ヤマハ発動機 統合報告書2020
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新しい財務戦略の方向性 現中期経営計画における成長戦略の予算枠として、研究開発費700億円、M&Aを含む投資1,400億円を計画していましたが、コロナ禍によって、その原資の確保が厳しくなっています。ただし、「既存事業で稼いだキャッシュを新規領域に投入する」という方針・方向性は変わりませんので、キャッシュ・フローやバランスシートをより重視した財務戦略を各事業に展開する必要があります。 そのための新たな指標として、CCC(キャッシュコンバージョンサイクル)と簡易的なROIC(投下資本利益率)を重要なKPIとして導入しました。CCCによるモニタリングは2019年から本格的に運用を始めており、既にキャッシュの創出を意識した事業経営・地域経営の考え方が浸透しつつあります。ROICは主に全社ポートフォリオマネジメントの指標として活用されますが、各事業においても適用し、資本効率の向上につなげていきます。 このような取り組みを通じて、結果としてのバランスシートではなく、明確な財務戦略のもとバランスシートをデザインしていく経営に変えていきたいと考えています。企業価値向上のために 当社は一つのブランドのもと、多くの事業を展開するコングロマリット企業です。しかしながらこれまでコングロマリット企業であることを意識し、その価値を最大化するための的確なポートフォリオマネジメントを十分に実践してきたとはいえません。現在、成長性(CAGR)と資本効率(ROIC)を軸としたポートフォリオマネジメントの実装を進めています。執行側だけでなく取締役会における重要アジェンダとして、 各事業の方向性を明確に定義していきます。 例えば、コロナ禍のような状況では、コングロマリット企業としての多様性が活きるはずであり、事実、これまで経験してきた様々な危機の際にも、特定の事業や地域に救われたことが多々ありました。ポートフォリオマネジメントを強化することにより、多様性の強みが一層発揮できるようになると確信しています。コロナ禍をポートフォリオ見直しの好機と捉え、ダイナミックなポートフォリオ戦略を推進し、ヤマハ発動機ならではの新しい価値を創造し続けることで、コングロマリットプレミアムを実現していきます。 株主還元については、経営状態を早期に正常化させ、従来の株主還元指標である配当性向の見直し、あるいは総還元性向等の新たな指針の導入を進めていきます。ポートフォリオマネジメントの考え方基盤・安定事業再構築事業成長・投資事業全社WACC売上高増加率(CAGR)事業A事業B事業C事業F事業E事業D0–10–10簡易ROIC(税引後事業利益/事業部管轄投下資本)新事業新事業31Yamaha Motor Co., Ltd. Integrated Report 2020

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