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#防災ライダー:地震対応

防災ライダー100のテクニックより、地震にまつわる項目をご案内いたします。
地震発生直後は決して無理せず、安全確保にまずは努めてください。また、余震にも十分ご注意ください。

発災直後は危険

発災直後に慌ててバイクに乗ると、ブロック塀やガラスの破片などが道路に落下したり、余震に驚いた人が突然道路に飛び出したりすることがあり、非常に危険です。気持ちや状況が落ち着くまでは、ライダーとはいえ徒歩移動が原則。(津波からの緊急避難など、車やバイクの利用がどうしても必要になる場合もあります。)
また、十分な安全確保ができないなかで、市外・県外などから一般ボランティアやライダーが現地に向かうことは、混乱や二次災害を招きます。現地で詳細な状況把握と受け入れ態勢が整い次第、ボランティアが募集されます。遠方のライダーは最新情報をチェックして、募集されたらすぐに参加できるよう準備を整えておきましょう。

最も頼りになるのは地元ライダー

阪神・淡路大震災では、7 割弱が家族も含む「自助」で、3 割が隣人等の「共助」により救出されました。また、2020 年7 月の熊本豪雨災害では新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、ボランティア募集が県内在住者に限定されました。そして、今後起きると予測される南海トラフ地震のような広域大規模災害では、公助の限界が指摘されています。
ある災害対策本部の方は、「災害で通信トラブルや道路渋滞が起きた時、土地勘のある地元ライダーが、自治会の状況や困りごとを対策本部に届けてくれると、非常にありがたい。」と話されていました。
地域の人々と顔なじみで、さまざまな道に精通した地元ライダーは、発災直後から復興までの大きな力になれるのです。

感染症流行下でのボランティア

感染症が流行すると①被災地にウイルスを持ち込む恐れ、②被災地からウイルスを持ち帰る恐れ、③被災者やボランティア同士の接触により感染を広める恐れ、が生じます。そして、感染拡大を防ぐため、ボランティア募集が県内などに限定されることがあります。
また、ボランティアの際には、マスクや使い捨て手袋の着用・アルコール消毒・検温、原則として同一地域内のみで活動を行う、宿泊・移動手段を明確にし不要不急な移動は避ける、といった基本的な感染症対策や現場のルールをしっかり守りましょう。
なお、2020 年5 月にボランティア保険の対象にCOVID-19 が認可され、ボランティア活動中に罹患してしまった場合に、一定の補償を受けられるようになりました。

感染症流行下でのボランティア

走行中、地震がきたら?

軽い地震が起こっても、バイクや自動車を運転している時は気付かない場合がほとんどですが、震度5以上になってくると状況は一変します。バランスを崩すような衝撃が襲ってきて、あわや転倒なんてことにも。
身体に揺れを感じた時点で、速やかに減速してとにかく安全な場所に寄せてください。地震が収まるまでその場でじっとして不用意に移動をしないようにしましょう。
また、緊急車両などの邪魔にならないよう、できれば道路でない場所に、高速道路などの場合は、できるだけ左側に寄せます。
バイクも車と同様に災害時はハンドルロックをせず鍵をつけたままにして車両から離れるようにしましょう。

2台1組

災害時に一人で行動するのは非常に危険です。二次災害を防止するために最低でも 2 台 1 組で行動しましょう。例えば、道路が寸断された場所で先を見に行く時、2 人で行かず1人が待機すれば、もし何か起きても、もう一人が対処できます。
また任務の難しさとお互いのライディングスキルを把握することも大切です。バイクでしか通れない道をベテランライダーと初心者ライダーで組んでしまうと、迅速な行動ができなくなることも。もし、任務が難しいと感じたら、ボランティアセンターや相手に伝え配置転換してもらうことが真摯な対応です。使命感から無理をして事故で迷惑をかけては本末転倒。自分ができる範囲を考えて安心・安全第一で活動しましょう。

2台1組

ボランティア参加手順①:最新情報を確認

ボランティアの受け入れは、全国社会福祉協議会などのSNS やウェブサイトで確認しましょう。大規模な被害を受けた地域の状況は刻々と変化しています。余震や断続的な豪雨、地盤の緩みなどで、新たに避難指示が出ることもあります。また、混乱を最小限に抑えたり、ボランティアニーズが増減したりすることで、一日あたりの受入れ人数や地域が制限される場合があります。
被災地へ向かう前には、信頼できる発信元からの最新情報を入手してください。現地職員の方は様々な緊急対応に忙殺されているので、申し込みはウェブサイトからが最もスムーズ。電話やFAX での申し込みが指定されていることもあります。「経験も土地勘もないが、とりあえず行けば何とかなるだろう」と押しかけることは避けましょう。

