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2008 歴史車両デモ走行・見学会

動態保存されている展示コレクションの走行を一般の方にも公開

2008 歴史車両デモ走行・見学会

動態保存からスタートして10年、ファンが集う場としてこれからも…

コミュニケーションプラザ:佐々木郭

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レストアしたモーターサイクル市販車を走らせるのは、社内公募で参加したボランティアの方たち。できるだけカッコよく見てもらえるよう乗り方もチェック

 2001年からスタートし、年に一度の恒例イベントとなったコミュニケーションプラザ(CP)の「歴史車両デモ走行・見学会」。今年も11月1日(土)、すばらしい秋晴れのもとで開催することができ、来場者合計1400名あまり、バイクでの来場610台と、いずれも昨年を大きく上回る賑やかさでした。バイクでご来場くださった方には駐輪場が狭くご迷惑をお掛けしましたが、楽しく会場を盛り上げてくださったみなさまに、改めて御礼申し上げます。ありがとうございました。

 ところでこのイベント、2001年からと書きましたが、正確にいうとそれは一般のみなさまに公開した最初の年であって、実際は1999年、CP創立の翌年から始まっています。
 館内で展示しているレストア車両は、ヤマハ発動機の歴史を物語る大切な史料であり、財産なので、きちんと動く状態で保管する(動態保存)ことが基本。しかし、そのまま置いておくだけでは動くものも動かなくなってしまうため、リハビリというか虫干しというか、定期的に走行させて状態をチェックすることが必要なのです。
 当初は、レストアに関わった人たちだけが集まり、20台ほどの車両を淡々と走らせてメンテナンスするだけでしたが、YA-1やYDS-1など貴重な歴史車両に乗ったり、走る様子を間近に見ることができるチャンスはヤマハ発動機社員でもめったにありません。そこで、ボランティアのライダー役を社内公募し、希望する社員やその家族、OBの方たちも呼んでお披露目しようということになりました。するとこれが大好評で、社内イベントにしておくのはもったいないと、さらに話がふくらんで一般公開イベントに発展したのです。
 それにともなって、名称も「CP展示車両動態保存走行会」なんて堅苦しいものから「展示レストア車両走行会」、そして現在の「歴史車両デモ走行・見学会」へと変わり、展示・走行させる台数や種類、社内ボランティアを含めた運営スタッフの数、そしてもちろん来場されるお客さまの数など、年々規模が拡大してきました。青空のもと、テストコースという特別な場所で、ふだん館内では見られない車種・台数のバイクが見られる、デモ走行する様子を見ることもできる。そして多くのヤマハファンが集まっている、懐かしい人や思いがけない人に会える。それが、このイベントの大きな魅力になっているようです。
 ただ私たちの意識としては、レストア車両を動態保存のために走らせるという本来の目的を除けば、このイベントも、通常の館内展示と同じ延長線上にあります。さまざまな歴代の製品を通じて、お客さまのヤマハ発動機に対する興味を広げ、もっともっと好きになっていただく、また世代を超えたコミュニケーションの場を提供する活動であることに変わりはないからです。
 まだコミュニケーションプラザに来館されたことがない方、よく見たことがない方は、ぜひ一度じっくりと館内を見学してみてください。きっと楽しめると思います。館内1階のご案内はこちらをご覧ください >>


過去最多の54台を展示して賑やかに開催!サプライズは08YZR-M1とセリカ1600GTV

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今年の展示テーマのひとつがファミリーバイク。「スクーターとともに過ごした若い頃の思い出が蘇ってきて、胸がキュンとするね(笑)」


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最後のサプライズは、藤原儀彦さんが駆るV・ロッシ選手の2008年型YZR-M1

 さて前置きが長くなりましたが、そんなわけで、1999年から起算すると10回目にあたる今年の歴史車両デモ走行会。それを祝って、というわけではありませんが、展示車両は昨年の42台を上回る過去最多の合計54台を用意しました。これまで、YA-1やYDS-1、DT-1、XS-1、RZ250、RZV500Rなどエポックメイキングなモデルが中心でしたが、新しくレストアされた車両も増えてきたので、ちょっと趣向を変えて「250cc・2ストロークスポーツ」と「ファミリーバイク」をテーマにラインナップしたわけです。
 ファミリーバイクはさすがに地味かな、とも思ったのですが、並べてみると実にカラフルでいい感じ。奥さんと一緒に1980年頃のスクーターをじっと見つめていた男性は、知り合いから譲ってもらった初代JOGに乗って来たそうで、「どのモデルもみんな懐かしい。若い時のことを思い出すよ」と目を細めていました。
 相変わらず人垣に囲まれていたのはトヨタ2000GTとOX99-11ですが、今回、初めてそこに割って入ったのが「トヨタ・セリカ1600GTV」。ヤマハ発動機が開発・製造したDOHC・直列・4気筒エンジン「2TG」を搭載し、1970年代を代表するスポーツモデルとして一世を風靡したクルマです。この車両は、ヤマハ発動機で自動車エンジン製造に携わる人たちが職場の自己研鑽活動の一環としてレストアしたもので、自社製品を大切に後世まで残したいという心が表れています。
 と、こんなふうに車両展示コーナーを回っているうちに、ホームストレート沿いにだんだんとお客さまが列を作り始めました。何度か来ている方は、もうデモ走行の時間が近づいてきたのを知って、観覧場所へ移動していたんですね。
 コース上、最初に登場したのはPW50に乗った10名の子どもたち。併催の親子バイク教室から引き続いて、パレードランを行うのです。YA-1の先導で隊列を組み、見事なオープニングを飾ってくれました。続いて、YA-1を筆頭にモーターサイクル市販車30台が温かな拍手、歓声に送られて1台ずつスタートし、単独のデモ走行とパレードランを披露。さらにトヨタの2台、2000GTとセリカ1600GTVがショートコースを4周ランデブー走行して、OX99-11に舞台を譲りました。
 しかし、今年の主役はなんといってもコレ。かつて"キング"と呼ばれたケニー・ロバーツが初めて世界GP500チャンピオンを獲得したマシン、'78年型YZR500(0W35K)です。ライダーはもちろん平忠彦さん。黄色と黒のインターカラーのツナギとヘルメットを新調してライディングに臨み、「ケニーさんは、私も現役時代憧れていたヤマハのエース。そのチャンピオンマシンに乗れるのは本当に光栄なこと」と挨拶。当時そのままの押し掛けでスタートし、貫禄の走りを見せてくれました。
 そして最後は、今回のカクシダマ、2008YZR-M1の登場です。今シーズン、見事MotoGP王座に返り咲き、ヤマハのメーカーチャンピオン獲得に貢献したバレンティーノ・ロッシ選手のゼッケン46・YZR-M1を、開発ライダーの藤原儀彦さんがライディング。コース脇に詰めかけたお客さまから、ひときわ大きな拍手を浴びていました。


2008年11月掲載

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