統合報告書2021年 日本語版(2020年12月期)| ヤマハ発動機
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ロボティクス事業部では、「Yamaha One-Stop Smart Solution」をコンセプトに、SMT(実装関連機器)、FA(産業用ロボット)、SEMI(半導体製造装置)、各商材の豊富なラインナップで、お客さまの生産現場の自動化・自律化を支援し、中長期的な労働者不足や人件費高騰といった社会課題を解決します。そして、人が人らしく、もっと幸せになるための製品・サービスを提供し続けるために、ロボティクスグループ内での共通要素技術・知識のリユース・進化、部品共通化を加速すると同時に、新技術開発への体制強化により、盤石な事業基盤の構築と持続的な成長の実現を目指します。Message from Management江頭 綾子ソリューション事業本部ロボティクス事業部長 2021年度の取り組み 事業統合によるシナジー効果を活かした製品の一括提案や相互販路活用を加速させていくため、ロボティクス事業部では、地域軸と商品軸のクロスセル戦略によって新規顧客の開拓を図るとともに、次期中計を見据えた商品開発を推進していきます。また、東京ロボティクス株式会社と共同開発を進める「協働ロボット分野」においても、将来的な市場シェア目標10%を見据えつつ、まずは2022年の製品市場投入に向け着実に取り組む考えです。 また、無人機システム事業の成長戦略をより強固に推進することを目的に、2021年1月に組織変更を行いました。ソリューション事業本部の直下にUMS事業推進部を置くことで、市場が求める無人機システムをスピーディに提供できる体制のもと、さらなる商品力の向上を図りながら国内外への展開を進めます。 YRHでは財務力回復のための構造改革に概ね目途が立ち、今後は経営の一体化を通じて成長速度を上げていきます。半導体市場の回復基調を捉え、通期黒字化を目指すとともに、新機種開発に注力していく考えです。 2020年度の総括 日本をはじめとした自動車領域の投資が抑制されたため、主力のサーフェスマウンターのモデルミックスが悪化したことに加え、ヤマハロボティクスホールディングス株式会社(2021年1月1日にヤマハモーターロボティクスホールディングス株式会社から社名変更。以下、YRH)を完全子会社化した影響により、増収・減益となりました。一方で、アジア(中国・台湾・韓国含む)でのサーフェスマウンターの販売台数が年間を通して増加し、さらに下期からは欧米での販売台数も回復し、利益率は改善方向に進んでいます。また、YRHの構造改革も順調に進んでおり、黒字化の目途が立っています。• 事業拡大および基盤構築のため、中国華南地区における拠点整備・拡充を行い、SMT(実装関連機器)・FA(産業用ロボット)・SEMI (半導体製造装置)の3分野トータルでの販売・サービス体制を強化。• 東京ロボティクス株式会社と技術提携し、"協働ロボット分野"へ参入。産業用ロボット事業のさらなる拡大を目指す。• 次世代型マウンタープラットフォームの開発を進め、プレミアム高効率モジュラー「YRM20」を発売。• 自動飛行で農作業の省力化・効率化に貢献する、産業用ドローン「YMR-08AP」の販売。重点 取り組みに おける 進捗 長期ビジョンの実現に向けた今後の施策 「プラットフォーム戦略」の推進ソリューション事業本部が開発・調達・生産から営業・アフターサービスまで、すべての機能を一つの体制として有していることは、当社の中においても特徴的となっています。その体制を活かし、お客さまへ最適なソリューションを提案および提供するため、モノづくりの共通化・効率化を目指した「プラットフォーム戦略」を推進しています。ハードウェア・ ソフトウェアの共通化により、開発期間の低減や部品の共用化を実現すると同時に、お客さまにとっては維持コストの低減、作業の共通化、 設備納期の短縮といった価値を提供します。 プラットフォーム戦略を通して実効性の高い製品を展開し、あらゆるお客さまにとって全体最適な省人化・自律化を実現していきます。77Yamaha Motor Co., Ltd. Integrated Report 2021

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