本文へ進みます

ヤマハ発動機株式会社 Revs Your Heart

サイト内検索

JMX シーズンレビュー

JMXの2014年シーズンをご紹介します。

2014 YAMAHA RACING SEASON REVIEW

負傷を乗り越えエース平田が覚醒!
3勝を挙げてランキング5位

確かな成長を物語る後半の表彰台ラッシュ

2014シーズンに向けて、YAMAHA YSP Racing Teamは2クラス3人体制を構築。国内最高峰のIA1クラスに、エースとしてチームを牽引する平田優と経験豊かなベテラン田中教世、IA2クラスには2013シーズン3勝を挙げた渡辺祐介を配した。マシンはすべてファクトリー仕様のYZ450FM、YZ250FMである。

ヤマハ加入2年目の平田は、世界選手権で活躍したジョシュ・コピンズ氏(ニュージーランド)のチームに帯同して腕を磨き、開幕戦九州大会に臨んだ。その成果はさっそく表れ、第1ヒートを2013チャンピオンの成田に次ぐ2位でフィニッシュ。第2ヒートも序盤から躊躇なく攻め立てたが、「気持ちが高ぶり、自分をコントロールできなかった」ため転倒。その負傷により、第3戦まで2大会を欠場する結果となってしまった。

全9戦のタイトル争いを考えると、あまりにも大きな代償だったが、平田はモチベーションをしっかりキープ。復帰した第4戦SUGO大会こそヘビーマディーのコンディションで表彰台を逃したが、同じく雨の第5戦東北大会は3位/2位につけ、着々と本来の調子を取り戻していく。ポイント差は考えず、ひとつひとつのレースで納得のいく走りをすること。目の前のライバルに勝つこと。そういう開き直りにも近いシンプルな姿勢が、平田を前向きにさせていたのかもしれない。

第6戦のSUGO大会でも、成田と熾烈なバトルを演じて2位/2位を獲得。「前回表彰台に戻り、今回、ようやく勝負できる状態まで戻ってきた」と語った平田は、第7戦近畿大会・第2ヒートでついに今季初優勝! 第1ヒートの2位と合わせて総合優勝も獲得した。しかし、さらに圧巻だったのは第8戦中国大会。ここで成田の3年連続チャンピオンが決まったが、平田はまったくお構いなし。第1ヒートを成田とのマッチレースで制し、続く第2ヒートも並みいる上位ランカーたちを8番手からごぼう抜き。圧倒的な強さで自身初となるIA1パーフェクトウィンを達成した。

最終戦のMFJ GP(SUGO)は、アメリカのAMAモトクロス250でランキング3位を獲得したYamalube Star Yamaha Raingのクーパー・ウェブに両ヒート優勝をさらわれたが、平田はこれに続く総合2位を獲得。ランキング5位でシーズンを終えた。チャンピオンの夢は持ち越しとなったが、ヒート優勝3回を記録した後半戦の快進撃は、マシン、チーム、そして平田自身の成長を裏付ける結果といえよう。


田中、渡辺も不運に負けず存在感をアピール

36歳となり、「チャンピオンを獲得するための時間は残り少ない」と話す田中は、IA1開幕戦で両ヒート3位表彰台に上る好調なスタートを切った。さらに第2戦関東大会も、公式練習、予選と調子を維持。優勝候補のひとりと目されていたが、決勝第1ヒートの1周目で転倒・リタイア。「身体の痛みより、負傷したという事実の方が痛かった」と話すとおり、そのまま第4戦まで欠場を余儀なくされてしまった。

しかも田中は、復帰するはずだった第5戦東北大会の練習走行で再び負傷。ようやく実戦に戻ってきたのは第8戦中国大会のことだった。長くレースを離れ、完調とはほど遠い状況だったが、「トップで戦える姿をもう一度見せたい」と出場を決断。公式練習、予選の厳しい結果に不安を覗かせる場面もあったが、決勝第1ヒートは序盤から順位を上げて4番手へ浮上。さらにラストラップで3番手を走る熱田孝高へ猛チャージをかけるなど、果敢な走りを展開。第2ヒートは体力の消耗もあって7位となり表彰台には届かなかったものの、総合6位を獲得した。そして最終戦も、ケガと戦いながら11位/13位。ランキング16位でシーズンを終えた。

一方IA2クラスの渡辺は、トップチームに在籍するプレッシャーとケガに苦しめられたシーズンだった。開幕戦九州大会の第1ヒートで6位に入り、総合10位。まずまずのスタートを切ったが、第2戦関東の第1ヒートで転倒、リタイアとなり、続く第2ヒートを欠場。第3戦中国大会は総合9位でフィニッシュしたものの、マディーレースとなった第4・5戦はアクシデントが重なり、総合21位・23位と苦戦。今季2度目となったSUGOの第6戦も予選で転倒し、ケガを負ったまま決勝を迎えることとなった。

しかし「これで力みが消えた」渡辺は、着実な走りで両ヒート6位を獲得。悪い流れを断ち切ったと巻き返しに意欲を見せたが、その後ケガの程度が想像以上に重いことが判明。残り3戦をキャンセルせざるを得ず、ランキング15位となった。

また、IA2クラスにYZ250Fで参戦した名阪レーシングの安原志は、第4戦SUGO・第1ヒートで国際A級初優勝。続く第5戦東北の第2ヒートでも3位表彰台を獲得し、ヤマハ最上位のランキング5位となった。

ページ
先頭へ