ヤマハ発動機 統合報告書2022
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戦略事業領域 YRH20212024YRH 25%25%10%10%YRH20212024203025SPV事業市場規模の拡大を捉え、e-Kitのカスタマイズと新モデル投入の相乗効果で成長を図る世界的な新型コロナウイルス感染症の流行により、人々の移動様式が「より近場へ」「密を避けて」に大きくシフトし、小型パーソナルモビリティに対する需要が急増しています。さらに、環境に対する意識の高まりも背景とし、e-Bikeの日本・米国・欧州での市場成長率は年率18%、2030年に向けてもこの市場成長は持続すると考えています。日本・米国・欧州では、2024年に1,000万台を超える市場規模を想定し、当社はe-BikeカテゴリーのTOP3であるE-CITY、E-TREK(トレッキング)、E-MTB(マウンテンバイク)に注力します。 この市場の拡大に対し、当社ではe-Kitのカスタマイズと新モデル投入の相乗効果により、市場成長以上の規模拡大と売上高の倍増を目指し、販売台数成長率は年率22%を見込んでいます。市場成長以上の規模拡大については、e-Kitのカスタマイズやe-Kit顧客であるe-Bikeメーカーとの共同開発を推進します。また、市場規模が最も大きい欧州でのドライブユニットの生産を開始し、欧州の自社サービスネットワークを活用したディーラーダイレクトサービスにより、新規海外e-Kit顧客の獲得に取り組みます。加えて、小型軽量で低騒音の高付加価値新ユニットと、中・上位クラスの完成車ラインナップの拡大により、売上高の倍増を目指していきます。 2つ目が、製造・販売・技術・サービスの体制強化です。事業拡大に向けて生産能力の増強投資を行い、2024年には生産面積を1.8倍にする計画です。また、当社の強みである顧客現場に寄り添う技術・営業・サービスのさらなる強化を図ります。 この2つの取り組みで、商談数増加、案件単価上昇、受注率向上を実現し、事業の拡大と収益力強化を目指します。重点テーマ市場成長以上の規模拡大(CAGR 22%)• 新規海外e-Kit*顧客獲得売上高の倍増• 小型軽量で低騒音の高付加価値e-Kit• 中・上位クラスの完成車のラインナップを拡充* e-Kit(e-Bike Systems):ドライブユニットおよび周辺コンポーネント成長事業ロボティクス事業売上高/営業利益構成日米欧総需要当社予測CAGR 16%20202021202220232024事業売上高市場ポテンシャルCAGR 18%利益寄与率営業利益2030年に向け 市場成長持続ロボティクス事業デジタル社会の基盤を支え、成長事業でさらなる事業拡大、収益力強化表面実装関連機器、産業用小型ロボット、半導体後工程装置の市場成長率は年率7%になると想定しています。デジタル社会の基盤を支えるこの伸長する市場で、当社はさらに事業規模と領域を拡大し、収益力を強化します。 前中期経営計画期間にM&Aを実施したヤマハロボティクスホールディングス株式会社(YRH)はPMIが完了しました。2022年からの3年間ではYRHを含めたシナジー効果によって売上高成長率は年率16%、営業利益におけるYRHの寄与率25%を含め、さらなる収益力の向上を目標とします。 注力する取り組みの1つ目が、トータルサプライヤーとしてのシナジー最大化です。商品面では、プラットフォーム化を進め、商品力を強化します。また、表面実装関連機器では高速機領域に新機種を重点投入し、産業用ロボットでは協働ロボット市場に参入します。販売面では、ワンストップスマートソリューションの魅力を高めるとともに、地域・商材をまたいで顧客ベースで活動する特任営業チームにより、大手 アカウントの獲得に取り組みます。

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