ヤマハ発動機 統合報告書2022
39/94

気候変動リスクと機会の評価および財務影響 当社では、2050年カーボンニュートラルを目指す戦略を立案するにあたり、不確実性(リスク)要因に対応するために、IPCC第6次評価報告書のSSP1-1.9およびSSP1-2.6とSSP3のシナリオやNDCsシナリオを参照しています。短期・中期・長期のリスクと機会、事業・戦略・財務に及ぼす 影響を抽出し、評価しました。この結果を踏まえ、当社の2030年目標(および2035年目標)の具体的数値目標を策定するとともに、気候変動への取り組み強化と、スコープ1.2.における2035年削減目標の前倒しを決定しています。ーー機会移行リスク物理的リスク区分政策・法規制SSP1各国・各地域の排ガス規制やCO2排出量規制対応の開発コスト増加政策・法規制SSP1炭素税の導入による操業コスト増加主要事業である二輪車をアセアン地域を中心に16カ国27の拠点で製造。鋳造工程や塗装工程などで化石エネルギーを利用技術SSP1小型モビリティ電動化対応に伴う技術 コストの増加市場SSP1化石燃料使用の乗り物の市内走行禁止によるICE系二輪車販売減少のリスク充電インフラ整備の遅れによる電動二輪車販売機会の損失リスク評判SSP1投資家などステークホルダーから情報開示が不十分と評価されるリスク急性SSP3極端な気象現象が、操業に影響を及ぼすリスク慢性SSP3長期的な極端気候が、操業および販売に影響を及ぼすリスク区分資源 効率性生産工程におけるエネルギー効率の改善エネルギー源製造拠点における再生可能エネルギーの活用製品/サービス低炭素商品の開発拡大BEV商材の拡充と拡販市場各国・地域の電源構成や政策に対応した当社製品群の需要拡大各国・地域のニーズに応えるソリューション提供の機会拡大環境分野に特化した新規市場・地域へのアクセスレジリエンス各国・地域のエネルギー政策や多様なエネルギー源に対応した製品・サービスによる収益増加37 短期:直近の業績に影響を及ぼす(0〜3年の期間で顕在化する可能性を含む) 中期:当社の戦略の大幅な調整を必要とする(3〜6年の期間で顕在化する可能性を含む) 長期:長期戦略とビジネスモデルの実行可能性に根本的に影響を及ぼす(6年以上の期間で顕在化する可能性を含む)2024年までにBEV商材10モデル投入。2024年までに電動化やCN燃料対応の研究・開発施設の増強。2024年までに電動化やCN燃料に対応するパワートレインの研究・開発施設の増強。2021年度の内燃機関モデルの売上高は1兆6,435億円2021年度の化石エネルギーコストは38億円2021年度のCO2排出量に基づく計算では事業活動におけるCO2排出量に対する炭素税1万3,400円/トンを想定した場合67億円/年の負担増** カーボン・プライシング・リーダーシップ連合(CPLC)報告書:2030年炭素税価格予測より2021年度の当社グループ全体の研究開発費は953億円2021年度の二輪車事業の売上高は 1兆165億円2021年度末の株式時価総額は 9,542億円2021年度エネルギー効率投資実績:15億円* 内部炭素価格6万円/トン2022年度太陽光発電投資予算:9億円YMC CO2フリー電気:4億円/年MOTO BUSINESS SERVICE INDIA Pvt. Ltd.設立。資本金:11億円インド二輪車シェアリングサービス2025年117億円の市場規模予測評価対象評価対象期間法規認証部門:各国・各地域の規制動向の情報収集。環境法規対応委員会:規制強化対応技術の先行開発およびパワートレイン開発の意思決定の迅速化。短期生産本部および環境施設部門:各国・各地域のエネルギーにかかわる規制動向の情報収集。環境委員会:エネルギー関連の投資計画や再生可能エネルギー調達方法など審議・検討。取締役会:経営会議を経て報告。中期小型バッテリーの調達およびコストが課題となるため、同業他社との協業にてバッテリーの相互利用を見据えたバッテリー規格共通化やインフラ整備のコンソーシアムを発足し、電動モデルの普及促進に向けた活動を開始。短期環境委員会:各事業部が各国・地域の規制動向を報告。取締役会:各事業・機能部門は対応方法を検討・決定し具体的な販売戦略を報告。長期コーポレートコミュニケーション部IR&SR担当:個人 投資家向け会社説明会や、機関投資家向けの面談 を実施。中期中期IPCC報告書AR6で評価された陸域における極端な高温や陸域における大雨などの頻度と強度から、操業施設への影響評価を実施。長期期間理論値生産活動をグローバルに展開。短期太陽光発電のグローバル導入実施。YMCにおけるCO2フリー電気の導入。短期中期短期欧州向けに電動二輪車「NEOʼS」、次世代電動操船システム「HARMO」を発売。インドでMaaS事業者との協業を通じて、モビリティサービスビジネスを開始。短期中期環境・資源分野に特化した自社ファンド設立。長期対応状況対応状況財務影響財務影響低炭素商品の需要による収益増加運用総額100億円(運用期間15年)中期経営計画(2022〜2024年)投資予算24億円

元のページ  ../index.html#39

このブックを見る