統合報告書2021年 日本語版(2020年12月期)| ヤマハ発動機
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当社は以前から欧州市場で高い認知度を誇り、一部の国やカテゴリーでは市場を牽引しているほか、YMENVが管轄する41カ国すべてで二輪車ブランドのトップ3に入る存在でもあります。このブランド力と競争力で専売店ネットワークが整備され、これらの販売網による売上は各国で80%以上を占めています。また、お客さまの生活の質を高めるソリューションとして当社製品はますます期待を高め、新規顧客も生み出しています。当社製品は「電動を含めた、新たな低排出ガス(EURO5)モビリティ」「アフターコロナで新たな自由を手に入れるためのモビリティ」「お客さまが望むより良い世界を実現するモビリティ」など、未来の期待に応えるものでありながら、同時に現在の市場を支えています。 競争力のあるラインナップはもちろん、物流のネットワークや高い整備技術まで当社に対する市場の信頼はとても厚く、欧州における当社の明るい未来は私たちの努力次第であると考えています。Message from ManagementEric de Seynes上席執行役員 YMENV(ヨーロッパ)社長 2021年度の取り組み パーソナルコミューターとして二輪車が再評価される中、増加する需要を取り込むために、各国の市場特性に合わせた製品の投入を拡大し、ヤマハらしい成長領域で収益基盤を構築していきます。先進国二輪車とRV事業では、構造改革や新モデル投入により収益性改善を目指すとともに、 電動アシスト自転車では、新技術による新商品開発と戦略的パートナーシップにより総合的な価値提案を行い、グローバルに事業を拡大していく考えです。 長期ビジョンの実現に向けた今後の施策 MC事業とSPV事業のシナジー創出に取り組む 当事業の強みはグローバルにあらゆるモビリティをフルラインナップで展開していることです。2020年にランドモビリティ事業の競争力強化を目的に、SPV事業部をMC事業本部に統合する組織変更を行いました。2021年は中計最終年度のため目標数値等は据え置きますが、次の新中計から、シナジー創出を目指し取り組みを進めていく考えです。ビジネスシステムの異なる事業を統合する難しさはありますが、当事業の強みをさらに強化することにより、EV化および新しいモビリティ創出の推進を図ります。 DX戦略を加速し、お客さまとつながる 製品およびマーケティングにおけるDX戦略を進めています。製品~お客さま~交通環境のつながりを実現し、下記に挙げる価値の提供を目指しています。 1. さらなるモビリティの利便性と価値の向上 2. 交通環境とのつながりを構築することによる安全・安心の実現 3. 操作情報のフィードバックによる自己実現のサポート 4. 顧客との関係性を強化するコミュニティの創出  ハード面については順次取り組みを進めており、現在世界各国で行っている安全普及教育活動「YRA(ヤマハライディングアカデミー)」やレース参戦サポートプログラム「bLU cRU(ブルー・クルー)」等の活動と連動させるようなソフト面については、時間軸を含め検討しつつ推進していく考えです。 2020年度の総括 新型コロナウイルス感染症拡大による販売規模の減少に合わせて、経費・在庫も減少しました。また、先進国ではロックダウン解除後にアウトドアレジャー需要や、パーソナルモビリティ需要が急回復したことが追い風となり、減収・減益ではあるもののダメージを最小限に抑えられました。在庫はほとんどの地域で低水準となっており、2021年は急増した需要に対して生産計画を調整し対応していく考えです。 • 生産効率と市場追従性の向上を目的とした生産拠点構造改革の一環として、イタリア二輪車エンジン製造子会社の株式譲渡、 磐田本社工場および周辺工場の生産機能の再配置を実施。 • ROVプラットフォームを採用したモデル「Wolverine RMAX 1000」を開発・販売開始。 • モーターサイクル等の開発で培った知見を注入したオフロード向けスポーツ電動アシスト自転車(e-BIKE)のフラッグシップモデル販売。 • EV向け電動モーターユニットの試作開発受託を開始。 重点 取り組みに おける 進捗 73Yamaha Motor Co., Ltd. Integrated Report 2021

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