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ヤマハ発動機のレースに関する広報発表資料をご紹介します。

MotoGP開幕に向け、ヤマハチームが2度目のテストを終了

2014年3月3日

2月26日(1日目)
第2回セパンテストがスタート

 ヤマハ・ファクトリー・レーシングのJ・ロレンソとV・ロッシは、マーレシアはセパン・インターナショナル・サーキットで実施された2014MotoGPシーズン開幕前の第2回公式テストに参加。3週間ほど前の第1回テストで行ったテスト項目に引き続き取り組んだほか、ブリヂストン製ニュータイヤを試すなど積極的に作業を進めた。しかし残念なことに、4輪レースの影響で路面がかなり汚れていたため、前回同様の好調な走りを披露することはできなかった。
 ロレンソはニュータイヤの感触をつかみきれずにトップから0.31秒差の5位。タイヤとマシンとのマッチングをテスト2日目の課題とし、リベンジに賭ける。
 一方、前回テストで見事な走りを見せていたロッシは、おもにYZR-M1のバランス向上に取り組みながらひたすら周回数を重ねていった。ラップタイムではセッション序盤で一時トップに立ったが、その後は多くのタイヤを試すことに力を注いだことから最終的には7位へ後退。トップとの差は0.5秒だった。

 モンスター・ヤマハ・テック 3のB・スミスとP・エスパロガロは前回に引き続き好調をアピール。シーズン開幕戦まで1ヵ月を切った今、ふたりは新型シームレス・ギアボックスを含む様々な要素を試すべく、できるだけ多くの時間を有効に費やすことを目標とした。
 気温も湿度も非常に高かったため、午後になって路面温度がいくらか下がって来たところでラップタイムが向上。エスパロガロはYZR-M1での走行が3回目となり、チームとの関係もより緊密になってきたことで順調に進化を続けている。テスト初日に全57ラップを走り込み、新型シームレス・ギアボックスにも好感触をつかんで2分00秒999を記録。3位につける健闘を見せた。トップとの差はわずか0.151秒。
 チームメイトのスミスも初めてシームレス・ギアボックスを試し、非常に好印象を持った様子。全54ラップを走行してベストタイムは2分01秒644。8位で初日を終えた。

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セパンテスト1日目(2月26日)結果
(気温:34度 路面温度:55度)
順位 ライダー名 チーム名 マシン タイム
1 A・バウティスタ Go&Fun Honda Gresini Honda 2'00.848
2 A・エスパルガロ NGM Mobile Forward Racing Yamaha 2'00.900
3 P・エスパルガロ Monster Yamaha Tech 3 Yamaha 2'00.999
4 A・ドビツィオーゾ Ducati Team Ducati 2'01.029
5 J・ロレンソ Yamaha Factory Racing Yamaha 2'01.158
6 D・ペドロサ Repsol Honda Team Honda 2'01.160
7 V・ロッシ Yamaha Factory Racing Yamaha 2'01.349
9 B・スミス Monster Yamaha Tech 3 Yamaha 2'01.644
14 C・エドワーズ NGM Mobile Forward Racing Yamaha 2'02.743
20 中須賀克行 Yamaha Factory Test Team Yamaha 2'04.165

セパン レコードラップ: M・マルケス 2分01秒415(2013年)
セパン ベストラップ: M・マルケス 2分00秒011(2013年)

2月27日(2日目)
ヤマハ、テスト2日目を終了

 ヤマハ・ファクトリー・レーシングのV・ロッシとJ・ロレンソは第2回公式テストの2日目を終了。ふたりは引き続き、ブリヂストン製タイヤを使用して最適なマシン・セッティングを得るための作業を集中的に行った。
 そのなかでもロッシは昨日までのタイムを約コンマ7秒も短縮して4位までジャンプアップ。一方、ニュータイヤのパーフェクト・セットアップを追求し続けたロレンソは、ラップタイムでは大きく前進することができず9位で終えた。トップのD・ペドロサからは1秒ほど離された。

