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取引先

サプライチェーンにおける、調達先や取引先とのパートナーシップについてご紹介します。

協働と公正の精神に基づくグローバル調達・販売ネットワーク

ヤマハ発動機の製品は、国内外のさまざまなサプライヤーとの協働によって成り立っています。ビジネスのグローバル化によって拡大していく調達・販売体制の中でヤマハ発動機グループは、「相互信頼・相互繁栄」の精神に基づいて国内外さまざまな取引先・販売店との協働関係を確立しています。そのため日ごろから、各国・地域の競争法を遵守した公正な取引の維持に努め、共に持続可能な成長を目指すパートナーとしての関係構築に取り組んでいます。

調達活動を支える2つの方針

私たちは、世界の人々に新たな感動と豊かな生活を提供する「感動創造企業」として陸に、海に、空にユニークで高性能・高品質な製品を世の中に送り出してきました。これを継続・発展させるためには、多種多様の高品質な部品・資材などを世界的な視野で幅広く調達していくことが不可欠だと私たちは考えています。

こうした考えの下「購買取引基本方針」の中で、「信頼と協調の元に、公正な取引を行い、品質・価格・納期およびその他の改善活動を通じて、取引先とより良い関係を築くよう常に努力」することを掲げ、「オープンドアポリシー」「公正・公平な取引」「遵法・機密保持」「地球環境重視」「相互信頼・相互繁栄」の5つの分野でそれぞれの理念を打ち出しています。この「購買取引基本方針」の土台となっているのが「積極的なコミュニケーションを通じてより良い信頼関係を築き、相互繁栄の実現に取り組みます」という「サステナビリティ調達方針」です。

「購買取引基本方針」と「サステナビリティ調達方針」は新規取引契約、調達活動、取引継続など、調達にかかわるすべての局面で意識されるべき原点として重要な役割を果たしています。

方針展開のための推進体制

「購買取引基本方針」「サステナビリティ調達方針」を遵守し、それを調達活動に反映させるため調達本部は、調達グローバル責任者コミッティを組織し、サプライヤーサステナビリティガイドラインに記載されている各項目の推進をしています。

そこでは長期ビジョンや方針について協議・合意がされ、決定事項の実行指示などが行われます。そしてそれらは、グローバルで具体的な施策に落とし込まれ、全社方針として調達の現場に徹底されていきます。また、世界中の主要取引先を対象に毎年開催される「グローバルサプライヤーズカンファレンス」や、海外拠点が実施している各国の取引先向けイベントでも方針の徹底、及び優秀事例の発表など共有を通じた横展開も図られています。

なお、当社主要製品の地域別調達金額比率は以下の通りです。

主要製品の地域別調達金額比率(2022年現在)
グラフ

協創活動を通じた、相互企業価値の向上と競争力の強化

「協創(きょうそう)」とは「ヤマハとお取引先の皆様で一緒になって、協力しながら、新しい価値を、創り出していこう」という思いと当社の姿勢を表現した言葉です。

私たちは、サプライチェーンとの関係において、「モノを買う調達」だけではなく、お取引先の皆様と私たちが新たな価値や競争力を一緒になって創り込む「モノ創り調達」という考えを重視しています。

この活動例として、「理論値生産」の取引先への展開があります。これは、生産活動における絶対価値をサプライヤーと共に分析設定し、価値向上に向けて取り組んでいくものです。ヤマハ発動機はこの活動を推進するため、社員を「理論値インストラクター」として教育し取引先に派遣しています。現在は、「理論値」の考え方を生産工程のみならず省エネなど、調達にかかわるすべての活動にまで広げて活動を行っています。そしてこれらを根付かせるため、取引先社員が務める指導員の育成にも取り組んでいます。

品質においても、品質管理の考え方や手法の指導のため、当社社員が出向いて指導するとともに「理論値生産」同様、指導員育成を行っています。

また、これら理論値生産活動の進化として、スマートファクトリー技術の応用やデジタル戦略に必要な人材育成など、取引先との協創活動を進めています。また、原価低減アイデアや価値向上に関する提案、お取引先での困りごとや要望などを開発早期段階に織り込む取り組みを始めています。こうした取引先の皆様との協創はサプライチェーン全体の質を高める上でも重要で、今までにも増して大切にしていかなくてはならないと考えています。

理論値生産:生産におけるさまざまな作業を分析して本当に価値を生む作業だけを「価値作業」とし、現状をそこに到達させるための努力を永遠に続けていく生産効率化手法の一つ。一般的な手法が現状から見たムダの排除を積み上げていくのに対して、最初に理論上の価値作業を分析設定し、その実現に向けて改善に取り組むものです。現在は、この理論値の考え方を生産のみならず、物流や環境エネルギー対応にも展開しています。

サステナビリティの推進

ヤマハ発動機グループの「サステナビリティ基本方針」では、取引先にも方針の趣旨を支持しそれに基づいて行動することを要請しています。また、社会の要請や期待に適切に対応できるサステナビリティ活動を実現するため、「サプライヤー サステナビリティ ガイドライン」では、ESG(環境・社会・ガバナンス)の観点で「安全・品質」「人権と労働環境」「環境への配慮」「リスクマネジメントの実践」「コンプライアンスの徹底」などの方針を世界各国の取引先に示し、合意確認書を取得してサプライチェーン全体でサステナビリティへの取り組みを推進しています。全世界購入金額ベースの9割以上のエリアをカバーしました。

