ヤマハ発動機 統合報告書2022
7/94

5中期経営計画(以下、中計)の最終年度となる2021年度の業績は、過去最高の売上高、営業利益を計上し、利益率も大幅に向上しました。 先進国を中心に新型コロナウイルス感染症の行動制限が段階的に緩和され、また、政府の補助金給付により人々の預貯金が増加したことなどから、家族で楽しむアウトドアファミリーレジャーの需要が増加したことが追い風となりました。また、世界的な半導体不足や物流の停滞、経済活動の再開に伴う需要増により、世界のサプライチェーンが混乱し、部品調達が困難となる中、減産の影響を最小限に抑えたことも大きかったと考えています。このたびのように世界各地で同時期に人々の価値観は、新型コロナウイルス感染症の拡大、気候変動問題などを通じて大きく変化し、世界でサステナビリティに対する感度が非常に高まっています。このような中、当社は、新たな中期経営計画(2022〜2024年)をスタートし、これまで進めてきた「新規事業への取り組み」「収益性を上げるための基盤強化」に加え、「サステナビリティ対応の強化」をテーマとしました。コア事業の稼ぐ力を強め、サステナブルな社会に問題が発生する事態が起きた際には、トップダウン的に細かな指示を出し、現場がそれを待って行動していては迅速な対応は不可能です。当社では、トップとして全体としての方針は示しながらも、調達・製造・販売の各機能がサプライチェーンの問題について情報を共有・連携し、それぞれの現場が状況に応じて自律的に対応することができたと評価しています。改めて現場の努力に敬意を表したいと思います。部品調達が困難となる中、いかに製品を生産し、市場へ供給するか。その取り組みを通じて、当社の現場力を基盤としたレジリエンスの高さを実感することができた1年となりました。貢献する新規・成長事業に投資し、デジタルと共創により成長を加速させていきます。 当社は、世界で多様な製品を取り扱い、製造から販売までを手掛ける多角化・多軸化を進めてきました。これにより、各事業が良い時や悪い時がありながら、全体として持続的に成長してきましたが、今後、社会課題の解決に貢献する新たな価値を着実に創出していくには、成長が期待できる分野を見2021年12月期(2021年度)の総括新中期経営計画の方向性と目指す姿成長分野と強みにフォーカスし、サステナブルな社会に ポートフォリオマネジメントのもと 貢献する新たな価値を創出します。

元のページ  ../index.html#7

このブックを見る