持続的な成長基盤を確立し、 豊かなマリンライフの提供を目指しますマリン事業は、マリンエンジンやボート、ウォータービークル、プールなどを展開しており、ランドモビリティ事業に次ぐ規模を有します。強みとする先進的で信頼性の高いエンジン技術・船艇技術に加え、グローバルに展開するサービス体制により、マリン市場では世界トップレベルのプレゼンスを構築しています。 現中期経営計画の1年目にあたる2019年は、事業重点テーマを着実に推進することができました。船外機の主要市場である北米・欧州における200馬力以上の大型船外機の需要は堅調に拡大し、インボード、スターンドライブといった推進機からの置き換えが進んでいます。 このような市場環境を踏まえ、現中計では船外機グローバル生産体制を重点テーマとして掲げ、2019年は大型船外機の生産能力増強や、ヤマハ発動機本社工場、ヤマハ熊本プロダクツ株式会社、Thai Yamaha Motor Co., Ltd.(TYM)の3工場間における生産フレキシビリティ向上も計画通り実施、進捗しています。 また、システムサプライヤー戦略の進化を目指し、当社の強みである統合制御技術による高度な操船支援機能の開発を重点的に推進しており、2019年はスポーツボートで新たな操船デバイスを市場投入しました。長期的には信頼性と付加価値の高い自動操船システムなどの導入を見据えた技術開発・商品開発を進める考えです。 2020年は新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大による経済状況の悪化に伴い、事業環境の急激な変化が想定される一方、中長期的な視点では過去から築き上げられたマリン文化は変わることなく、さらにはポジティブな変化も考えられます。長期ビジョンで掲げる信頼性と豊かなマリンライフの提供に向け、足元の厳しい環境下においても高収益事業体質の強化と持続的成長基盤の確立を目指します。マリン事業市場とヤマハ発動機の概況主な競合船外機北米・欧州を中心としたプレジャーボート需要の拡大に伴い、船外機の需要増加。フレキシブルに追従するグローバルな生産体制を構築。マーキュリー、スズキ、ホンダ、トーハツ、 エビンルードボート国内市場は比較的安定。より付加価値の高いプレジャーボートを提供。また、Sea-Style等のソフト事業では、顧客志向に合ったサービスの展開を強化。ヤンマー、トヨタ、スズキ、トーハツウォータービークル北米市場が需要のメイン。用途の拡がりにより市場規模が年々拡大。BRP、カワサキ主要製品の概況と主な競合進捗:2019年12月期は従来の活動に加え、海洋プラスチック問題解決に向けた調査活動に参画。機会• 先進国を中心とした大型船外機需要の拡大• 統合制御技術向上に伴う周辺機器ビジネスの拡大• 新型コロナウイルス感染症の影響を契機とした マリンレジャーへの価値観の変化リスク• 新型コロナウイルス感染症の影響等による直近の 需要変動への製造・販売体制の柔軟な調整• 為替・規制等の変化に強い事業体質の構築強み• マリンの総合事業力 (幅広い事業領域と商品ラインナップ)• 統合制御技術を柱とした絶対的な商品信頼性• グローバル市場を網羅する販売・サービス力上席執行役員 マリン事業本部長臼井 博文72事業別概況Yamaha Motor Co., Ltd. Integrated Report 2020
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