統合報告書2021年 日本語版(2020年12月期)| ヤマハ発動機
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マリン事業劇的な市場変化をチャンスと捉え、 付加価値の高いエクスペリエンスの提供を目指す 2020年は新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受け厳しい結果となりましたが、新操船システム「HELM MASTER EX」の先進国市場への導入などシステムサプライヤーとしての進化や、北米のR&Dを活用した開発体制の強化、IoTを活用した予防・予見サービスの取り組みなど、現中計における重点テーマについては着実に計画を進めました。  また、先進国でアウトドア需要が増加する中で、遠距離の移動を伴わない身近なレジャーとしてマリンレジャーが見直されるなど、ポジティブな変化も表れています。初めてマリン製品を購入される方が増え、将来の代替需要も見込めるため、事業の裾野が拡がる傾向を感じています。2021年はこれらの需要を正確に捉えて商品供給体制を強化するとともに、今後の事業方針として新たに「マリン版CASE」を推進して いく考えです。  「マリン版CASE」は、事業ビジョン「信頼性と豊かなマリンライフ」の実現に向け、従来取り組んできた重点取り組みを統合した戦略であり、お客さまのマリンライフをさらに安心で快適な経験に変えていくことを目的としています。気候変動への対応や技術の革新などを背景とした市場の劇的な変化への対応と、マリン製品が有する「高額商品」「高額な維持費」「運転スキル」などのハードルを下げるための挑戦をCASEに沿って実践していくことで、脅威を機会に変え、当社の強みを活かしながらマリン需要のさらなる底上げを図ります。CASEを通して、より付加価値の高いエクスペリエンスを創出し、お客さまの自己実現をサポートできる事業モデルへと変革を行いながら、豊かなマリンライフの提供を目指していきます。 強み• 統合制御技術を柱とした絶対的な商品信頼性 • 幅広い事業領域と 商品ラインナップによる総合事業力 • グローバル市場を網羅する販売・サービス力 機会• 先進国を中心とした大型船外機需要の拡大 • 統合制御技術向上に伴う周辺機器ビジネスの拡大 • ステイケーション需要による マリンレジャーへの価値観の変化 リスク• 気候変動、急激な技術革新などを背景とした 市場の劇的な変化 • 新型コロナウイルス感染症の影響等による 直近の需要変動への製造・販売体制の柔軟な調整 • 為替・規制等の変化に強い事業体質の構築 上席執行役員 マリン事業本部長臼井 博文市場とヤマハ発動機の概況主な競合船外機ロックダウン後に北米を中心としたアウトドア・ファミリーレジャー需要が急上昇。需要増加にフレキシブルに追従するグローバルな生産体制を構築。 MERCURY、SUZUKI、HONDA、TOHATSU、Evinrude ボート国内市場は比較的安定。より付加価値の高いプレジャーボートを提供。また、Sea-Style等のソフト事業では、顧客志向に合ったサービスの展開を強化。 YANMAR、TOYOTA、SUZUKIウォータービークル北米市場が需要のメイン。用途の拡がりにより市場規模が年々拡大。 BRP、Kawasaki 主要製品の概況と主な競合74事業別概況Yamaha Motor Co., Ltd. Integrated Report 2021

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