ヤマハ発動機 統合報告書2020
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上釡 新型コロナウイルス感染症の収束後、いわゆるアフターコロナの世界では、ヤマハ発動機の顧客層が大きく変わることも想定されます。例えば、これまで海のレジャーに関心すら寄せていなかったような消費者がマリン製品に目を向けるようになるなど、これから新たな顧客層を開拓していくことができるのではないかと見ています。そのようなことも含め、どのようなことが起きるのかをマーケティングし、戦略を練る必要があります。そうすれば、これまでとは違った切り口が見えてくるのではないでしょうか。無人化、自動化という観点では、ロボティクスがさらに重要になるはずで、ヤマハ発動機としてのチャンスは多々あります。また、当然のことながら、AIやIoTなどの技術の進化がもたらす社会の変化も想定しなくてはなりません。その中で、ヤマハ発動機にしかできないもの、世の中があっと驚くようなものを生み出せるよう、徹底的に攻めていってもらいたいと思っています。「やはりヤマハだね」と世界の人々から評価していただけるような製品をつくってほしいですね。田代 私も同じ意見です。ヤマハ発動機には本当に素晴らしい技術がありますし、変化が激しい時代の中で大きく成長できる潜在能力は十分に備えています。しかし、それを既存のマーケットではなくて、新しいマーケットに展開していこうとしたときに、内部の人たちだけではなかなか難しいところがあるのではないでしょうか。その殻を破るには、全く違う発想の人たちの観点から物事にアプローチしていくこと、例えば、重要な投資判断に外国人を参加させてみるとか、これまで対象としてこなかったマーケットの人たちに意見を求めてみるなど、そういったことに挑戦してみる価値があるのではないかと思っています。 既存のマーケットについては十分に研究もしているし、様々な手を 打っていることは承知していますが、殻を破るには、異分子を取り 入れることも必要です。社外取締役もその一つであり、私自身が異分子として、これからも外部の視点から積極的に意見をぶつけていきたいと考えています。上釡 長期ビジョンや中期経営計画の策定過程においても、殻を破ろうと苦しいぐらいにもがいていることは伝わってきました。私たち 社外取締役は、それを応援していく応援団であると思っていますので、 ヤマハ発動機が感動創造企業としてさらなる進化を遂げられるように、引き続きともに尽力していきましょう。ヤマハ発動機にしか生み出せない 製品を世界の人々に 提供し続けていってほしい。57Yamaha Motor Co., Ltd. Integrated Report 2020

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