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B・スピースインタビュー

B・スピース選手が自身の2010年シーズンを振り返ります。

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MotoGP

B・スピースインタビュー|未来を開いた重要な1年


ランキング6位、ルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得。MotoGPの頂点に向け最高のスタート切ったスピース

僕を支えてくれたファミリー

 一年がたつのは早いものだね。正直に気ままなことを言わせてもらえれば、今は自分自身を褒めてあげる一方で、モンスター・ヤマハ・テック3のクルーたちの背中にねぎらいの抱擁をしたい気分だ。年間ランキング6位は僕たちが成し遂げた素晴らしい業績なのだから。
 最終戦のバレンシアはいいレースになった。序盤の混乱が落ちつくと、ホンダ勢の3台があっという間に目の前に迫ってきた。しばらくは1秒差で追いかけていたけれども、行けると思ったタイミングでオーバーテイクして引き離しにかかった。コーナー立ち上がりの加速では彼等のほうが優れていたので、パスするならストレートではなく、むしろコーナーが連続する区間だな、と思っていたんだ。アンドレアとマルコをパスした後の数周はひたすら体を小さくして彼等を引き離すことに集中した。エストリルでクラッシュした直後のレースを4位で終えるなんて、忘れられないシーズンの締めくくりとしてはまさに完璧だ。
 素晴らしい仕事をしてくれたモンスター・ヤマハ・テック3の皆には本当に感謝している。とりわけ、チームマネージャーのエルベ・ポンシャラルとチームメイトのコーリン・エドワーズ。彼等は本当に大きな力になってくれた。コーリンと僕はレースに対するアプローチがとても似ているんだ。5時から後は楽しむための時間。いつもジョークを絶やさないけど、ひとたびレースモードになれば、お互いを打ち負かすことを厭わない。だって、レースでは可能な限り最大の結果を求めているんだからね。

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良き友、そして良きライバル

 僕たちは自分の仕事に真剣に取り組んでいるけれども、レースより重要なことも確かにある、ということも事実なんだ。来年はヤマハファクトリーに所属することになるとはいえ、僕はきっとコーリンのモーターホームに遊びに行くだろうし、彼もきっと僕のところにふらりとやって来るだろう。今年と何も変わらない。彼と一緒に世界を回ってつるんでいるのは、とても楽しい。確かに僕はパドックの中では賑やかなほうではないかもしれないけれども、一日が終わるとレース用の時計のスイッチを切ってしまう、そんな力の抜き方くらいは知っているつもりなんだ。
 僕が初体験するサーキット、あるいは走った経験のあるサーキットでも、コーリンが僕の傍らにいてくれたことの意義はとても大きなものだった。日曜の決勝でチェッカーを受けた選手に対しては、そのリザルトにどうしても目がいきがちだけれども、そのリザルトだってチームの努力があってこそだ。正直なことを言えば、プラクティスで僕のほうがコーリンより速いことは何度もあったけれども、そんなときにコーリンは僕にアドバイスを聞きに来た。僕たちの間には秘密なんてない。僕がいいタイヤを見つけたときは、彼にもそのことを教えていた。こういうあり方は、サテライトチームにはとても重要だ。一日の走行が終わったときに2台ともが、前を走る選手たちのマシンに少しでも近付ける状態にしておくことが大切なんだ。
 シーズン全体を振り返って、ベストレースを選ぶのは難しいけど、最高の時期ならシルバーストーンからインディアナポリスの間になると思う。プラクティスで転倒して足首を痛めているような状態で、正直、あんなに早く表彰台を獲得できるとは思ってもいなかった。ニッキーといいバトルをしていて、最終ラップにパスするのはとても難しかったけど、バックストレートが良く伸びた。次のストウコーナー進入で差してやろうと思ったけど、ニッキーも食い下がってきた。次のストレートでうまくかわすことができて、その周回の残りはラインを閉めて守りながら走った。ギリギリの状態だったけれども、表彰台にどうしても上がりたかったし、なんとかやり遂げることができた。その日の自分は、世界の頂点から三番目に速いライダーだった、と思うと、とても気分がいい。
 その後、インディアナポリスでは、歴史的なサーキットという舞台、そしてアメリカの観客の面前でポールポジションを獲得できた。格別な気分だったよ。このレースウイークでは、2011年からヤマハファクトリーに加わることも公表したので、このリザルトはエルベとチームスタッフに対する御礼にもなったと思う。伝統の「ブリックヤード」で表彰台に上がれるなんて、アメリカ人として一生忘れられない思い出になったよ。

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最高の場所で、最高の自分に

 2010年シーズンを振り返ると、順風満帆だったとは言えないものの、MotoGP初年度はコースや新しい環境に慣れ親しみ、ハッピーな一年だった。ランキングで僕よりも上位にいる選手たちや、あるいは自分よりも下の順位にいる選手たちを考えると、満足すべき結果だと思う。もちろん、いろんな面で改善の余地はある。僕には長所もあれば弱点もある。今は、そのバランスをとるべく努力をしているところだ。来年はヤマハファクトリーチームに所属する。これは、ライダーとして望める最高の場所だ。今はまだ喜んでいることも許されるかもしれないけど、ここから先はハードワークが待っていることも十分に自覚している。
 バレンシアの事後テストでは、新しいチームに合流することができて、とても幸せな気分だった。2011年のプロトタイプマシンを含めて、何もかもが新鮮だった。今年とは微妙に変わるところが多々あるので、テストではそれに慣れていくことに集中した。今回、初めて一緒に仕事をした日本人のエンジニアたちも、ものすごく優秀な人たちだった。手順を習得している最中の新しいメカニックたちも数人いて、いろんな意味で初めて尽くしのテスト初日になった。
 2日目はバイクに少し手を入れてみた。セッティングを変えると、いい方向に進んだ。来年仕様のエンジンについて、ホルヘのコメントを読むと、彼は方向性に満足しているようなので、マレーシアでそのエンジンを試すのが楽しみだ。全体的には満足で、バイクのポテンシャルを感じることができたし、さらに新しいパーツもやって来るだろうから、今は2月のその日を楽しみに、2ヵ月ほどの休暇を楽しもうと思う。
 たしか今シーズンの初頭には、トップファイブでシーズンを終えることができれば自分にとってはチャンピオン獲得にも等しい、と言っていたと思うけど、シーズンが終わってみれば、まあまあのリザルトだったかなと感じている。想像していたよりはいい一年だった。チームと僕を支え続けてくれた方々には、改めて感謝の意を表したい。今シーズンはたくさんのことを学ぶことが出来た。2011年は、もっと力強い一年にできると信じている。 ヤマハの全関係者と世界中のファンには、心から感謝をしている。来年、これまで以上に皆さんとさらに親しくおつきあいできる日を楽しみにしているよ。

ベン#11


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