取引先選定や契約締結においては、ESGについての基準を設定し、選定における判断に用いています。さらに、ESG要件を満たすことができない取引先には是正措置を行い、場合によっては新規発注対象から外すことも視野に入れています。そして、私たちにとって取引先はサプライチェーン全体を支える大切なパートナーという考えの下、お客さまおよび社会に安全な製品を提供するという観点から金額のみならず、質や調達プロセスなどを重視し、取引先の選定を行っています。

取引先の評価は品質、納期、コスト、技術力などのほか、ガバナンス、安全、人権などのESG要素も組み込んだ総合評価シートを用いて、毎年それぞれの担当バイヤーによって評価されます。一定の水準に満たなかった取引先には是正要請を行い、当社からの情報提供やプログラム実施等の支援の下で計画立案と改善を進めていきます。

安定調達網の構築に関しては、サプライチェーンリスク管理システムを用いて原材料から調達部品が完成するまでのサプライチェーンを明らかにし、リスク要因の分析と対策に努めています。また、被害からの早期復旧に向けた支援体制の構築など、初動対応と併せて仕組み構築を展開しています。グローバルでの調達リスクについても、有事に備えた安定調達体制の拡充を進めています。

「サプライヤー サステナビリティ ガイドライン」記載事項に関しては、取引先自身で評価するしくみを作り、有効性を確認していきます。そこで特定された課題は、各地域の当社子会社がサプライチェーン全体の改善策としてリスク対策活動計画表としてまとめ、本社と情報共有しながら進捗管理していきます。

環境対応活動については、「グリーン調達ガイドライン」によって環境負荷物質の管理と削減、資源エネルギー効率活用などを取引先と共に進めています。そして2018年からは、ヤマハ技術規程の中に自動車業界が統一で定めた化学物質の情報を織り込み、取引先への周知と適合の徹底を図っています。図面および仕様書で要求するヤマハ技術規程への適合に対するエビデンスを取得し、各国法規制に対応できる管理体制の強化を行っています。

気候変動への対応として、当社は「2050年カーボンニュートラル」を宣言しました。まずは日本国内のお取引先を対象に各社におけるCO2排出量の把握「見える化」を行い、実態に即した具体的な削減活動を展開していきます。

当社は「パートナーシップ構築宣言」を公表しており、下請中小企業振興法に基づく「振興基準」の遵守を宣言し、適正取引を推進しています。本社の調達スタッフに対しては、法令遵守に関して定期的に研修を実施し、意識啓発を行っています。また、環境負荷物質規制法規やサステナビリティに関する講座など外部環境変化に応じたサステナビリティ教育も展開しています。

サプライヤー人権課題への対応

2019年に人権侵害課題の観点を含む労働環境について第三者によるアセスメントを、インドネシア3社の取引先に実施しました。2021年には、人権を専門とする第三者機関と連携し、人権リスクを特定するディスカッションを行い、本社が所在する日本で注目されている外国人技能実習生に焦点を当てることにしました。ガイドライン合意確認書を取得した全お取引先を対象にアンケートを実施し、日本国内の取引先3社とアセスメントを行いました。そして、第三者機関からのアドバイスに基づき3社の外国人技能実習生に対してインタビューを行いました。2022年は、前年に実施した3社のフォローアップを行い、新規に1社のアセスメントを追加しました。この結果、強制・過重労働や安全衛生等の問題は見られず、良好な雇用関係や人間関係を確立できていることを確認できました。第三者機関から取得した詳細なレポートをベースに該当取引先には調査のフィードバック・提案活動を行い、課題に対しては改善を図っています。

また、児童労働や強制労働など鉱物調達における人権リスクや米国金融規制改革法(ドッド・フランク法)への対応のため、購入部材に含まれる紛争鉱物(金・スズ・タンタル・タングステン)の調査を2013年から実施しています。

販売店との取り組み

世界各国で展開する販売店は、お客さまとの接点として、ヤマハからの「次の感動」を伝える重要な発信地の役割を狙います。ヤマハ発動機グループでは、定期的にディーラーミーティングなどを開催して販売店との連携を強化し、安全運転普及活動や地域貢献活動支援を通じて、共通の価値を提供する販売ネットワークを構築しています。

日本では、ヤマハスポーツバイクディーラーであるYSPを主とした販売店とグループ会社のヤマハ発動機販売(株)が協働で、二輪車の社会環境づくり、マナー促進活動、二輪車リサイクル、植樹キャンペーン環境活動、盲導犬育成募金活動などに取り組み、地域や社会との関係構築において重要な役割を担っています。

また、2020年からはサステナビリティに対する意識が高い欧州でもディーラーミーティングの場でサステナビリティの重要性を説明する場を設け、サステナビリティに対する意識と活動の啓発を図っています。

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