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JTR シーズンレビュー

JTRの2014年シーズンをご紹介します。

2014 YAMAHA RACING SEASON REVIEW

タイトル奪回をめざす黒山健一
苦闘の末にランキング2位を堅守

黒山「長いトンネル」、野崎6年ぶりの勝利!

MFJ記録となる通算11回の全日本チャンピオンを獲得しながら、2013年、小川友幸に王座を奪われた黒山健一(team黒山レーシング・ヤマハ)。2014シーズンに向けての目標は、もちろんタイトル奪還である。しかし、茨城県・真壁で開催された開幕戦・関東大会、黒山はトップを行く小川に4点差まで迫りながら、最後のSSでミスを犯して2位。さらに第2戦・近畿大会(奈良)3位、第3戦九州大会(山口)4位としだいに順位を落とし、さすがの黒山も「長いトンネルの中に完全に入っている感じ。思うようにいかない。それが体の故障とかマシントラブルならば対処できるが、原因が見あたらないので難しい」と、苦しい表情を隠しきれなかった。

それに対して、YSP京葉×KEN OKUYAMAの野崎史高は黒山とまったく好対照。開幕戦で3位表彰台に上ると、近畿2位、九州では今季初優勝を飾り、ランキング2位に浮上。「優勝は6年ぶりだけど、これが本来の自分でなければいけない」と、会心の笑顔を見せた。

「次の大会までに休養してリセットしたい」と語った黒山は、2ヵ月後、シーズンの折り返し点となる第4戦北海道大会(和寒)で、小川を相手に高度なテクニックの応酬を披露。優勝には届かなかったものの、復調を感じさせる2位となった。

そして9月、岡山県で開催された第5戦中国大会で、黒山は待望の今季初優勝を獲得する。この大会は、前日の豪雨によって一部セクションがキャンセルされるなど悪条件との戦いになったが、黒山は誰もが苦戦したセクションをただ一人クリーンする、神がかり的な走りを披露。ポイントランキングも3位から2位に復帰し、「これまでの不調が解消され、その原因もわかったので非常に良かった。残り2戦をしっかり勝ちたい」と、明るい表情で語った。


最終戦で魅せた黒山の本領、野崎の粘り

しかし、一度失った勝利のリズムを完全に取り戻すことは、そう容易ではない。シーズン終盤の第6戦中部大会(愛知)は12セクション×2ラップと2つのSSで争われ、優勝争いは小川友幸、黒山、野崎のトップ3に小川毅士を加えて大混戦となった。そこで勝負を分けたのは、しぶとく勝ち切る強さ。最後のSSを乗り切った小川(毅)と小川(友)が1位、2位を分け合い、減点5の野崎が3位、減点6を喫した黒山は4位に終わった。

この時点で黒山のビハインドは16ポイント。逆転チャンピオンを狙うには厳しい状況だが、あきらめる理由にはならない。「今日は負けたが、内容は良かったと思う。最終戦は、来年のためにも、しっかり勝ちにいきたい」と、黒山はあくまで戦う姿勢を崩さなかった。

最終戦東北大会は、10月26日、秋晴れの宮城県・スポーツランドSUGOが舞台。ここまでランキングトップの小川(友)は、完走すれば連覇が決まる。一方、1勝ずつを挙げているヤマハの黒山と野崎は同ポイントで並び、順位で上回った方がランキング2位となる。ただし、その下には前回優勝の小川(毅)が6ポイント差で迫っており、成績によってはランキング4位に落ちる可能性もある。この日の路面状態は良好。しかも各セクションの設定が比較的やさしいため、わずかなミスも許されない接戦が予想された。

そのなかで、大きな減点を重ねた小川(毅)が最初に脱落。勝負どころを最小減点で切り抜けた黒山が1ラップ目のトップに立ち、小川(友)、野崎と続いた。ところが2ラップ目、野崎が全セクションをクリーンする完璧な走りで猛追。黒山も1ラップ目と同じ最小減点で切り抜けたが、トータル1点差に詰め寄られた。しかし、最後のSSで2つの難関をともにクリーンした黒山が野崎を抑え、今季2勝目とランキング2位を手にした。

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