ボランティア参加手順②:携行品の準備

ボランティアでは事前準備が大切。勢いだけで飛び出しては人助けになるどころか、迷惑をかけるモンスターボランティア化してしまうことも。 必要な装備は災害状況やボランティア内容によって異なるので、社会福祉協議会の情報を参考にしましょう。
例)食料・水・現金・保険証・常備薬・名札( 血液型/ 緊急時連絡先)・テント・シュラフ・マット・簡易トイレ・トイレットペーパー・マスク・ウェットティッシュ・ポケットティッシュ・タオル・ゴミ袋(45L)・着替え・洗面用具・防塵マスク・防塵ゴーグル・帽子・作業用ヘルメット・ゴム手袋・軍手・釘を踏み抜かない丈夫な靴・レインコート・油性マジック・ボールペン・ファーストエイドキット・ロープ・サバイバルブランケット・懐中電灯・小型ラジオ・予備電池・充電器・サイリウム・ホイッスル・モバイルバッテリー・ガソリン携行缶・予備ガソリン・結束バンド・パンク修理キット・工具・ダクトテープ など

ボランティア参加手順②:携行品の準備

ボランティア参加手順③:ボランティア活動保険に加入

災害ボランティアの際に加入できる保険があるのをご存知ですか?
社会福祉協議会の「ボランティア活動保険」は、日本国内における「自発的な意思により他人や社会に貢献する無償のボランティア活動」を対象にした保険です。社会福祉協議会に登録するなど、加入には条件がありますが、地震・噴火・津波にも適用される天災プランは500 円程度から加入できます。また、被災された方が大切にされているモノを誤って壊してしまったときなどにも補償されます。
あなたはもちろん、あなたにお願いをする被災者の方も安心。 最寄りの社会福祉協議会で手続きができますので、ボランティアに行く前に必ずご自身の居住地で加入しましょう。

ボランティア参加手順④:一目でわかる服装

ボランティア中であることが、一目でわかるようビブスや腕章などをつけて活動します。また、阪神淡路大震災の教訓から生まれたコミュニケーションツール「できますゼッケン」もオススメ。被災地や避難場所でボランティアや被災された方々が「自分にできること」を表記することで、会話のきっかけやスキルの理解が得られ、助け合いが促されます。生活支援・専門技能・言葉・医療介護の分野別に四種類のゼッケンが用意されています。今すぐダウンロードして、防災バッグに加えてみてはいかがでしょうか?
出典:デザイン都市・神戸推進会議/ Issue+design
https://issueplusdesign.jp/dekimasu/

ボランティア参加手順④:一目でわかる服装

ボランティア活動の高速道路料金が無料に!?

災害時にボランティア車両に対し高速道路の無料措置を実施されることがあります。二輪車にも適用されるので忘れず利用しましょう。
①ボランティア活動情報をウェブ等で入手・連絡し受入調整をする。
②高速道路会社などのウェブでボランティア車両証明書を取得。
③高速道路を利用。ETC を使わず一般レーンで通行券を受け取る。
④係員がいる出口レーンで証明書・本人確認書類を渡す。証明書に料金所印をもらう。
⑤ボランティア活動参加・終了後にボランティアセンターなどで証明書に活動確認の押印を受ける。
⑥帰りの高速道路最終出口で係員のいるレーンで、本人確認書類と証明書を係員に提出する。

ボランティア活動の高速道路料金が無料に!?

