取締役会議長 代表取締役会長 渡部 克明 602021年6月、コーポレートガバナンス・コードが改訂され、取締役会への要求事項が一段と強くなりました。この改訂は、取締役会の質をさらに高めていくことを求めているものと理解しています。当社でも、経営課題に対する討議を深めるために各種改善を進めています。その一つが各議案の事前配信です。プレゼンターは議案について15分の映像にまとめ、事前に配信を行います。こうすることで予備学習や思考の整理が進み、結果として、取締役会の質と効率の向上に貢献しています。また、新たに設置した経営研究会も議論の質を高めるという点で大いに成果を生み出しています。 このように取締役会の質向上を進める背景には、新中期経営計画で示した成長領域や新規事業、さらに重要課題であるサステナビリティに対する議論を深めていきたいという狙いがあります。2021年度は新中期経営計画の策定年度となりましたが、 取締役会では核となるポートフォリオ戦略をまとめるための議論、サステナビリティに関するカーボンニュートラルの議論、さらに経営基盤強化のためのDXや新型コロナウイルス感染症対応の議論を集中して行うことができたと感じています。 これまで当社の取締役会の構成は社内取締役6名、社外取締役4名となっていましたが、2022年3月に開催された株主総会の承認を経て、社内取締役5名、社外取締役5名となりました。 当社の機能は大きく管理・営業・製造・技術の4つの領域に区分できますので、社内取締役は、これら各領域のバックグラウンド こうした議論の実効性を高めていくために、7つの評価項目による自己評価と、外部機関による客観評価を併用して評価・検証を行っています。2021年は3年に一度の外部機関による評価の年にあたり、客観的な評価を受けました。その結果、取締役会は十分に機能していると認められましたが、改善を必要とする5つの課題も浮かび上がりました。その中には、ポートフォリオ戦略やカーボンニュートラルの取り組みについての課題もあり、これらについては2022年度の取締役会の中で解消していく考えです。 このほか、2021年度には、役員人事委員会で報酬制度を改定しました。ベンチマークとする25社の選定を見直し、これらグローバルな製造業の60パーセンタイルを基準に基本となる報酬テーブルを策定しました。なお、この改訂による増加分についてはすべて業績連動領域に振り分け、業績と連動した報酬の比率を引き上げています。同様の方針で、株式報酬もTSR評価に連動させたことで、株主の皆さまの利害とも連動する形となりました。を持った人財が執行役としてその一つずつを担い、これに会長職を加えた5名のバランス構成が良いと考えています。また、それぞれがバックグラウンドを活かして事業の執行を行いながら、その枠を超えた経営者としての判断をますます磨いてもらうことを期待しています。取締役会の質向上を目指す 取締役会の多様化が進展 取締役会議長メッセージ質の高い取締役会運営を 進めてまいります。
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