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JTR IA Superシーズンレビュー

JTR IAスーパーの2013年シーズンをご紹介します。

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最終戦・最終セクションまで続いたタイトル争い
黒山健一は惜しくもランキング2位で終了

2012年、史上2人目となる全勝優勝を果たした黒山健一は、自らが持つMFJ(日本モーターサイクルスポーツ協会)最多記録を更新する12回目のチャンピオンをめざし、2013シーズンに臨んだ。しかし強力なライバルの復活によって、その道はいっそう険しく、1戦1戦を勝ち抜くことが困難な大接戦の連続となった。そして、わずか3ポイントのリードを保ったまま迎えた最終戦。優勝争いがタイトルの行方に直結するマッチレースは、再び抜きつ抜かれつの展開にもつれ込んだ……。

最終戦を終え、レースを支えてくれた人たちと健闘を労う

王者・黒山に迫る強力なライバルの影
接戦に継ぐ接戦のすえにリードを奪うが…

 2013全日本トライアル選手権は、予定された第1戦・関東大会が中止となり、4月14日の第2戦・近畿大会で闘いの幕が切って落とされた。ディフェンディングチャンピオン黒山健一(チーム・黒山レーシング・ヤマハ)の出だしは絶好調。8セクション×3ラップと2つのスペシャルステージ(SS)によって構成された名阪スポーツランド(奈良県)のコースを、1ラップ目から軽快に走破。終わってみれば、2位の小川友幸(ホンダ)に2倍以上の点差をつける圧倒的な強さで、SSを待たずに勝利を決定づけた。
 また、黒山と同じヤマハTYS250Fで戦う野崎史高(YSP京葉レーシング)は、1ラップ目7位と出遅れながら、その後追い上げて田中善弘を逆転。開幕から3位表彰台を獲得した。
 ところが5月12日の第3戦・九州大会(熊本県・タナカ森林農場)では、新型エンジンのワークスマシンを得た小川が奮起。1ラップ目(8セクション)でトップに立った黒山を2ラップ目で逆転し、3ラップ目もトップの座をキープする。一昨年から9大会連続優勝を続けてきた黒山は、逆転優勝の望みをかけて2セクションのSSに挑むが届かず、2位でフィニッシュ。3位には野崎が入った。この結果、黒山と小川が同ポイントで並び、もっとも新しい大会=この大会で成績上位の小川がランキング1位に立った。
 第4戦・北海道大会(7月14日/わっさむサーキット)では、黒山と小川のマッチレースがさらにヒートアップ。持ち時間3時間30分ずつ10セクション×2ラップを走り終えた段階で、2人は減点数23の同点。クリーン数で小川が1つ上回るという僅差だった。ひとつもミスが許されない状況でSSに挑んだ黒山は、先行して2つクリーンを決めて見せたが、小川も譲らず同点。結局、クリーン数1差で逆転を逃した黒山は、タイトル争いでも3ポイントのリードを許す結果となった。
 しかし後半戦に入ると、いよいよ黒山が反撃開始。まず9月22日の第5戦・中国大会(フィールド幸楽)を制し、トータル2勝2敗、74ポイントでランキングトップに返り咲くと、第6戦・中部大会(10月13日/キョウセイドライバーランド)は減点5の差をつけて連勝。チャンピオン争いでも3ポイントのリードを奪い、最終戦を迎えることとなった。開幕戦から5戦連続の3位を獲得した野崎も、トップと19ポイント差のランキング3位を堅持しているが、実質的にタイトルの行方は黒山と小川の2人に絞られたといってよい。
 しかし、黒山の厳しい状況に変わりはなかった。後半2連勝といっても、第5戦は黒山と小川、野崎による三つ巴のクリーン合戦。終盤、最初に減点を取られた野崎が脱落したものの、黒山と小川はクリーンをキープ。そのまま終わればタイム差で小川が優位に立っていたが、最終セクションで小川はついに減点5を喫する。この機を逃さず、足着き1回の減点1で切り抜けた黒山が、薄氷を踏むような勝利をつかんだのだ。続く第6戦も、決着は最終セクションまでもつれ込み、なんとか黒山が小川の追撃を振り切ったという戦いだった。最終戦で勝てる確率、可能性はまさに五分五分である。
 ここまで、黒山は小川に対し3勝2敗・3ポイント差をつけており、優勝でなくとも小川より上位でフィニッシュすれば、もちろんチャンピオンは黒山のもの。しかし小川に優勝を奪われた場合、黒山が2位でも勝利数とランキングポイントで並ばれるため、最終戦の成績上位、小川がチャンピオンとなる。つまり、最終戦を制するものがシリーズを制するのだ。事実上、黒山のアドバンテージはないに等しかった。

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最終戦を制したものがシーズンを制す!
黒山VS小川の緊迫した熱戦に終止符

 10月27日、注目の最終戦・東北大会は宮城県スポーツランドSUGOが舞台。2つの台風襲来による中止は免れたが、めまぐるしく変化する不安定な天候の下、12セクション×2ラップ+SS2セクションで行われた。その1ラップ目、黒山と野崎は第1セクションからクリーンでスタートを切ったが、小川はここで減点3となり、早くも3点のリードを奪う。ところが、次の第2セクションで黒山は大岩の上りに失敗し、なんと減点5を喫してしまう。そこを野崎と小川は減点1で通過。この時点で合計減点1の野崎がトップに立ち、減点4の小川、減点5の黒山が続く波乱の展開となった。
 その後大きな勝負どころになったのは、第8セクションの崖上り。野崎と小川が減点5の失敗を犯したのに対し、減点1に止めた黒山が野崎、小川を逆転。そのまま1ラップ目を制した黒山は、2番手の小川に3点差、3番手の野崎には7点差をつけることに成功した。
 そして2ラップ目、リードをキープして迎えた運命の第8セクション。まさかの失敗を犯した黒山は、リードを失ったばかりか、ついに小川の逆転を許してしまったのだ。SSの2セクションを残し、小川との差は2点。黒山は最初のSSを減点1でしのぎ、最終セクションはクリーンで通過したものの、小川は両セクションをクリーン。この時点で、黒山の手から12回目のタイトルがこぼれ落ち、新チャンピオン小川の手に移った。
「2014年は3年ぶりにゼッケン2番を付け、チャレンジャーとして再び1番を奪いにいきたい」と黒山は意気込みを新たにし、最終戦3位、ランキング3位で終えた野崎は「来シーズンこそ2位以上を実現できるよう、がんばります」と話した。両選手によるリベンジを楽しみに待ちたい。

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