統合報告書2021年 日本語版(2020年12月期)| ヤマハ発動機
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戦略 ヤマハ発動機グループは、2050年までに事業活動を含む製品のライフサイクル全体のカーボンニュートラルを目指す新たな目標を設定しました。「気候変動」「資源循環」「生物多様性」を重点取り組み分野として、2050年までに目指す姿(ゴール)、マイルストーンとして2030年に到達すべき目標(ターゲット)を設定し、3年ごとの中期計画を 策定し活動を推進していきます。目標を達成することで世界の人々に新たな感動と豊かな生活を提供し続けていきます。 ヤマハ発動機の対応 1 ヤマハらしいカーボンニュートラル戦略地球環境課題の解決に向けた当社の取り組みは、1980年代から開始しています。1993年に世界初の電動アシスト自転車「PAS」を発売し、2002年には都市型電動コミューター「Passol」を提案しました。その後もゴルフカー・車いす・船外機など、さまざまなカテゴリーに電動化を拡大しています。「人間感覚を最優先した、人と地球にやさしいパーソナルコミューター」を開発コンセプトとした「PAS」は、自転車ともバイクとも異なる「新たなカテゴリー」を市場に創出しました。現在、日本の都市部では原付や軽自動車に代わるモビリティとして成長を続け、欧州や米国ではスポーツレジャーとしてe-BIKEという新たなジャンルで市場が拡大しています。 2050年カーボンニュートラル社会の実現に向け、当社は二輪車に加えてヤマハらしい新たなモビリティを提案し、「新たな価値」を提供し続けていきます。環境負荷の小さいモビリティの提案当社では、原材料から製造・使用・廃棄に至るライフサイクルCO2排出量が少なく、環境負荷の小さい小型モビリティを提案しています。例えば四輪車に比べて二輪車は、ライフサイクル全体で、ICE*1車で ▲70%、電動車においては▲75%のCO2排出量です。 バッテリー製造時のCO2排出量の削減や、再生可能エネルギーを利用した充電設備の充実によってより効果的なCO2削減が実現可能です。基本方針 移動に伴う1人当たりCO2排出量のさらなる低減を目指す• 効率の良い動力源、よりCO2排出量の少ない動力源への切り替え。• CO2排出量の少ない小型モビリティの活用推進。移動により発生するCO2排出量/1人最適な手法で効率化し、CO2削減を推進車両サイズマリン二輪PASFCVBEVHEV*3BEV小型モビリティの活用移動により発生するCO2排出量/1人車両サイズマリン二輪PAS四輪新領域への挑戦 ①新領域への挑戦 ②〈試算前提〉車両製造:原材料・EVバッテリー製造時・組立時・廃棄時エネルギー製造:燃料製造・電気製造四輪車:IEA基準/二輪車:当社125cm3、二輪BEVは左記同等出力クラス 年間走行1.5万km、使用期間10年(四輪参考データ:IEA「Global EV Outlook 2020」)*1 ICE(Internal Combustion Engine:内燃機関):燃料を燃焼し動力を得る*2 BEV(Battery Electric Vehicle):バッテリーの電力でモーターを駆動する*3 HEV(Hybrid Electric Vehicle):エンジンとモーターを組み合わせ駆動する*4 FCV(Fuel Cell Vehicle):燃料電池で発電しモーターを駆動する四輪BEV/ FCV*4 原材料  EVバッテリー製造時  組立時  廃棄時  四輪ICE二輪ICE四輪BEV*2二輪BEV 原材料  EVバッテリー製造時  組立時  廃棄時  エネルギー製造時  走行時▲70%▲75%エネルギー製造車両製造エネルギー製造車両製造走行時製品ライフサイクルCO2排出量比較27Yamaha Motor Co., Ltd. Integrated Report 2021

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