統合報告書2021年 日本語版(2020年12月期)| ヤマハ発動機
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サプライチェーン全体でグローバルにサステナビリティを推進 コロナ禍による世界的なサプライチェーンの混乱、自然災害、品質問題、経営状況など、調達先を取り巻くさまざまな課題に対して当社グループは「相互信頼・相互繁栄」の考えのもと、リスクの予防とリスク発生時の影響の最小化に努めています。  経営状況と品質問題については、本社によるモニタリングを毎年実施し、BCP(事業継続計画)と環境負荷物質不使用と合わせて全体パッケージとしてお取引先を評価しています。その上で必要に応じて是正措置を行い、進捗確認を実施しています。強固なBCP管理のために、サプライチェーンリスク管理システムを用いて原材料から調達部品が完成するまでのサプライチェーンを明らかにし、リスク要因の分析と把握に努めるとともに、グローバルでの調達リスクについても有事に備えた安定調達体制の拡充を進めています。 当社グループの「サステナビリティ基本方針」では、お取引先が方針を支持し、それに基づいて行動することを期待しています。中期経営計画(2019~2021年)では、全世界購入金額ベースの約9割に当たる1,000社以上のお取引先へ展開を進めています。さらに各国特有の人権課題に焦点を当て実施地域を順次拡げるとともに、実施方法にも磨きをかけていく考えです。サプライチェーン全体での脱炭素社会に向けた取り組み 当社グループにおけるカーボンニュートラル目標達成のために、業界団体と連携し、サプライチェーン全体のCO2排出量の把握と管理体制構築を推進していきます。 お取引先の生産現場における省エネルギー化の取り組みを2019年より開始し、脱炭素サプライチェーンの実現に向けたお取引先との活動を広く展開するとともに、再生材の活用など資源の有効活用を積極的に進め、原材料および製品の生産段階におけるCO2排出量削減の技術イノベーションをお取引先と協創していきます。 グローバルサプライヤーズカンファレンスを通して、このような当社の取り組み方針についての情報発信とお取引先との方向性の共有を行い、お取引先とともに目標の達成に向け推進していきます。リスク管理と持続的な社会貢献のために調達新長期方針を策定 調達活動は、つねに変化や社会課題に対応していく必要があります。生産数量に頼った効率改善・競争力向上に依存するのではなく、お客さまへの提供価値を向上し続けなくてはなりません。また、パンデミックや物流の混乱、新しい規制など、サプライチェーンのリスクがグローバルな規模で増大しています。  グローバルな調達ネットワークの強化や競争力向上といった取り組みに加え、当社とお取引先が持続的に成長できるような取り組みが求められています。これらを実現していくために、私が共同責任者になっている「Procurement Global Executive Committee(PGEC=海外の調達拠点長と調達本部による方針決定会議)」を通して新たな調達長期方針を策定し、グローバルに展開していきます。 Message from ManagementOlivier PrevostDeputy Executive Officer Director, PTW Manufacturing & Engineering, YMENV(ヨーロッパ)43Yamaha Motor Co., Ltd. Integrated Report 2021

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