ヤマハ発動機 統合報告書2022
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64上■ 2020年よりCEOの業務レビューと評価に基づき再任を判断するためのCEO懇談会を実施するようになりました。この場では、CEOとの対話を通じて経営者としての業務執行状況等を確認しており、客観性と公正性が担保されたプロセスとして、有効に機能していると思います。また、CEO懇談会とは別に社外役員だけで集まって議論をする場として社外役員意見交換会もあります。その議論の過程で直接CEOに確認したい共通の疑問点が出てきたときに、「この場所に日髙さんを呼んで話をした方がいいね」ということになり、社外役員意見交換会にもお呼びすることになった経緯があります。その後も、このようなやり方は忌憚なく会話する場として継続しています。 田代 CEO懇談会や社外役員意見交換会などが重要な役割を担っていることは確かですね。取締役会では、どうしても議題に絞った発言をせざるを得ません。しかし、これらの場では議題は気にせずに自由に発言することが可能です。例えば、社外役員から「とにかく悪いニュースを最初に知らせて欲しい」ということをお願いしたのですが、今では「バッドニュース・ファースト」という考え方が定着し、毎回取締役会の冒頭で日髙さんがバッドニュースを報告されるようになりました。コンプライアンスに関する問題などは発生から時間が経過するほど対応が難しくなりますので、「バッドニュース・ファースト」の徹底により、その影響を最小限に抑えることができると考えています。 河合 おっしゃる通りです。ヤマハ発動機は世界180カ所以上で幅広い事業を行っていて、非常に多くの子会社や合弁会社を抱えていますので、監査役としてリスク管理の難しさを感じています。しかし、内部監査部門や常勤監査役の皆さんが素晴らしいネットワークを用いて情報収集を行い、バッドニュースを早めに見つけ出してくる努力をされています。それを私たち社外監査役にも直ちに共有してくださいますので、監査役としての役割を果たせています。引き続き、このようなネットワークの維持・強化をお願いしたいですね。 上■ 新中計では、財務面だけではなく、非財務面の目標数値(KPI)を取り入れるなど、サステナビリティへの対応が強化されました。このあたりの議論でも、私たち社外役員からさまざまな提言を行いましたが、とりわけ人財のダイバーシティについては、田代さんが力を入れてお話しされていたところだと思います。この点については、いかがでしょうか。 田代 女性や外国人の登用など、人財のダイバーシティの確保については、CEO懇談会の場でも早くから提言していました。 ヤマハ発動機は、主に一般消費者向けの商品を取り扱っていますので、お客さまの半分は女性であり、海外に住んでいらっしゃるお客さまも多くいらっしゃいます。また、新型コロナウイルス感染症の拡大やロシアのウクライナ侵攻、気候変動問題の深刻化など、 社外役員鼎談 新中計では、財務面だけではなく、非財務面の目標数値(KPI)を取り入れるなど、サステナビリティへの対応が強化されました。

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