ヤマハ発動機 統合報告書2020
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44201030200913201267201154201414620138620162512015185201820194162017338「理論値調達」とサプライチェーン お取引先とともに取り組む「モノづくり調達」「理論値調達」は、お取引先と協働で展開する当社独自の取り組みです。 生産活動における「理論値生産」の考え方を踏襲し、先にありたい姿を描いてから改善活動を行うことによって質の高いアウトプットにチャレンジする活動を、お取引先と協働で展開しています。「理論値調達」では、お取引先のトップと困りごとを共有し、経営改善に貢献するポイントを導き出すための対話と目標合意を、活動の念頭に置くことを重視しています。 当社はこの活動を推進するため、社員を「理論値インストラクター」として育成し、サプライヤーに派遣しています。「理論値調達」の取り組みは、生産工程の改善のみならず、エネルギー使用量の低減、在庫削減、品質向上等の改善にまで対象を拡げています。図面に基づいて必要な部品を調達するだけでなく、材料や製造も含めた最適な モノづくりをお取引先とともに実現しています。 「理論値生産」の考え方を取り入れるサプライヤー数は、2019年実績でグローバル416社となり、強固な調達ネットワークが構築されています。 チーム力醸成のための横軸展開「グローバルサプライヤーズカンファレンス」は、年に一度、海外も含めた主要お取引先を集めて行っており、2019年で開催7年目となりました。2019年は、海外13カ国92社・国内135社と当社役員・社員・子会社総勢約600名が参加しました。当社の持つビジョンや取り組みの紹介に合わせ、各事業での優秀取引先表彰や理論値調達展開の事例共有、新商品展示等を行っています。ヤマハを知ってもらうだけでなく、ヤマハファンを増やし、ブランド向上にも貢献しています。当社を支える情報網の構築お取引先との強いチームワークの構築により、リスク時の対応も高度化しています。震災や洪水、台風などの災害時など、サプライチェーンの継続に関わる被害の情報収集が迅速にできるよう、国内では一次取引先の情報だけでなく、二次、三次と上流のお取引先にまで遡り、サプライチェーンの確認ができる仕組みをお取引先とともに確立しています。コロナ禍で世界的にサプライチェーンが混乱する状況下でも、サプライヤーの稼働状況の早急な把握と逐一の報告が、迅速な経営判断に貢献しています。調達当社のユニークで高性能・高品質な製品を世界中へお届けするためには、多種多様の高品質な部品・資材などを世界的な視野で幅広く調達していくことが重要です。お取引先と積極的なコミュニケーションを通じてより良い信頼関係を築き、培った強いチーム力で感動を生み出す、当社のモノづくりを実現しています。グローバルに拡がる理論値生産活動(展開社数)インドの自動車部品メーカーFIEMに生産を依頼し、「理論値生産」の考え方のもとコストと品質をともにつくり込んだ超小型LEDヘッドライトは、2019年モデルの「MT-03」に採用され商品性を大きく向上させた。また、この事例でFIEMは2019年の「グローバルサプライヤーズカンファレンス」で技術開発賞を受賞。40競争力を生み出す基盤Yamaha Motor Co., Ltd. Integrated Report 2020 海外 国内

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