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Yamaha Journey Vol.01

ヤマハSR400に乗る日本人男性ライダー、細川博史のユーラシア大陸横断ツーリング体験談です。

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旅を豊かに彩るもの、それはハッピーな出会いだ

細川博史

SR400

#01 ユーラシア:雄大な自然と陽気な人びと
ロシア ― ウクライナ

好きな日、好きな時間に、好きなところへ。
景色を、匂いを、音を、気候を、全身で感じながら──。
未知のものと出会いを求めて、ロシアからはじまったバイク旅は、
温かな出会いと、大地の息吹に彩られていた。

ロシアのウラジオストックを皮切りに、ユーラシア大陸を西へ。高速道路とは名ばかりの2,000キロメートルにもおよぶダートあり、走れど走れど景色の変わらない高速道路あり。これこそが広大なロシア。ウクライナ、ルーマニア、ブルガリアを抜けてギリシャへ。総走行距離13,000キロメートル。

たくさん走った日は、やわらかな夕陽が、微笑んでくれる。

シベリア横断道路、ロシア

走ればわかる。地球はこんなにも大きいと。

シベリア横断道路、ロシア

突き抜けていた。大きさも、透明度も、美しさも。

バイカル湖、ロシア

フレンドリーなバイカーたち。笑顔で旅人を迎えるのが彼らの流儀。

トムスク、ロシア

ロシアの人たちは思った以上にフレンドリー

自分のバイクだと海外は走れない。そう思い込んでいた22の僕が目にしたものは、日本から持ち込んだバイクで世界一周をした人のウェブサイト。当時の僕は、海外とは無縁だったのに、ひどく感動して「10年以内にバイクで世界を走る」とこのときに決心した。その10年目となったのが2009年。32歳の誕生日を迎える直前の6月、僕の長旅はロシア・ウラジオストックからはじまった。

本音をいうと現地で話しかけてくる人に対して、最初はかなり警戒していたんだ。やっぱり日本とは勝手のちがう異国にいるわけだから。けれども時間が経つにつれて余分な警戒心はなくなっていった。通りすがりの警察官に「レインコートをなくした」と言えば「僕のをあげるよ」と与えてくるほどロシア人ってフレンドリーなのだもの。隙だらけは良くないけれど、楽しみを逃さない程度に現地の人とは触れあいたい。そのほうが旅は味わい深いものになると思うから。

知り合ったバイカーたちはナイスな人ばかり

バイクで旅をしていると地元のバイカーたちと仲良くなる。その好例がメンテナンスのために立ち寄ったバイクショップで声をかけられること。振り返ってみると知り合ったバイカーは、みんなナイスな人たちばかりだった。ロシアだとトムスク州のアルチューム夫妻。彼のところには空き家のアパートがあって、そこに2週間くらい滞在させてもらった。

彼らにとって僕は、好奇心の対象なんだ。ロシアを横断してヨーロッパに向かうバイカーなんて、彼らもそうそう会えない。だから一緒に食事を囲んで、お酒を飲みたい、話をしてみたいと感じるのだと思う。そのうちに仲良くなって、僕のことをいろんな場所に誘ってくるようになる。アルチュームはクルーザーを持っていたので彼のバイク仲間とそこに停泊しながら、裸で川に飛び込んで、見たことないような魚を釣って、ウォッカを飲んで、という夢のような時間を味わった。あれは最高だったな。

世界中に大切な友人ができる

ウクライナのキエフで泊まった宿では、グルジアから来ていたバレラっていうバイカーと仲良くなった。彼が連れていってくれたライダーズカフェ「ルート66」でも、やっぱり地元のバイカー、マラートと意気投合。おかげでさっと通過するつもりでいたキエフにも気がつけば1週間。僕が彼らに「クリミア半島に行きたい」と言ったときも、その場で「よし行こう」と即決だった。ほんと自由な人たち。みんないきなり1週間も仕事を休んで大丈夫だったのかな(笑)。

ウクライナにあんなに長居したのは、もちろん彼らがもてなしてくれたおかげ。ロシアでもそうだったけど、旅を続けていると忘れがたい出会いが増えていく。これもまた旅のよろこびだよね。


細川博史

1977年神戸生まれ。大学卒業後、バイク関係のWebサイトを起ち上げる。その運営を経て、2009年から3年間に渡って世界を巡る旅に。愛車はYAMAHA SR400。これまでにバイカー、バックパッカーとして足を踏み入れた国は50カ国以上。現在はWebコンテンツ制作する編集者として東京で暮らしている。

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