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2002年GPロードレース用
4ストロークマシン ヤマハ「YZR-M1」について
2001年9月7日

 ヤマハでは、2002年MotoGP・GP-1レース用4ストロークマシンを来季投入に向けて開発、昨年末より実走テストを1,000km以上実施して参りましたが、このほどマシン・スペック概要が決まりました。

 名称は「YZR-M1」。軽量・コンパクト・高性能を追求した4ストローク並列4気筒5バルブ排気量990cc(未満)エンジンを、ハンドリングに優れた現行YZR500ベースのニューデルタボックスフレームに搭載したマシンです。なお呼称にある“M”は、GPでチャンピオンを獲得する使命(Mission)を表現します。また技術開発を市販モデルにフィードバックする使命(Mission)も合わせて表現しています。

 また、このマシンは来たる9月18日よりイタリアで開催される“ミラノ二輪車ショー”のヤマハブースで展示する予定です。

ヤマハ「YZR-M1」

 この「YZR-M1」は、全面新設計の水冷DOHC並列4気筒・5バルブエンジンを搭載しています。エンジン重量は、現行スーパーバイクレース用の「YZF-R7」(749cc)のエンジンより約10%軽量です。

 フレームは、2ストロークGPマシン「YZR500」のものをベースに、4ストロークエンジンの特性に合わせて進化させた新型デルタボックスフレームです。また、さらに強く引き締まった形状のリヤアームは、エンジンの強力なパワー伝達とハンドリングの最適バランスを実現したものとなっています。可変ヘッドパイプ、可変ピボット軸などのシステムも織込み、各コースの特徴に合わせた素早いセッティングが可能です。
 なお、実戦テストでは、加速性能やトップスピードで2001年型YZR500を越える性能を確認しています。




開発技術スタッフの談話


塩原正一(YZR-M1プロジェクトリーダー)談

「パワーは現行のGP500マシンとほぼ同等で、ピークの15,000回転では若干上回っています。それでいてパワーバンドが広く、トルクは高くフラットなカーブを示しています。

 馬力だけを考えれば220馬力でも簡単に出せますが、それではライダーのテクニックも、タイヤも有効に使いきることもできません。レース距離を考えると、燃費の配慮も必要です。500ccレースの経験から、我々は、ピークパワーアップがそのままラップタイムの短縮に繋がる訳ではないことを認識しています。より扱いやすいパワー特性の実現に焦点を当てて開発を進めました。ニューマチック(エア駆動)バルブなどにも注目してみましたが、GPマシンは四輪F1マシンとは違います。モーターサイクルのレースでは、超ハイパワーなマシンが勝つのではなく、扱いやすいパワーをライダーが使いこなしてこそ勝つことが出来るのだと考え設計開発しています」

中嶋雅彦(GP500プロジェクトリーダー)談

「新しい4ストローク・マシンでは、タイヤの耐久性とのバランスが最も重要な課題となると考えています。レースを走りきりチェッカーを受けるまで、常にタイヤをいたわってくれるようなエンジン特性を目指し、またタイヤそのものの開発にも力を入れてきました。その意味でYZR-M1の開発は本当の意味でビッグチャレンジです。というのも、スピード、重量、トルクの増加は、タイヤへの負担の増大を意味するからです」


テストライダーの談話


M.ビアッジ選手談「この4ストマシンは、パワーでは500ccとほぼ同等だが特性は異なっています。マシン重量は500ccに比べて、いくらか重いという位で、その差はほとんどありません。それよりも一番気になるのは基本的なシャシー・セッティング。プロトタイプの段階なので、エンジン搭載位置、重量配分など、まだ決まっていない部分もありますが、今後さらに改良が重ねられ、シーズンが終わって、このマシンに集中して開発できるようになる頃には、素晴らしいマシンに仕上がっていると思います」

C.チェカ選手談「自分としては、この4ストマシンの方がいいくらいに思う。扱い易く走りやすい。エンジンブレーキの影響も僅かにあるが、このマシンはエンジンとタイヤ、そして路面コンタクトの関係がとても安定していて、常にリアの駆動力をしっかり感じとることが出来る。4ストエンジンはタイヤに伝わる力がより安定しており、パワーの伝達は500ccのシャープさとは違って柔らかい印象がありますね」

J.コシンスキー選手談「とても乗りやすいマシンです。相当高いレベルにまで仕上がっています。パワーのスムーズさは文句のつけようがない。ただ、戦闘力の部分で、現行のYZR500にかなり近づいていることは確かですがまだ課題もあるでしょう。YZR500は何年にもわたって最前線で活躍してきたマシンですが、YZR-M1はまだ生まれて数カ月。だから500ccを越えるのは並大抵ではないかも。でも開発では一歩一歩、目標に近づいていると思います」 


2002 YZR-M1 主要諸元
名称 ヤマハ YZR-M1
エンジン 水冷4サイクルDOHC・5バルブ
気筒配列 並列4気筒
排気量 990 cc未満
最大出力 200 PS以上
点火方式 CDI
潤滑方式 ウェット
クラッチ型式 乾式多板
変速 6 速
最終減速 チェーン
ホイールサイズ(前) 17 インチ
ホイールサイズ(後) 17 インチ/16.5 インチ
サスペンション(前) テレスコピック
サスペンション(後) モノクロス
ブレーキ形式(前) ダブルディスク
ブレーキ形式(後) シングルディスク
フレーム型式 デルタボックス
燃料タンク容量 24 リットル
重量 145 kg 以上(FIM 競技規則に準じる)

ヤマハ「YZR-M1」

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