概況 当期における世界経済は、新型コロナウイルスの変異株による感染再拡大や経済活動の再開に伴う需要増加に対する物流・供給の混乱、労働力不足などにより景気の回復ペースが減速したものの、各国でワクチン接種が進み、特に欧米では、各国で経済活動の制限が段階的に緩和され、個人消費の持ち直しや設備投資の拡大により、景気は順調に回復に向かいました。当社事業においても、半導体をはじめとした部品不足の状況が継続していますが、各国におけるロックダウンの解除やウィズコロナといった経済政策とともに、各セグメントの需要は回復してきました。 このような経営環境の中、当社は損益分岐点経営・アジャイル経営の考え方のもと、新興国二輪車市場でのプレミアム戦略や、製造拠点の構造改革を進めるとともに、物流の課題や部品不足についてもつねにグローバルで情報共有し、各拠点の状況に応じて対応していくことで生産台数の減少影響などを最小化することができました。 セグメント別概況 ランドモビリティ事業売上高1兆1,797億円(前期比2,333億円・24.6%増加)、営業利益687億円(同503億円・272.4%増加)となりました。 先進国二輪車では、アウトドア・ファミリーレジャーの活況により、当社の販売台数もすべての地域で前期比増加し、増収・増益となりました。一方で、半導体等の部品不足とコンテナ不足による物流の遅れで市場在庫不足が継続しました。黒字化は未達となりましたが、赤字幅が大幅に縮小しました。 新興国二輪車では、フィリピン、インドネシア、タイなどでは、感染対策と経済活動の両立へ戦略転換したことにより需要が前期比増加しました。当社においては、新型コロナウイルス感染症の再拡大影響に182.384+45.0+14.1+11.1SPV+0.3RV+7.1成長戦略費用減少+1.7為替影響+11.22021営業利益変化要因(十億円)成長戦略費用および為替影響を除く81.7 この結果、当期の売上高は1兆8,125億円(前期比3,412億円・23.2%増加)、営業利益は1,823億円(同1,007億円・123.3%増加)、経常利益は1,894億円(同1,017億円・116.0%増加)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,556億円(同1,025億円・193.1%増加)となり過去最高の売上高・利益を達成しました。なお、年間の為替換算レートは米ドル110円(前期比3円の円安)、ユーロ130円(前期比8円の円安)でした。 売上高は、半導体をはじめとした部品供給不足を受けた生産減少や人員不足などの影響を受けたものの、販売台数や販売単価の増加により、増収となりました。営業利益は売上高の増加に加え、リモートワークなどのデジタル活用による固定費率の抑制、為替影響などで、物流費や原材料費高騰の影響を吸収し、大幅な増益となりました。よる工場・販売店稼働率の低下がありましたが、プレミアムモデルの販売増加によるモデルミックス改善が進み、増収・増益となりました。 RV(四輪バギー、レクリエーショナル・オフハイウェイ・ビークル(ROV)、スノーモビル)では、新型コロナウイルス感染症再拡大の中でも、旺盛なレジャー需要が継続しました。部品供給不足などによる生産遅延の影響はあるものの、「Wolverine RMAX」シリーズの好調により販売台数が増加した結果、増収・増益となり黒字化を達成しました。 電動アシスト自転車では、通園、通学、通勤における自転車の有用性が見直されていることもあり、日本向けの完成車や欧州向けe-Kitの販売好調が続き、増収・増益となりました。ランドモビリティ事業2020ロボティクスマリン事業+18.5事業新興国二輪車+37.2先進国二輪車+0.4金融サービス事業その他事業▲0.92021年12月期の経営成績の解説と分析
元のページ ../index.html#86