災害時のバイク役割は斥候

斥候とは本隊の移動に先駆けて、状況や地形などを探る少人数で構成された機動力あるチームのこと。災害対応では情報が命ですが、災害初期段階では、スマホは通じずデマが飛び交うことも。
そこで、自衛隊やオフロードバイク隊ではバイクの機動性を活かし、狭い道路や道が寸断された場所、渋滞で交通がマヒした状況下で、情報収集や物資運搬を迅速に展開します。阪神・淡路大震災の際、大阪から神戸まで四輪で 16 時間かかる道がバイクは 2 時間、熊本地震では四輪で3 時間かかる道がバイクは15 分で着いたそうです。
参考:日本自動車工業会 災害対策で活動するバイク隊
https://issueplusdesign.jp/dekimasu/

ボランティア:運搬荷物を載せる際のコツ

物資運搬にはフックなどで長さを調整できるショックコード(ゴム紐)+養生テープの補強がお勧め。積み下ろしで変わる大きさや重量バランスを整えやすくなります。固い物や重い物を下に置きつつ、荷崩れしないように積みましょう。雨を想定してビニールシートなどもあると物資が濡れません。
また、バイクには物資運搬に向き不向きがあります。リアキャリアが付いているバイクは運搬、積載スペースが確保しづらいバイクは斥候など役割を決めておくと、効果も最大化できます。自分のバイクでどのくらいのサイズと重量を運べるのか、積載状態でバイクの挙動はどう変わるか普段から確認しておくと、いざという時スムーズに対応できます。バランスを崩して積荷を落としたり、転倒したりする事がないよう、無理は禁物です。

ボランティア:運搬荷物を載せる際のコツ

救助活動、三種の神器!

阪神淡路大震災で、倒壊した家屋の下敷きになっている人の救助に活躍したのが、「ノコギリ」「バール」「ジャッキ」です。
ノコギリは、木材以外にも樹脂・軽鉄・ステンレスなどが切れる万能ノコギリがオススメ。
バールはドアをこじ開けたり重量物をどかしたりするのに使います。
バールでもどかせない場合はジャッキを使います。車に車載されている パンタグラフジャッキは不安定なため、しっかりした平らな場所で使用します。持ち上げる高さは最小限にとどめ、万が一ジャッキが外れても重量物が落下しないように、持ち上げてできたスペースに順次、木材や本などを挟んでいきます。
周りの安全が確保されていなかったり、今にも崩れたりしそうな場合は二次災害の危険があるため、近づかないでください。

救助活動、三種の神器!

2時間以上挟まれている人をむやみに助け出すのは危険!

倒壊家屋などの下敷きになって長時間体を挟まれた人が、救出後に突然容態が悪化し亡くなってしまうのがクラッシュ症候群です。
「2時間以上挟まれている/尿に血が混ざる/圧迫部位が腫れている・感覚がない」のであれば、むやみに助け出すのは危険です。
①早急にレスキュー隊と救急隊を呼ぶ。
②倒壊物や体を動かさず挟まっている状態のまま、飲める範囲で大量(1L 以上) の水を飲ませ、血中毒素の濃度をさげる。
(*救助がなかなか来ない場合は、)挟まれた部位より心臓に近い、腕や足の付け根を幅3 ㎝以上の布で縛る。始めた時間を布や体にメモし、30 分に一度は4 ~ 5 分布を緩め、血流を補う。
③救助後、直ちに血液透析ができる災害拠点病院などへ搬送する。

2時間以上挟まれている人をむやみに助け出すのは危険!

お届けするのは安心

気が焦るあまり、「大丈夫ですかーーー!」と慌てた大声を出されると、かえって不安をあおることも。到着したらまずは一呼吸して状況をしっかり確認。時には、落ち着いた声で「大丈夫ですよ」と声がけし、リラックスしていただく方が効果的なこともあります。
また、「大丈夫ですか?」と尋ねると、困ったことがあっても迷惑をかけまいと反射的に「大丈夫です」と答える方も少なくありません。
「何かお手伝いできることはありますか?」など、聞き方を工夫しましょう。
中にはそっとしておいてほしい方もいらっしゃるので、傾聴や表情の観察に努め、無理強いや無暗な励ましにならないよう、心がけましょう。

お届けするのは安心

ルーティン

災害によって日常生活が一変すると、疲労だけではなくストレスも溜まっていきます。そんな時に普段と同じ行動、ルーティンを意識的に取り入れると、落ち着きを取り戻せる効果があるそうです。
例えば、『毎朝、顔を洗って、歯を磨き、髪を整える。』とか『就寝前に好きな本を読む。』など、できる範囲で構いません。
静岡県三島市オフロードバイク隊の佐藤隊長は、愛読書である『マルクス・アウレリウス自省録』をレスキューバッグの中に常に入れていらっしゃるそうです。

ルーティン

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