは上空からみえるようにできるだけ大きく描くこと。使うものは、木の枝や、石、タイヤ、衣服などなんでも構いません。 同時に上空へ向かって、手やライト、光に反射する鏡をふったり、煙をたくことで、自分たちの存在を相手に知らせることも大切です。ただ、練習といって、いたずらに試したり、放置してはいけません。本当に危険が迫っているとき以外に使うと、法律で罰せられる場合があります。
エンジンがかかるかな、とすぐにメインスイッチを入れるのは控えましょう。風でモノがぶつかって部品が破損し、隙間から水が入り溜まっているかもしれません。不用意にスイッチを入れるとショートすることも。まずは壊れている箇所がないか、隙間に水やゴミが溜まっていないか、よく確認してください。その後、台風に耐えた愛車をねぎらい、洗車してあげてください。 台風の雨には塩分が含まれることがありますので、放っておくと錆の原因になります。洗車が終わり水分を吹き取ったら、チェーンなどの可動部への注油と電気系(灯火器やETCなど)が切れていないかの確認も忘れずに。
関西・四国を中心に被害をもたらした2018年の台風21号の後、道路はガレキやガラスなどが散乱し、パンク修理が前年の3倍に増えたそうです。 台風が過ぎたからと、いつも通りバイクに乗ると思わぬ危険が潜んでいることも。道路上の整備がされるまでは、不要不急の走行は控えましょう。
車両保険に加入していれば、台風・洪水による損害は保険金支払いの対象となるのが一般的です。保険を使った場合、翌年の保険等級は1等級下がり保険料が上がります。修理費などと比べて、保険を使うかどうかご検討ください。 なお、地震・噴火・津波は車両保険では補償されませんので、ご注意ください。