 モンスター・ヤマハ・テック 3のP・エスパロガロとB・スミスも、前日に引き続きテストプログラムを予定通りに進めていった。2日目になるとコース上の埃や塵が少なくなって路面のトラクションも向上してきたことから、ふたりの走りはよりスムースに。YZR-M1のセッティングにも自信を持てるようになってきたようだ。
 エスパロガロは2日目の今日も、ニューマシンの経験と知識を増やすために多くの時間を割いて全47ラップを走行。2分01秒027のベストラップで8位となった。一方のスミスも順調にテストプログラムをこなしながら、新たに与えられた新型シームレス・ギアボックスを少しでも自分のものとするために懸命に作業に取り組んだ。またフル・タンク時のマシンの挙動を確かめながらフロントエンドとリアエンドのセッティングに変更を加えていった。成果に手応えを感じたスミスは全60ラップを走破。2分01秒098を記録して10位。

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セパンテスト2日目(2月27日)結果
(気温:34度 路面温度:55度)
順位 ライダー名 チーム名 マシン タイム
1 D・ペドロサ Repsol Honda Team Honda 2'00.039
2 A・エスパルガロ NGM Mobile Forward Racing Yamaha 2'00.320
3 A・バウティスタ Go&Fun Honda Gresini Honda 2'00.500
4 V・ロッシ Yamaha Factory Racing Yamaha 2'00.605
5 A・ドビツィオーゾ Ducati Team Ducati 2'00.787
6 S・ブラドル LCR Honda MotoGP Honda 2'00.902
8 P・エスパルガロ Monster Yamaha Tech 3 Yamaha 2'01.027
9 J・ロレンソ Yamaha Factory Racing Yamaha 2'01.049
10 B・スミス Monster Yamaha Tech 3 Yamaha 2'01.098
13 C・エドワーズ NGM Mobile Forward Racing Yamaha 2'01.996
20 中須賀克行 Yamaha Factory Test Team Yamaha 2'02.802

セパン レコードラップ: M・マルケス 2分01秒415(2013年)
セパン ベストラップ: M・マルケス 2分00秒011(2013年)

2月28日(3日目)
ロッシがテスト最終日にトップタイム!

 ヤマハ・ファクトリー・レーシングのV・ロッシが、第2回セパンテストの最終日に1分59秒999のファステスト・タイムを記録。2分の壁を破ったのはロッシを含めてふたりだけだった。一方、ブリヂストンのニュータイヤとのマッチングに悩んできたJ・ロレンソは、問題点解決のための変更点を模索。タイヤのグリップ・レベルは依然として完璧ではないものの、前日の状態から一歩前進して総合7位。 トップのロッシから0.6秒差につけた。 
 チームはこのあとオーストラリアへ移動し、フィリップ・アイランドで開幕前の最終テストを行う予定。

 モンスター・ヤマハ・テック 3のB・スミスとP・エスパロガロは順調に3日間のテストをこなし、3月末に迫ったシーズン開幕戦に向けて十分な手応えをつかんだ。
 ふたりはそれぞれのライディングスタイルに最も合ったマシン・セッティングを見つけるため、YZR-M1の様々な要素を試してきた。ヤマハで2年目のシーズンを迎えるスミスは、フロントとリアのフィーリングをより精確なものにすることに多くの時間を費やしながら、新型シームレス・ギアボックスやブリヂストンのニュータイヤと向き合い、自ら納得のいくパフォーマンスで3日間のテストを終了することができた。最終日の今日は決勝距離を想定したロング・ランも成功させ、ここまでの方向性が正しかったことを確認。トータルで185ラップを走破して2分00秒804のベストタイム。総合9位を獲得した。
 一方のエスパロガロは、ニューマシンへの理解を深め一日も早くマスターすることを目標にテストに臨んでいた。2013年度Moto2チャンピオンのエスパロガロは、この3日間で合計158ラップを走行。 チームとの協力関係を育みながらひたすら走り続けた結果、その学習効果は見事なカーブを描いて急上昇。2日目には小さな転倒があったものの、それ以外はすべてが好調のうちに進められた。3日間のベストタイムは2歩00秒999。総合順位は10位となった。

