ヤマハ発動機 統合報告書2020
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2019年12月期の概要 先進国二輪車事業における欧州での新規制対応モデルを中心とした販売台数の増加とそれに伴う本社限界利益増加によって収益が改善したものの、新興国二輪車事業において収益性の高いベトナム・インド・台湾で販売数が減少したことにより、売上高1兆1,004億円 (前期比1.6%減少)、営業利益418億円(前期比14.1%減少)となりました。そのうち、売上高293億円、営業利益120億円が為替によるマイナス影響です。 今後の施策 先進国では、引き続き新規制対応モデルの積極的な投入に加え、構造改革については採算性改善を図るため、本社工場効率化を進める計画です。新興国は、高付加価値商品の販売を主軸とし、ベトナムではブランド力強化、インドでは新規制対応モデルの投入、台湾では電動二輪車の拡販など、各市場での販売台数増加と収益性改善を目指します。 RVでは、新プラットフォーム化とマーケティング強化を行い、収益を改善させていきます。 また、電動アシスト自転車は、健康志向や環境意識の高まり、交通環境の変化、ガソリン価格の変動などの社会的な要因もありニーズが多様化してきています。今後も市場規模の拡大が見込まれ、当社では引き続き、新開発のアシスト制御搭載モデルの投入や拠点機能の拡充による販売力強化により、拡大を続ける市場に対し事業成長に努めます。 2020年前半は新型コロナウイルス感染症に伴う世界各地でのロックダウンや外出自粛の影響を受けて世界中の市場で需要が大きく減少しましたが、後半に入り、需要回復の兆しが見えてきました。特に先進国においては、三密回避のパーソナルな交通手段や身近なアウトドアツールとして当社製品の価値が再認識され、需要拡大の傾向が表れています。今後の需要変動を見極めながら、各市場に即応した施策を実施していきます。新技術の開発によって 新たな付加価値を創出し、 ブランドを牽引得意かつ成長領域で 強い収益基盤をつくりつつ、 新ビジネスを創出ブランドと収益基盤の 再構築と、インド市場に おける新領域を開拓新たなプラットフォーム モデルを投入し、 シェア拡大を実現新技術による新商品開発・ 戦略的パートナーシップ により事業拡大インドネシアでは新中間層の拡大を背景に、その層をターゲットとしたミドルクラスのコミューターを充実させ販売を拡大しています。特に、「XMAX」「NMAX」「Aerox」「LEXi」の4モデルについては「MAXIブランド」として販促活動を展開しており、2015年から2020年には「ベストバイクオブザイヤー」に選ばれるなど「憧れのバイク」としての強いブランドイメージの確立に貢献しています。また、YIMMでは「NMAX」「YZF-R25」など多数のグローバルモデルを欧州、日本などの先進国や世界各国に向けて生産、輸出しており、その高い生産品質が認められています。 私は執行責任者として、インドネシアを含めたアセアン市場における ヤマハブランド価値向上と、グローバルモデルの商品価値・事業価値の 向上に向けて、最大限努めていきます。Dyonisius Beti執行役員COO, YIMM(インドネシア)市場・製品別の中期重点テーマ• 需要拡大を見据え、フィリピンにおける二輪車工場生産能力の増強を決定。• 実環境との親和性や観光産業への有用性の検証のため、フロント二輪小型電動モビリティ「TRITOWN」の実証実験を開始。• 電動製品戦略に沿った電動スクーター「EC-05」をGogoro社と 共同で開発・販売。• 当社、本田技研工業株式会社、川崎重工業株式会社、スズキ株式会社の4社で、日本国内における電動二輪車の普及を目的としたコンソーシアムを創設。重点取り組みにおける進捗 MC先進国市場MCアセアン市場MCインド市場ROV北米市場SPV事業Message from Management71Yamaha Motor Co., Ltd. Integrated Report 2020

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