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D・ブリビオ監督/「2007年前半戦を振返って」

D・ブリビオ監督/「2007年前半戦を振返って」 2007年8月8日
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 色々なことがあったシーズン前半戦を終了し、MotoGPはいま‘サマー・ホリデイ’期間である。これまでの11戦のなかでバレンティーノが3勝、コーリンが表彰台を2回、そしてポールポジションはふたり合わせて6回獲得した。ひとつひとつのレースで、全てが完璧だった訳ではなかったが、それぞれ違った意味で刺激的なものだった。

 今年のシーズンは、我々が新型800ccマシンの実力を完全に理解しきれない中で、実はスタートした。しかし当然、開幕前に行なったテストを通じ、排気量変更後もMotoGPマシンのレベルが低下していないことは承知していたし、ラップタイムも以前と同等あるいはそれ以上に速くなっていた。そういう訳で我々はニューマシンに確かな自信を持っていたが、実際のところは開幕戦カタールのシグナルグリーンまで分からないというのが実情だった。

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 シーズンは意外な形でスタートした。中でも一番の驚きはドゥカティ+C・ストーナーだった。彼は最初からとても速く、我々はすぐにあの赤いマシンに乗る若きオーストラリアンが真のライバルであることに気付くのだった。ストーナーは見事なまでに安定していて、今のところミスもない。この状況をみれば、チャンピオンシップ争いが彼との戦いになることは明らかだ。それからもうひとつの驚きは、D・ペドロサ、N・ヘイデンを中心としたホンダ勢が、これほどまでに苦戦を強いられている状況だ。しかし彼らは常に前進を続けており、このあとのシーズン後半は間違いなくトップ争いに復帰してくるはずだ。

 我々の800ccYZR-M1はと言えば、以前の990ccのYZR-M1の長所である敏捷性とハンドリング性能をしっかりと残しながら、まったく新しい素晴らしいマシンに作り上げられている。ふたりのライダーは最初からこのマシンをとても気に入っているが、ひとつだけ言うとすれば、グリッドに並ぶ誰もが感じているように、トップスピードではどうしてもドゥカティにかなわないことだ。ヤマハのエンジニアたちはこのギャップを埋めるために日本で懸命に努力してくれており、最近のレースを見ればわかるように、開幕戦の頃から比べれば大きく進歩した。夏休みのあとは、エンジンに関してさらに改良できるよう期待している。

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 エンジンの排気量変更と同時に、今シーズンはタイヤに関するレギュレーションも変更された。ご存知の通りレースウイーク中に使用できるタイヤ本数制限である。このことで、木曜日の午後にはミシュランと相談しながら、使用タイヤの選定を行なわなければならなくなった。このレギュレーションには、良いところもあるが、そうでない部分もあり我々の作業システムへの影響は少なくない。ミシュランとは常に話し合いをしながら、ともに作業を進めており、とても強い絆ができあがっている。新レギュレーションによってライバルのブリヂストンとの差が縮まってしまった今、この新たな関係が非常に重要な意味を持つようになっている。タイヤに関してはいくつか問題もある。とくにウエットではこれまで苦労もあったのだが、我々としてはひたすら全力を尽くし、できる限り多くのタイヤをテストして前進していくしかない。ドゥカティとブリヂストンも、決して手を緩めることなどあり得ないから。

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 今シーズンと昨シーズンを比較して最も良くなっているところは、我々のマシンとミシュラン製予選タイヤの相性だ。バレンティーノもコーリンも、ドライの予選セッションでは限界まで攻めることができていて、すべての条件が揃ったときの我々の強さを繰り返しアピールしている。

 バレンティーノは手に汗握るような見事な展開で勝利をつかみ、コーリンも何度もいいレースを見せてくれている。そういう意味では、これまでのところは非常にエキサイティングなシーズンで、あれほどの手強いライバルと激しい接近戦を展開できているのは素晴らしいことだ。これこそが真のMotoGPスピリットで、今シーズンの戦いは、MotoGPが世界選手権の最高峰であり続ける所以を改めて見せてくれていると思う。

 シーズン前半戦を振り返ってみると、ときに苦しいこともあったが、常に全力で挑むことができ、良い出来だったと思う。もちろん上手くいかないことも色々あったし、夏休みを前に、期待通りの高いポジションに付けていないことは残念だ。だが決して自信を失ってはいない。今は僅かな期間の夏休みを楽しんで、そのあとの厳しい戦いに備えたい。そしてブルノは万全の状態で臨む。シーズンはまだ長い。決して諦めることはない!


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