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セパンテスト3日目(2月28日)結果
(気温:33度 路面温度:51度)
順位 ライダー名 チーム名 マシン タイム
1 V・ロッシ Yamaha Factory Racing Yamaha 1'59.999
2 D・ペドロサ Repsol Honda Team Honda 1'59.999
3 A・ドビツィオーゾ Ducati Team Ducati 2'00.067
4 A・エスパルガロ NGM Mobile Forward Racing Yamaha 2'00.101
5 S・ブラドル LCR Honda MotoGP Honda 2'00.164
6 A・バウティスタ Go&Fun Honda Gresini Honda 2'00.506
7 J・ロレンソ Yamaha Factory Racing Yamaha 2'00.619
9 B・スミス Monster Yamaha Tech 3 Yamaha 2'00.804
10 P・エスパルガロ Monster Yamaha Tech 3  Yamaha 2'01.032
14 C・エドワーズ NGM Mobile Forward Racing Yamaha 2'01.748
20 中須賀克行 Yamaha Factory Test Team Yamaha 2'03.115

セパン レコードラップ: M・マルケス 2分01秒415(2013年)
セパン ベストラップ: M・マルケス 2分00秒011(2013年)

V・ロッシ選手談(3日目:1位/1分59秒999)

「とにかくうれしいよ! 総合トップに立ち、ラップタイムもとても良かったからね! 1分59秒台は僕とあとひとりだけだったし、ニュータイヤの初テストでは今日より1秒以上も遅かったことを思えばなおさらだ。常に上位につけ、常にトップを狙える位置にいたことに大きな意義があったと思う。この暑さのなかで長距離を走るわけだから、タイヤへの負担が大きく課題はまだ多い。これからもさらに上を目指していかなければならないけれど、そのなかでも第1回テストより大きく前進できたことはとても良かったと思っているよ。次のフィリップ・アイランドでまた、今回のように前進できるどうかが非常に重要。去年の第2回テストよりも1秒速くなっていて、ここまではとても良い状態だからね」

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J・ロレンソ選手談(3日目:7位/2分00秒619)

「状況改善のための解決策が見つかり、ようやくニュータイヤの感触がつかめるようになってきた感じ。このニュータイヤはサイドウォールがとても硬くてね…。セパンは、フィリップ・アイランドやムジェロと違って舗装路面が滑りやすいから、僕らはなかなかペースを上げていくことができない。このタイヤはヤマハにとっては難しく、ホンダにとってより有利なものになっていると思う。マシン自体を比べるならライバルたちと肩を並べることができるけれど、タイヤを履くとどうしてもうまくいかなくなってしまう…。今日のシミュレーション走行でも、ラップを重ねるごとに状況は悪化。タイヤのエッジがしっかりグリップせず、しかもマシンを起こすとスピンしてしまうんだ。フィーリングをもう少し向上させることは可能だけれど、ひとたびグリップが落ち始めると問題がどんどん大きくなってしまう」

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B・スミス選手談(3日目:9位/2分00秒804)

「今日はたくさんの解決策にトライした。とくにリアまわりのフィーリング向上とニュータイヤが少しでもうまく走ってくれるようにすることが目標だった。そのなかでセッティングがいくらか改善され、マシンが前よりスムースになってきたので、ようやくヤマハ本来の走りができるようになったように思う。リアタイヤのパフォーマンスにおいては確かに前進が見られ、おかげで前回テストや昨年のレースよりも安定性が増している。レース・シミュレーションでは、非常に暑い時間帯でコンディションは最高というわけではなかったなかで納得のいく走りができた。そしてテストの終盤、70ラップを超えたあとにベストラップを出すことができたのは良かったと思う。そういう意味で、良いところもたくさんあったので満足してこの地を離れることができる。コースは前回テストの時よりペースが上がらない状態だったけれど、ラップタイムでは近いところまで迫ることができた。トータルで考えれば困難の多い3日間だったけれど、最終結果には満足しているよ」

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P・エスパロガロ選手談(3日目:10位/2分01秒032)

「今日は厳しい展開になった。おそらく今までで一番…。気分があまり良くなかったのは、ひとつは昨日の転倒、そしてもうひとつは、この蒸し暑さのなかで数日にわたり多くの周回を走り続ける過酷さ…。でも、そのなかでトップと1秒差につけたことをうれしく思うし、大きな励みにもなっているよ。僕はマシンのことをもっともっと知らなければならないから、今日もたくさんのセッティング変更を試した。そして今は、他のコース、カタールでのテストが楽しみで仕方がないんだ。他のコースを走ることで、さらに理解が深まると思うし、ここで得たデータと比較分析することもできるからね。でも、このようなコメントも、Moto2から届いた事故のニュースを聞けば何の意味もないものになってしまう…。フランスの病院に入院した選手の一日も早い回復を祈るばかり」

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