統合報告書2021年 日本語版(2020年12月期)| ヤマハ発動機
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社外役員対談のではないでしょうか。ヤマハ発動機の経営陣には危機管理能力だけでなく全社をまとめる力があると思いました。 米 一方、ヤマハ発動機がグローバルにオペレーションを行う中で、本社と海外の拠点がどれだけ緊密な協力関係を構築できているかどうかといった課題が、新型コロナウイルス感染症の流行への対応の中で浮き彫りになった面もあるのではないでしょうか。法務の観点から言うと、世界中のどこかで何か重大なコンプライアンス上の問題が生じたときに迅速かつ的確に対応するためには、各地にいる従業員が常日頃からグローバル企業の一員としての責任感と自覚を持ち、行動している必要があると考えています。そういったことの重要性を、世界中の従業員に発信していくことにもっと磨きをかけていってほしいですね。例えば、現地の法律上は問題のないことが、グローバルスタンダードに照らすと大きな問題になることを、従業員一人ひとりにしっかりと理解していただきたいと思っています。 大橋 2020年は現中期経営計画の2年目でしたが、緊急事態の中で経営としては非常にうまくバランスを取りながら、成長戦略についての取り組みも進めることができた印象があります。2030年をターゲットとした長期ビジョンの実現に向けて、経営基盤の強化や構造改革、DXなどにおいても実直に進めています。もちろん新型コロナウイルス感染症の流行への対策の影響で、若干スローダウンしたところもありますが、そのあたりを含め2022年からの次期中期経営計画でどのようにキャッチアップしていくのかを 現在議論しているところです。 米 一点気になるのは、新型コロナウイルス感染症の流行による影響が社会全体のさまざまなところに波及し、かつSDGsなどが注目される中で、世界全体が従来とは違う方向に向けて急速に変化している状況であり、例えばCO2の削減といったサステナビリティに向けた取り組みをさらに加速する必要があると個人的には感じています。そのあたりをどのように成長戦略とマッチングさせていくかを、引き続き注視していきます。 グローバルなオペレーションを 行う上では、世界中の 従業員と同じ方向を向いて 進んでいくことが重要です。56コーポレートガバナンスYamaha Motor Co., Ltd. Integrated Report 2021

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