ヤマハ発動機 統合報告書2022
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8新中計のテーマに加えたサステナビリティについては、これまでもさまざまな社会貢献につながる取り組みを行ってきましたが、当社にとって本当に重要なこと、当社が取り組まなければいけないことにフォーカスし、具体的なアクションプランを打ち出しました。その中でも、特に注力するポイントについてお話しします。 まず、カーボンニュートラルに向けた取り組みです。「ヤマハ発動機グループ環境計画2050」では、2050年までに事業活動を含むサプライチェーン全体*1のカーボンニュートラルを 目指すことを目標とし、移動に伴う1人当たりのCO2排出量のさらなる低減を図ることを基本方針としました。 スコープ3.については、パワートレイン技術開発の強化に向けて、2021年に完成した本社内新棟に、EVモーターの性能評価・試験を行うモーターベンチ、水素供給装置、カーボンニュートラル燃料対応タンクなどを設置し、研究・開発設備を増強しました。バッテリーEV、燃料電池、燃料系(水素燃料、合成燃料)の3つを主なターゲットとし、多様なパワートレイン技術の研究開発を推進していきます。 EV化については、プラットフォーム戦略により開発を加速し、2024年までにバッテリーEVのモビリティを10モデル以上投入する計画です。バッテリー着脱式の電動スクーター「NEOʼS(ネオス)」を欧州で2022年6月より販売、また、車両固定式バッテリーを搭載した電動スクーター「E01(イーゼロワン)」は、日本、欧州、台湾、インドネシア、タイ、マレーシア 向けのPoCモデル*2として、2022年7月より順次導入していきます。 次にDX戦略の推進です。DXを通じてお客さまとつながることで、本当の意味でお客さまに寄り添うことができると考えています。私が2018年に社長に就任したばかりの頃、女性ライダーの方から、「ヤマハのマシンはシート高が高く足が着かないので、最初から選択肢になかった」と言われたことがありました。もちろん、その点は当社も考慮しており、シート高がありながらも快適に運転できるための工夫をしています。しかし、お客さまはカタログでシート高を見て検討しますので、数値としてシート高が低くならないと初めから選択肢から外され、実際に乗っていただけません。非常に単純なことではあるのですが、だからこそこのようなお客さまの消費行動を私たちが見落としていないかと考えさせられました。 DXを活用することで、世界のお客さまと直接つながりフィードバックをいただき、また、商品がどこでどのように使われているのか、商品が今どのような状態にあるか把握することが可能になります。スマートフォンアプリとの連携機能を搭載した二輪車などのコネクテッド商材を積極展開することにより、顧客中心ビジネスへと変革し、「顧客とつながる・新しい体験提供」を推進していきます。また、リアルとデジタルの両輪での顧客接点づくりと生涯顧客創出のKPIとして、2024年における ヤマハIDの登録者を、2021年の6倍となる470万人とすることを目標としました。 3つ目が、人財戦略の推進です。成長の源泉となる社員の活力を高めるため、社員エンゲージメントを重要指標とし、ダイバーシティ&インクルージョン、人財育成への取り組みを推進します。この1年間で、私は若手社員1,000人を対象に、20人との対話を50回にわたり行いました。視座の高さ、視野の広さは千差万別で、さまざまな課題認識、意見があり、当社の社員が持つ多様な力を感じることができました。一方で、対話の中で見えてきた課題の7割が社員の身近なことに関するものであり、同じ環境にいる職場のリーダーが自身の業務に時間を取られてしまい、部下と会話する、部下の面倒をみる、育成するといった面が十分にできていないのではないかと感じました。リーダーがマネージャー業務に時間を割けるように、目標管理、人事制度設計のあり方を変えていく必要があると考えています。社長メッセージサステナビリティに向けた取り組み

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