統合報告書2021年 日本語版(2020年12月期)| ヤマハ発動機
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コンプライアンス強化において重要なのは、 従業員一人ひとりの意識に浸透させること です。持続的な企業価値向上に向けて 大橋 先ほど米さんもコンプライアンスに関するところで触れていらっしゃいましたが、グローバルでオペレーションをする難しさというのは私自身も小松製作所での経験で身に染みています。コンプライアンス以外のことについても、例えば、日本国内では気候変動への関心が非常に高まってきていますが、地域によっては未だ関心が低いところもあります。このように同じ事象に対しても国や地域ごとに重要度が異なることを認識しながらも、世界中の従業員と同じ方向を向いて進んでいくことが重要であり、大切なことであるというのが私の実感です。それには時間がかかりますが、グローバルでオペレーションをしている会社にとって避けることができない課題です。大きなリスクにもなり得ることですので、今後もどんどんレベルを上げていただきたいと思いますし、私も自分自身の経験を踏まえながら、取締役会の場などで積極的に提言し、少しでもヤマハ発動機の企業価値向上に貢献していきたいと考えています。 米 最後になりますので、「守り」の領域を超えてお話しさせていただきます。私たち社外役員も、新製品に試乗させていただく機会がありますが、ヤマハらしい、お客さまに夢を与えるものを次々に考えていらっしゃることが伝わり、非常にワクワクさせていただいています。脱炭素化など、直面する課題は大変なものがあると思いますが、技術のヤマハとして、世界中の人々がワクワクするような製品を今後もぜひ出し続けてほしいと思っています。そのために、例えば取締役会や監査役会の構成についても、ジェンダーだけでなく、さまざまな意味での多様性をどんどん取り入れていった方がいいのではないでしょうか。これは一案に過ぎませんが、 ヤマハ発動機のBtoCのCは日本人だけではありませんので、そういう多様性の中で「感動創造企業」という企業目的を引き続きグローバルで実践していくことを期待しています。 大橋 同感です。脱炭素化に関する世の中の動きを踏まえると、ヤマハ発動機が描いている2030年、2050年の目標を達成するために、現在考えているやり方とスピードでいいのかどうかということが議論として出てくると思います。ただし、長期ビジョンの実現に向けて多くの種まきができていますので、それらを拡げていくことによって、対応していけるのではないかと私は期待しています。57Yamaha Motor Co., Ltd. Integrated Report 2021

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